リンギが4日連続で下落、1998年以来の低水準に

【クアラルンプール】 通貨リンギは7日、4日連続で米ドルに対し値下がりし、一時1米ドル=4.5010リンギと1998年以来の低水準になった。

6日にも一時、4.4970リンギと2016年以来の低水準になったものの、終値は4.4985リンギとやや持ち直していた。

ディーラーによると、7ー8日の中央銀行バンク・ネガラ(BNM)の金融政策委員会会合を控え、売買は少なかった。空売りしたドルを買い戻す動きも見られたという。

米ドルに対しては6日、円、中国人民元、台湾ドルも値下がりした。米ドル高の要因は景気後退懸念と賃金上昇で、ユーロや円、ポンドなど主要通貨に対する米ドルの強さを示すドル指数は20年ぶりの高水準に達した。

投資家は、インフレ対策のため米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを継続すると予想しており、米ドル高を支えている。

リンギは6日、英ポンド、ユーロ、シンガポールドルに対しても下落した。しかし円に対しては値上がりした。

(ザ・スター、エッジ、9月7日、マレーシアン・リザーブ、9月6、7日)

国際ハラルショーケースが開幕、3年ぶりのリアル開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国内最大のハラル(イスラムの戒律に則った)製品の食品見本市「マレーシア国際ハラルショーケース(MIHAS)2022」が7日、クアラルンプール(KL)市内で開幕した。新型コロナウイルス「Covid-19」のため2020年は中止、2021年はバーチャル開催となったため、リアル開催としては3年ぶりとなる。

18回目となる今回の会期は9月10日までの4日間。日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所も「ジャパンパビリオン」を設置した。ジェトロのブース開設は2019年に続く2回目で8社が提供する24製品が展示される。

MIHAS2022開催に合わせて6日には国際調達プログラム(INSP)のリアル商談会が行われ、マレーシアのサプライヤー200社と外国のバイヤー300社が参加した。INSPは5月からバーチャル開催も行われており、これまでにマレーシアのサプライヤーと外国のバイヤーがそれぞれ200社あまりが参加。B2B商談件数は1,500件に上り、4,310万リンギの成約が見込まれている。

MIHASを主催するマレーシア外国貿易開発公社 (MATRADE) は、19億リンギの成約を見込んでいることを明らかにした。3カ月間の長期バーチャル開催となった昨年の成約額は21.3億リンギだった。

日本への投資促進ミッション、93億リンギの出資を取り付け

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 通産省(MITI)は6日、アズミン・アリ通産相(兼上級相)が貿易・投資ミッション(TIM)を率いて日本を訪問し、93億リンギの投資を獲得したと発表した。

投資を取り付けたのは、電気・電子、研究・開発、バイオマス、情報技術・通信、化学、食品などの分野で、出光興産やユーグレナが事業拡大、東ソー、日本電信電話、KOAが事業多角化にそれぞれ出資を表明した。またパーム油・パーム油関連商品やハラル(イスラムの戒律に則った)飲食料品分野でも、住友商事やADEKAから計3億リンギの潜在的な投資が見込まれるという。

MITIは、日本からの投資により、雇用や労働者の技術向上の機会が創出されるのみならず、マレーシア国内のベンダーが発展すると期待している。

■アズミン通産相と西村産業相が会談■
アズミン・アリ通産相は同日、西村経済産業相と会談し、両国の経済関係の一層の深化に向けて、地域の諸課題等について意見交換した。
会談では、航空機産業分野の協力、サプライチェーンの強靱化、デジタル技術を活用したイノベーション、日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)友好協力50周年に向けた協力、インド太平洋経済枠組(IPEF)等について意見交換を行った。

屋内でのマスク着用義務を撤廃、公共交通機関と医療機関除き

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 カイリー・ジャマルディン保健相は7日、新型コロナウイルス「Covid-19」対策として最後まで義務として残されていた屋内でのマスク着用について、同日付けで原則任意にすると発表した。

ただし鉄道や飛行機、バス、タクシー、配車サービスを含む公共交通機関、病院やクリニック、介護施設、透析施設など医療施設内ではこれまで通り着用する必要がある。また陽性者はいかなる場所でも着用する必要がある。施設側が独自判断により、施設利用者にマスク着用を求めることもできる。

また義務ではないものの▽せき・発熱などの症状がある人▽高齢者や慢性疾患、免疫不全などの高リスクの人▽高リスクの人と接触する人ーーにはマスク着用を強く推奨する。ナイトマーケットやスポーツジム、ショッピングモール、礼拝所など混雑する場所での着用も強く推奨する。

マレーシアは政府は新型コロナ感染が拡大し始めた2020年初めにはマスク着用を推奨するにとどめていたが、同年8月1日付けで14の公共の場所を対象として着用を義務づけ、感染症予防および管理法に基づき、違反者には最高1,000リンギの罰金が科されることになった。感染拡大が収束に向かい今年4月からエンデミック段階に入ったことで、5月1日付けで屋内での食事やスピーチ中の着用、▽住宅やオフィスビルの外▽バス停▽公園・広場▽屋外歩道・橋ーーなどの屋外を着用義務対象から外していた。

新型コロナの新規感染者数は2067人、病床使用率は73.2%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症に関する情報提供サイト「コビドナウ(COVIDNOW)」によると、6日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2,067人で、累計感染者数は479万5,009人となった。
新たに2,279人が回復し、累計治癒者は473万1,426人。死者数は6人で、累計3万6,255人となった。アクティブ感染者は、前日から218人減の2万7,328人。うち95.0%が自宅、0.1%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、4.7%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は73.2%に上昇した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,749万7,429人で、接種率は84.2%。1回目のブースター接種完了者は1,622万1,825人で、接種率は49.7%、2回目が47万5,669人で、1.5%だった。
新たに発生したクラスターはゼロで、感染者が出続けているアクティブなクラスター数は22件に減少した。