高速鉄道計画の早期復活を希望=イスマイル首相

【プトラジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、すでに中止が決まっているクアラルンプール(KL)-シンガポール間高速鉄道(HSR)プロジェクトについて、早期の復活を希望していると述べた。現在マレーシアのウィー・カション運輸相とシンガポールのS.イスワラン運輸相が、計画復活に向けた話し合いを行っているという。
イスマイル首相は、計画が復活した場合には条件を含むいくつかの変更が含まれることになるとの見方を示した上で、KL-バンコク間のHSR計画が浮上していることもあって、できれば早く復活議論が進むことを期待すると言明。「可能ならばバンコクとKL、そしてKLとシンガポールを結びたい」と述べ、中国とタイがHSR建設を進めていることから、最終的にHSR路線が中国とつながる可能性もあると述べた。
 またイスマイル首相は、HSR計画が2018年総選挙前の国民戦線(BN)時代にすでに完成していたものであり「暫定的に中断していただけ」との認識を示した上で、原材料コストが高騰していることから、プロジェクト全体のコストを抑えるために駅舎の規模の縮小を検討する可能性があると述べた。


HSR事業はナジブ政権時代に合意されたが、政権交代で誕生したマハティール政権が見直しのため延期をシンガポールに要請。ムヒディン政権になり事業内容の変更を提案したが、合意に達せず、2021年の1月1日、両国首脳が取り止めを発表。計画中止を申し出たマレーシア側が3億2,027万リンギの補償金をシンガポール側に支払ったが、その後誕生したイスマイル政権が、シンガポール側に議論再開を提案していた。
(ベルナマ通信、8月23日)

パナソニック製造、4ー6月期は45.9%の減益

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】  パナソニック・マニュファクチャリング・マレーシアは22日、同社第1四半期(2022年4ー6月)の純利益が前年同期比45.88%マイナスの1,145万リンギとなったと発表した。

2023年度(2022年4月ー2023年3月)の上半期中に一部のキッチン家電の製造を段階的に廃止する影響でキッチン家電の売り上げが減少したことや炊飯器製造事業からの撤退、中国の「ゼロコロナ」政策下で実施されたロックダウンによるサプライチェーンの混乱の影響で、売り上げが前年同期から3.94%減少し2億4,368万リンギとなった。また原材料価格の高騰、生産コストが上昇したことが影響して減益となった。

同社は今後の見通しについて、長引くロシアによるウクライナに対する軍事侵攻や中国の「ゼロコロナ」政策、世界的に続くサプライチェーンの混乱により、2023年度も困難な状況が続くと予想。それに加えて原材料や部品の価格上昇、インフレ圧力が高まることで消費者の購買力が低下する可能性があると予測し、不安定な状況を注視しながら、コスト最適化を実施して、効率化を強化するとした。

三菱モータース(M)、ラワンに3Sセンターをオープン

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 三菱モータース・マレーシア(MMM)は22日、セランゴール州ラワンに3S(販売、サービス、部品交換)センターを開設したと発表した。首都圏クランバレーで16カ所目のショールームとなる。

認定ディーラーのロフティ・アンビション社が開設したもので、同社にとりペラ州のイポー、タイピン、シティアワンに次ぐ4カ所目。店舗は3階建てで、延べ床面積は4,000平方フィート。

池田真也 最高経営責任者(CEO)は、ロフティ・アンビションとは2014年以来のビジネス・パートナーであり、8年間で4軒のショールームを開設したとして、同社の三菱自動車のプレゼンス強化に貢献していると言明。首都圏には大きな事業成長チャンスがある上、同地域の顧客へより良いサービスを提供できるようになるとした。

一方で今年上半期の販売台数について、池田CEOは、前年比63%大幅増の1万2,261台となったと言明。推定市場シェアは4%で、非国民車ブランドとして3位を維持していると述べた。

ドンキホーテLot10店、26日より24時間営業を開始

【クアラルンプール】 パン・パシフィック・リテールマネジメント(マレーシア)は19日、クアラルンプール(KL)のロット10内にあるディスカウントストア「JONETZ by DON DON DONKI ロット10店」について、26日付けで24時間営業を開始すると発表した。
公式フェイスブックによると、26日より店休日なしでの24時間連続営業となる。ただし、時間帯により入口が変更され、午前10時から午後10時までは2階のメインエントランス、午後10時ー午前10時はレベルGのスイートポテトファクトリー付近入口が利用可能となる。

