【クアラルンプール】 オンライン決済サービスのペイパルの調査によると、国内の中小企業(SME)の92%が、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大以降、デジタル決済を導入している。
国内SME経営者1,000人を対象にしたペイパルの調査レポート「マレーシアにおけるSMEデジタル化の加速」によると、57%が「ロックダウンが事業のデジタル化を決定する上で影響を与えた」と回答。70%以上がデジタル化のメリットとして「収益への好影響」を挙げた。デジタル化した分野に関しては、「決済」が58%、「広告、マーケティング、顧客サービス」と「カスタマーサービス」がそれぞれ39%だった。デジタル決済を選択する理由としては、67%が「感染予防」、57%が「即時入金」、53%が「顧客体験・利便性向上」と回答した。
また、40%以上のSMEが海外顧客向けに販売を行っており、販売対象地域は「アジア太平洋地域」が48%、「世界全体」が42%、「東南アジア」が39%。海外向け販売を行っている企業の約70%が「デジタル決済によりブランドの信頼性が高まり、海外の顧客を引きつけることができる」と回答した。
一方で44%が「情報技術(IT)の専門知識やサポートが不足しているため、デジタル化が難しい」、43%が「デジタル化の必要性を感じていない」、40%が「予算がない」と回答した。
ペイパル政府関係国際責任者のスティーブン・チャン氏は、デジタル化によってSMEがより良い意思決定を行え、事業を成長させられると指摘。SMEのデジタル化は、マレーシアのデジタル経済の成長を長期的に支える鍵であり、大学、非営利団体、企業、政策立案者が一丸となって取り組み、官民連携を強化する必要があるとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、9月20日、ペイパル発表資料)