【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 双日(本社・東京都千代田区)は27日、ジョホール州の経済開発公社であるジョホール・コーポレーション(Jコープ)との間で、同州における水素・アンモニアを活用した脱炭素社会実現に向けた事業化調査を共同実施する覚書を締結したと発表した。
事業化調査は、水素・アンモニアの輸入から燃料としての利用に至るまで、持続可能なサプライチェーンを構築することを目的としている。具体的には、Jコープグループの不動産・インフラ投資を行うJランド・グループと双日アジアが主体となって、アンモニア受入基地やアンモニア焚きガスタービン火力発電所の開発、アンモニアの船舶燃料としての供給、ジェイコープの子会社が運営する港湾関連での水素を活用したカーボンニュートラルポート化などの事業化の可能性について共同で調査する。双日は水素・アンモニアの最適な調達先や輸送方法の検討、経済性の試算を主導する。同調査の結果をもって水素・アンモニアのサプライチェーン構築に向けた指針を策定し、最終的にはジョホール州の産業界に持続可能で安定的なグリーンエネルギーを供給することで、ジョホール州の産業界の脱炭素化実現に貢献することを目指すという。
調査の対象となるエリアは海上輸送の要衝であるジョホール海峡に位置し、船舶や周辺工業団地への水素・アンモニア供給が期待される。 また、国内外の市場から水素・アンモニアを調達し、ジョホール州に輸入することで、産業界の投資機会も促進する。
Jコープは覚書は、2050年までに二酸化炭素排出量をゼロにするという目標に着手する重要な一歩となると表明。ジョホール州や域内の水素サプライチェーンの発展に期待しているとした。
一方で双日は、アジアをはじめとする世界の様々な産業で培った事業経験を活かし、水素・アンモニアなどの次世代燃料を用いたバリューチェーンの構築を推進していく方針だ。