セランゴール航空ショーの成約額は17億リンギ、目標大きく上回る

【スバン】 セランゴール州政府主催で8-10日に開催された「セランゴール航空ショー(SAS)2022」では、覚書(MoU)24件が締結され、成約額は昨年実績の1億リンギや今年の目標額10億リンギを大きく上回る17億リンギとなった。

セランゴール州評議会のテン・チャンキム議長は、SAS2022の成功は国境再開や業界関係者や一般からの関心の高まりによるもので、ビジネス航空、一般航空の両方を対象とする航空ショーとしては、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域で唯一、アジア太平洋地域でも中国に次ぐ2番目のものであるため、将来に対しても楽観的な見通しを持っていると言明。航空業界は新型コロナウイルスの感染拡大により大きな打撃を受けたが、運航再開により回復傾向にあるとし、航空産業は、今後10年間にわたり同州の経済成長に恩恵をもたらすと述べた。

テンク・ザフルル財務相も、連邦政府は航空宇宙産業に投資を継続してきたとし、航空宇宙産業は第12次マレーシア計画でも経済成長を推進する重要な原動力のひとつとされていると述べた。

2021年8月に第1回が開催されたSASは、航空業界関係者を対象に、航空機などの展示やフォーラム、トレーニングなどを行う展示会。
(ザ・サン、9月12日)

スキッドモア設計のKL中心部のホテル、トロピカナが売却へ

【クアラルンプール】 不動産開発・管理のトロピカナ・コーポレーションは、クアラルンプール中心部に位置するダブリュー・ホテル・クアラルンプールを売却する。売買を仲介するシンガポールのハットンズ・アジアが売却広告を現地紙に掲載した。

人工建造物として世界一の、ドバイにある超超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」を設計した米建築設計事務所スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリルの設計になる客室数150室のブティックホテル。

不動産仲介PPCインターナショナルのサイダーズ代表によると、クアラルンプールのホテルの客室稼働率は40ー50%と依然低いが、この先上昇が見込まれる。
ある不動産アナリストも、海外からの旅客増が予想され、ホテル投資は魅力があるため、ホテル売却には絶好のタイミングだと指摘した。

2019年1月に消息筋の情報として、トロピカナがダブリュー・ホテルを売り出す意向で、3億6,000万リンギでの売却を希望していると報じられた際、トロピカナは否定していた。
(ザ・スター、9月10日)

調理器具ニシンの子会社、KLにカフェ・レストランをオープン

【クアラルンプール】 調理器具メーカーのニ・シン・グループの子会社ブラックビクソン・トゥー・ゴー(BB2GO)は、クアラルンプール(KL)に同社初の飲食施設「ブラックビクソン・カフェ・アンド・レストラン」をオープンした。

国際金融地区「トゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)」近くに位置し、屋上庭園も付属する2フロアの総面積は5,993平方フィート。最大200人まで収容可能で、店内には壁画やアート作品が飾られ、コーヒー、デニッシュペストリー、ハンバーガー、パスタなどの西洋料理を提供する。スペシャル・コーヒーには、ルワンダとブラジルの農園から選別された高級アラビカ豆、肉料理にはハラル(イスラムの戒律に則った)ミートのみを使用する。年中無休で、営業時間は午前8時から午後10時まで。

BB2GOのクー・チェコン社長は、飲食店の開設は長年の計画に基づくもので、便利な場所で新鮮なコーヒーを提供するという目標に向けて一歩を踏み出したと述べた。

BB2GOは、コーヒー販売専用電動バイク「BB2GO EVコーヒー・バイク」の販売会社。「BB2GO EVコーヒー・バイク」はコーヒーマシンに電力供給できる特別設計のバッテリーシステムを搭載し、外部電源なしで最大400杯のコーヒーを作ることが可能。GPSも搭載し、顧客は「BB2GO」アプリからバイクの位置や注文内容を確認できる。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、9月8日)