ロット10店はドン・キホーテのマレーシア1号店として2021年3月にオープン。 開店当初は、新型コロナウイルス「Covid-19」の影響で営業時間が午前8時ー午前零時となっていたが、将来的には24時間営業を目指すとしていた。マレーシア2号店であるトロピカナ・ガーデンズモール店の営業時間には変更がなく、従来通り、月ー木曜・祝日は午前10時ー午後10時、金ー日曜および休前日は午前10時ー午前零時までとなる。
(ラキヤット・ポスト、8月21日)

新型コロナの新規感染者数は2078人、病床使用率は69.1%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症に関する情報提供サイト「コビドナウ(COVIDNOW)」によると、22日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2,078人で、累計感染者数は475万9,830人となった。
新たに3,290人が回復し、累計治癒者は468万5,979人。死者数は10人で、累計は3万6,155人となった。アクティブ感染者は、前日から1,222人減の3万7,696人。うち96.0%が自宅、0.1%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、3.7%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は69.1%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,748万7,182人で、接種率は84.2%。1回目のブースター接種完了者は1,621万100人で、接種率は49.6%、2回目が44万4,353人で1.4%だった。
新たに発生したクラスターは1カ所で、ペラ州で確認した。感染者が出続けているアクティブなクラスター数は37カ所に増えた。

健康宅配食サービス「ヨーローフーズ」、マレーシアで販売開始

【クアラルンプール =マレーシアBIZナビ】 シンガポール発の健康や食生活の志向に合わせた健康宅配食サービス「ヨーロー・フーズ」がマレーシアで販売を開始した。

「ヨーロー・フーズ」の商品は、新鮮や食材を使い、非遺伝子組み換え(GMO)不使用となっている。温めてすぐに食べられる「ヨーロー・ミールズ」は、ナシレマやレンダン・チキンなどのマレーシア料理の他、パエリヤなどの多国籍料理を合わせて90種類の商品を提供する。冷蔵庫で21日、冷凍庫で3カ月保存が可能だ。また、ダイエットやベジタリアン、低糖質などライフスタイルや様々な目的や好みに合わせた「ヨーロー・プランズ」も用意、自分でカスタマイズしての注文も可能だ。またヘルシーなデザートなども取り扱っている。

「ヨーロー・フーズ」は現在、購入時にクーポンコード「FOODIEYOLO30」を入力すると30%引きを行うキャンペーンを実施している。

セランゴールの水害対策に47億リンギ、連邦政府が割り当て

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ首相は20日、連邦政府がセランゴール州の水害対策に47億リンギを割り当てたと明らかにした。

イスマイル首相は、セランゴール州では割り当てた資金で、5つの水害対策が実施されると発表。水害は住民の幸福や州、国の経済に影響を与える深刻な問題だとし、水害を発生させないために実施すると説明した。また第12次マレーシア計画(12MP)にも触れ、2022年第2ローリング・プランでも、セランゴール州のインフラ開発や行政サービス施設などに63億リンギの割り当てを承認したと言明。持続可能で包括的なインフラ整備を含んだ新たな取り組みを行うために、積極的に措置を講じたと説明した。

イスマイル首相が昨年立ち上げた「マレーシア家族」コンセプトの下で現在、全国を巡回して省庁や政府関連機関への就職イベントが行われている。20日にセランゴール州の会場でサブリ首相は基調演説を行い、「マレーシア家族」に触れて、総世帯の40%を占める低所得者層「B40」と、40%を占める中間所得層「M40」への住宅提供は政府にとり重要な課題だと強調。6月時点でセランゴール州では1万4,329戸の住宅が完成したと明らかにした。
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、8月20日)

イスマイル政権が発足1年、与野党取り込み政策運営に成功

【クアラルンプール】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ内閣が発足して8月30日で丸1年となるが、多くの政治アナリストは、イスマイル政権が自身が所属する統一マレー国民組織(UMNO)と適度に距離を置きながら野党協力を取り付けて穏健な政策運営に成功していると評価している

