【ペタリンジャヤ】 気象専門家らは、ラニーニャ現象(太平洋赤道域東部の海水温低下)の長期化や北東モンスーンの影響により、年末まで集中豪雨など多雨な天候が続くと警告している。
気象学者のフレドリン・タンガン教授は、米国海洋大気庁気候予測センターのデータによると、年末までラニーニャ現象が続く可能性は50%で、11月ー来年3月までの北東モンスーンの影響を悪化させ、マレー半島東海岸で洪水が広範囲に及ぶ可能性が高いと予想。また、温暖化現象も20年前と比べてより顕著になっており、世界の平均気温と同じように、マレーシアの気温も上昇していると述べた。
マラヤ大学気象学のアジザン・アブ・サマー教授も同意見で、ラニーニャ現象がダイポールモード現象(初夏から晩秋にかけてインド洋東部で海水温が低く、西部で海水温が高くなる現象)と相まって、北東モンスーン期に平均以上の降雨をもたらし、11月には特にマレー半島東海岸のクランタン州、トレンガヌ州で例年以上の降雨に見舞われる可能性があると予想。気象予報モデルの精度は50%程度であり、7日先までしか予測できないため、正確な予測は「非常に難しい」と述べた。
消防救助局のモハンマド・ハムダン・ワヒド局長は、雨季に向けて約1万4,800人の職員が厳戒態勢をとるよう指示されたと言明。陸海空の消防機材合計1,800基も前線配備に向け待機中で、マレー半島では地域前線基地3カ所がいつでも稼働できるとした。また、排水灌漑局が指定したクランタン、トレンガヌ、パハン、ジョホール、サバ、サラワク各州の計5,496の洪水高リスク地域における対策計画が4月に開始していると言明。監視や巡回、降雨や水位、モンスーン流、海水の潮流などの監視、関連機関からの情報入手を行っており、遠隔地では、航空局と州政府によるドローン監視を行い、各州は対策室を設置し指揮システムを構築していると述べた。
イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は12日、北東モンスーンおよび洪水対策として地区レベルでの災害管理委員会を稼働させるよう指示。北東モンスーンが11月ー来年3月まで続くという気象庁の予測を受けたものであるとした。
(ザ・スター、9月24日)