プロトン、電気自動車販売子会社を設立

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは9日、電気自動車(EV)の販売を手掛ける新たな全額出資子会社、プロトン・ニュー・エナジー・テクノロジー(Pro-Net)を設立したと発表した。

Pro-Netの最高経営責任者(CEO)には、中国での自動車産業での経験が長く、プロトンでも販売ネットワーク開発に5年携わってきた張強氏が就任する。

プロトンは、8月に独占販売代理店契約を締結したスマート・オートモービル(スマート)のEVを2023年第4四半期に発売する計画。最初に発売するモデルは「スマート#1」になる予定だが、家庭用充電器の設置・メンテナンスに加え、充電ステーションの開発・運営を専門とするパートナーと公共ネットワークを構築することで充電インフラの拡充を図って行く方針だ。またEV普及に向け、固定充電器に加えモバイルソリューションも検討するとしている。

スマートは、2019年に独メルセデス・ベンツと中国・吉利集団との合弁により設立。小型電気自動車の開発・販売に携わる。ベンツが担当する洗練されたデザインを特長としており、プロトンに出資している吉利汽車が設計・製造を行なっている。
(マレーシアン・リザーブ、ポールタン、エッジ、9月9日、プロトン発表資料)

新型コロナの新規感染者数は1483人、累計で480万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症に関する情報提供サイト「コビドナウ(COVIDNOW)」によると、11日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1,483人で、累計感染者数は480万5,107人となった。
新たに2,090人が回復し、累計治癒者は474万2,488人。死者数は3人で、累計3万6,280人となった。アクティブ感染者は、前日から610人減の2万6,339人。うち95.0%が自宅、0.0%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、4.7%が医療機関、0.3%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は68.9%だった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,750万669人で、接種率は84.2%。1回目のブースター接種完了者は1,622万5,084人で、接種率は49.7%、2回目が48万3,961人で、1.5%だった。
新たに発生したクラスターはゼロで、感染者が出続けているアクティブなクラスター数は23件となった。

短距離航空のファイアフライ、持続可能燃料の便を就航

【クアラルンプール】 マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)の短距離部門子会社、ファイアフライは8日、持続可能な航空燃料(SAF)のフライトを初めて運航した。MAGは50年までの二酸化炭素排出実質ゼロの目標を立てており、既に6月には傘下のマレーシア航空がシンガポール便で初めて、SAFを使用した。

国内便でのSAFの使用は今回が初めて。スカイパークRACスバンで開催中の航空産業の展示会「セランゴール航空ショー」で給油行事が行われた。

使用機材はATR72-500型機で、目的地は北部のペナン。SAFを38%混合した燃料を用いた。

SAFを提供したのはペトロナス子会社のペトロナス・ダガンガンで、カリル・ジャフリ最高執行責任者(COO)は「マレーシア航空業界を持続可能なものにするため、SAFを一段と推進する」と語った。

航空機燃料には主に化石燃料が使われているが、二酸化炭素排出量を削減するための手段として近年登場したのが化石由来の原料を使用しないSAFで、飲食店や生活の中で排出される廃棄物・廃食油などが原料。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月9日)

マラッカーインドネシアを結ぶ新ルートの建設計画が浮上

【マラッカ】 マラッカ州とインドネシア・スマトラ島ドゥマイを結ぶ新ルートの建設案が浮上している。同州産業投資起業家育成委員会のアブ・ラウフ・ユソー議長(国政の閣僚に相当)が明らかにした。現在はフェリーが運行している。

アブ・ラウフ議長によると、新ルート案は民間企業からの提案に基づくもので、マラッカ州マスジッド・タナースマトラ島ドゥマイ間、全長約120キロを海底トンネルまたは大橋によって結ぶもの。交通分散エリア、出入国管理・税関・検疫・安全管理(ICQS)施設などの建設も行われる。マレーシア、インドネシア両国とも実現に向けた調査を実施することに原則的に合意しており、完成に20年を要する長期プロジェクトになる見通し。

