ベルジャヤ、来年6月までに「スターバックス」40店舗開設へ

【クアラルンプール】  ベルジャヤ・フードは27日、完全子会社であるベルジャヤ・スターバックス・コーヒー・カンパニーが、2023年度(2022年7月ー2023年6月)に国内で「スターバックス」の店舗を大都市、衛星都市を中心に新たに35ー40店舗開設する計画を明らかにした。

ベルジャヤ・フードがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に提出した年次報告書によると、地主や建築請負業者との共有投資で強い関係を築くとともに、代替建設資材を調達し、新店舗用地を確定した時点での迅速な調達により、インフレの影響を防ぎ、コスト上昇を軽減した上で、店舗を架設する。また、新しいフードの導入や料理専門家や著名人とのコラボレーションにより、メニューを改善する。会員の購買行動から得られるパーソナライズ機能や刷新したポイントプログラム、オンライン注文・支払システム、魅力的な特典の提供などにより、顧客体験や来店頻度を向上させ、運営・管理手続の効果的な管理も進め、運営・管理コストの削減に努める方針だ。

国内「スターバックス」1号店は1998年12月にクアラルンプールでオープン。その後、2016年12月にサバ州とサラワク州に拡大した。今年6月末時点での店舗数は356店舗。ベルジャヤ・フード・スプリームを通じ、ブルネイでも4店舗を運営している。
(エッジ、10月27日)

リンギは来年第2四半期から値上がり、Am銀行見解

【クアラルンプール】 Amバンクの調査部門は、対米ドルで下落を続けるリンギ相場は来年第2四半期以降、上昇に転じ、第4四半期には1米ドル=4.4リンギの水準になるとの見解を示した。米ドルが下落局面に入ると予想されるためだ。

リンギが最も下がったのは1998年3月31日で、1米ドル=4.88リンギ。年内は下落傾向を維持し、27日の4.705リンギに対し、第4四半期は4.7リンギ、来年第1四半期は4.8リンギが予想されるという。

来年のリンギ上昇予想の根拠は両国金利差の縮小で、米国経済は急な減速あるいは景気後退が予想されるため、米連邦準備制度理事会(FRB)は来年下半期に利下げに転じるという。同期の引き下げ予想幅は1ポイント。

FRBは9月20、21日に連邦公開市場委員会を開き、政策金利の誘導目標2.25ー2.5%から3.0ー3.25%へ0.75ポイント引き上げた。

現在のマレーシアの政策金利は2.5%だが、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は今年11月と来年1月にそれぞれ0.25ポイント引き上げ、3.0%にするとAmバンクは予想している。
(ザ・サン、10月28日、ベルナマ通信、10月27日)

ETSホールディングス、マレーシアに子会社を設立へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 電力や設備事業などを手掛けるETSホールディングス(本社・東京都豊島区)は27日、マレーシアに子会社、Gi2パートナーズを設立することを決めたと発表した。

Gi2パートナーズの設立は、マレーシア国内で送電線工事を行う法人への投資およびその投資管理、連結決算支援を行い、ETSホールディングスとのシナジーを高めることを目的としている。資本金は100万リンギ(約3,100万円)で、100%出資子会社となる。11月内に設立を予定しており、ETSホールディングスの日本本社の加藤慎章社長がGi2パートナーズの代表取締役を兼任する。

王子製紙傘下のGSPP、12億リンギを投じ製紙工場を開設

【ペタリンジャヤ】 王子製紙(本社・東京都中央区)傘下のGSペーパーボード&パッケージング(GSPP)は27日、セランゴール州バンティンでペーパーマシン3(PM3)工場の開所式を実施した。

ダンボール箱用の高強度・高品質の軽量紙を生産する工場で、完工は昨年11月。同9月に試験運転、今年4月から商業運転を開始している。建設費用は12億リンギ。

開所式に参加した王子製紙の磯野裕之 代表取締役社長兼グループ最高経営責任者(CEO)は、PM3は、高品質の紙製品を生産できる最先端の技術を備えており、マレーシアおよび東南アジア諸国連合(ASEAN)地域全体のニーズを満たすことができると言明。2010年のGSPP買収以来、マレーシアへの投資を続け、総投資額は10億米ドル(47.1億リンギ)、国内事業拠点数は18カ所に及ぶとした。先月、東南アジア最大の粘着紙ラベルメーカーであるアダンパックグループも買収しており、東南アジアやインド市場をビジネスの成長センターとして、トータル包装材料ソリューションプロバイダーのナンバーワンを目指すと述べた。