ヌサンタラ戦略研究アカデミーのシニア・フェローであるアズミ・ハッサン氏は、早期の国会開催&総選挙を求めるUMNOの圧力に抗しながら、野党との取引により政権安定に努め主要な制度改革の実施にも成功したと指摘。イスマイル首相が与野党すべてから受け入れられたのが勝因だとし、政府内の安定剤の役割を果たした点を評価した。

アズミ氏はまた、エネルギー価格上昇に苦しんでいる他国と比較して、イスマイル首相のリーダーシップの下で燃料への補助金を維持しながらインフレ・レベルを抑えることができた点を評価した。

マレーシア国民大学(UKM)の政治アナリスト、カルティニ・アブー・タリブ氏は、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種率が99%に上るなどコロナ対策に成功した点、米国で6月に9.1%という高いインフレ率だったにも関わらずマレーシアでは3.4%に抑制できた点を評価した。

マレーシア科学大学(USM)のアハマド・ファウジ氏は、国家建設に対するイスマイル首相の最も注目すべき貢献はUMNO内での圧力に耐えて元・現上司であるナジブラザク前総裁(元首相)やアハマド・ザヒド総裁(元副首相)に対する法的訴追に干渉しないという確固たる姿勢にあると指摘。オブザーバーや改革派のUMNO若手党員に支持されていると述べた。

シンガポール国際問題研究所のオー・エイサン氏も同様の見解で、「おそらく最大の貢献は法を捻じ曲げることを求める動きに対するイスマイル首相の不作為であり、司法の独立性を高めるようとすることや反・政党鞍替え法を成立させようとする政治的意思を称賛すべきだ」と述べた。
一方、オー氏は、ブミプトラ(マレー人と先住民の総称)優遇やマレー語の推奨などの民族的願望を制御不能に陥らないようにすることに注意する必要があると指摘した。

公共政策、政府問題、政治リスクのコンサルタント会社、ブリエンス・アンド・パートナーズのシャズワン・ムスタファ・カマル氏は、 初年度におけるイスマイル首相の最大の貢献は制度・医療改革を推進する政治的意志を示したことだと指摘。政策立案や議会及び特別委員会の役割の向上に関して、野党と協力する意欲をすでに示しているとした。
(マレー・メイル、8月20日)

中国・台湾間の緊張、サプライチェーンに影響

【ペタリンジャヤ】 マレーシア半導体産業協会(MSIA)のウォン・シューハイ会長は、中国と台湾間の緊張は半導体のサプライチェーンを混乱させる恐れがあり、マレーシアには両地からの投資増が見込めるとの見解を示した。

ウォン氏によれば、台湾、中国とも世界半導体産業の主要ハブ。サプライチェーンは複雑で、ある企業が部品を15社から調達しているとして、これには中国、台湾両方の企業がまず含まれる。緊張が高まれば、半導体のサプライチェーンは深刻な影響を受けるという。

リスク回避のため台湾、中国の半導体関連企業は、マレーシアでの工場新設、マレーシア企業買収、あるいはマレーシア企業への製造委託に乗り出すと見込まれるという。

あるアナリストは、緊張が高まれば新工場の建設が必要になるが、建設には時間がかかるため、短期的に企業は十分な量の半導体を生産できず、20ー21年の時のような世界的な半導体不足が再び起こる可能性があると述べた。
(ザ・サン、8月22日)

新型コロナの新規感染者数は2464人、病床使用率は70.2%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症に関する情報提供サイト「コビドナウ(COVIDNOW)」によると、21日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2,464人で、累計感染者数は475万7,752人となった。
新たに4,427人が回復し、累計治癒者は468万2,689人。死者数は9人で、累計は3万6,145人となった。アクティブ感染者は、前日から1,972人減の3万8,918人。うち96.1%が自宅、0.1%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、3.6%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は70.2%だった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,748万6,363人で、接種率は84.2%。1回目のブースター接種完了者は1,620万8,909人で、接種率は49.6%、2回目が44万2,007人で1.4%だった。
新たに発生したクラスターはゼロで、感染者が出続けているアクティブなクラスター数は36カ所だった。