マスジット・タナではマラッカ・コープ(旧マラッカ開発公社)による約2,023ヘクタールの新産業地域開発も計画されているという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、ベルナマ通信、9月8日)

UMWトヨタの8月販売が37%増、新型車「ヴェロズ」は近く発売

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーターは、8月の販売台数が前月の6,637台から37%増加し、9,091台となったと発表した。うち8,961台がトヨタ・ブランドで、残りの130台がレクサス・ブランドだった。

新型コロナウイルス「Covid-19」拡大抑制のために実施されたロックダウンにより大幅に落ち込んだ昨年からの反動で、年初8カ月の累計販売台数は前年同期の3万8,805台から59%増加し、6万1,639台になった。
UMWトヨタのラビンドラン・クルサミー社長は、自動車購入者への感謝を示した上で、新車納車を早めるための生産強化に向け24時間体制で取り組んでいると強調した。

UMWトヨタは、近く発売する7人乗りの新型高級クロスオーバー車「ヴェロズ」について、6月24日から受け付けている予約がすでに5,200台に上ったことを明らかにした。自動車情報サイト、ポールタンは価格が9万5,000リンギ程度になると予想している。「ヴェロズ」はダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)が7月に発売した二代目「アルザ」の姉妹車となる。
(ポールタン、9月8日)

東洋インキ、マレーシアでラミネート接着剤の生産能力を2倍に

【クアラルンプール =マレーシアBIZナビ】 東洋インキグループ(本社・東京都中央区)は8日、マレーシアのトーヨーケム・スペシャリティケミカルが、ラミネート接着剤の生産設備を増強し、生産能力を2倍に拡大すると発表した。グローバル供給体制を強化し、世界的に需要拡大が期待される無溶剤型などの環境対応製品や高機能製品の拡販を進める。

東洋インキグループは、国内トップシェアである東洋モートンをはじめ、アジアを中心にラミネート接着剤事業を展開している。主に軟包装材の複層フィルムの貼り合わせに用いられるラミネート接着剤は、アジア域の人口増加に伴いレトルト食品用途やPTP包装シート等の医薬品用途などで市場が拡大しており、今後5年で約10%の成長が見込まれている。

トーヨーケム・スペシャリティケミカルは、アジア域での旺盛な需要に応えるため、生産能力を2倍に拡大する。増設した設備は2023年第3四半期に稼働予定で、アジアのラミネート接着剤製品のマザー工場として、東洋インキグループが強みとする高機能製品を中心にアジア全域に製品を供給する。

同グループは、マレーシアのほか、中国・江門やトルコでも設備導入を進めており、ラミネート接着剤のグローバル供給体制の強化に取り組んでいる。これまでアジアを中心に事業を展開してきたが、トルコを拠点に中東、北アフリカ(MENA)・中央アジア・東欧地域における事業拡大を進める。今後さらに供給体制を強化し、ラミネート接着剤のグローバル供給体制を1.5倍に引き上げる計画だ。

新型コロナの新規感染者数は2226人、病床使用率は71.7%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症に関する情報提供サイト「コビドナウ(COVIDNOW)」によると、8日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2,226人で、累計感染者数は479万9,663人となった。
新たに1,894人が回復し、累計治癒者は473万5,993人。死者数は8人で、累計3万6,270人となった。アクティブ感染者は、前日から324人増の2万7,400人。うち95.1%が自宅、0.1%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、4.7%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は71.7%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,749万8,608人で、接種率は84.2%。1回目のブースター接種完了者は1,622万3,650人で、接種率は49.7%、2回目が48万81人で、1.5%だった。
新たに発生したクラスターは2件で、クアラルンプールとセランゴール州で確認。感染者が出続けているアクティブなクラスター数は23件に増加した。