GSPPの製紙部門は抄紙機2台を保有、現状の生産能力は年間30万トン。PM3の稼働により、生産量は年間75万トンに増加する見込み。

王子製紙は、産業資材分野の拡大に加えて、機能性素材や紙おむつ事業にも積極的に投資している。今後もマレーシアへの投資を継続し、GSPPを通じて2025年までに紙関連製品・包装事業の市場シェアを現在の35%から50%にすることを目指す。また中期経営計画では将来的に海外売上高比率を50%以上とする目標を掲げている。
(ザ・サン、10月28日、エッジ、10月27日)

新型コロナの感染者数は2762人、2日連続で2千人上回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、27日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は2,762人となり、累計感染者数は489万437人となった。
新たに1,271人が回復し、累計治癒者は482万5,255人。死者数は4人で、累計は3万6,462人となった。アクティブ感染者は、前日から1,487人増の2万8,720人。うち95.8%が自宅、4.1%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は73.0%、ICU病床の使用率は64.1%、人工呼吸器の使用率は36.7%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,751万7,888人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,624万9,787人で、接種率は49.8%、2回目が51万8,798人となり、1.6%だった。

破産者が減少、特に45歳以下で顕著

【ペタリンジャヤ】 破産宣告を受けた個人が減少している。マレーシア破産管理局の統計によると、今年9月までの破産者数は4,491人で、2018年(通年)の1万6,482人と比べ大幅に減少している。

今年の破産者のうち58%は年齢が25ー44歳だった。18年からの累計で、破産の最大原因は個人向け貸し付けで、全体の42%を占めた。自動車購入によるものが14.5%、事業ローンが13.8%だった。個人向け貸し付けには医療費、住宅改修費、子どもの教育費の支払いが含まれる。

一方でクレジットカードローンによる破産は18年の10.99%に対し、今年は3.99%と急減した。

ファイナンシャルプランナーのマーシャル・ウォン氏は、年齢45歳以下の層で特に破産者が減少しており、5年前と比べ若者がお金の管理で賢くなった証拠だと述べた。

ウォン氏によれば、債務の返済で問題を抱える個人に助言サービスを提供するクレジットカウンセリング・債務管理局(AKPK)やマレーシア・ファイナンシャルプランニング協会による支援・啓発活動が破産者の減少につながったが、資金管理に関する有益な情報の拡散でソーシャルメディアも大きな役割を果たしたという。
(ザ・サン、10月27日)

サバ州が地元ブランド食用油を発売、品不足や価格上昇に対応

【コタキナバル】 サバ州政府は26日、地元ブランドの食用油「サヤン(Sayang)」の販売を開始した。食用油不足と価格上昇に苦しむ地元民のニーズに合わせて廉価で提供する。

州政府傘下のパーム油産業向け投資部門のサウィット・キナバル・グループが、子会社のクナック・エディブル・オイルを通じて製造を手掛ける。

補助金なしの価格は2キログラム(kg)入りボトルが13.20リンギ、5kg入りボトルが31.00リンギ。補助金対象の食用油の場合は1kg当たり2.50リンギとなる。サウィット・キナバルの月産能力は補助金付き食用油が150トン、補助金なし食用油が100トンとなっている。

サウィット・キナバルはまた、別子会社のクナック・リファイナリーを通じて補助金付き食用油の1kgパックを州内で販売する計画。
(ザ・スター、10月27日、ベルナマ通信、10月26日)

複合放送施設「アンカサプリ・メディアシティ」がオープン

【クアラルンプール】  8億6,000万リンギを投じ2016年に開発がスタートした複合放送施設「アンカサプリ・メディアシティ」がクアラルンプールでオープンした。

政府のデジタルテレビ放送サービス開発計画に沿ったハイテク放送インフラ施設で、敷地面積は6万2,027平方メートル。18階建てのオフィススペース、1,000人収容可能なホール、録音・練習スタジオ、テレビスタジオ3カ所、立体駐車場、広場、屋外放送車両車庫などを備える。

開所式に参加したイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、「アンカサプリ・メディアシティ」はマレーシアのデジタル放送の象徴になるとし、米国ハリウッドや英国BBC、日本や韓国のコンテンツ産業のように、国内文化やライフスタイルを世界に通用する普遍的なコンテンツとして生み出すことが可能となると述べた。また、放送業界の発展は、技術、コンテンツ制作、インフラ・施設という3要素と密接に関係しており、「アンカサプリ・メディアシティ」は、放送業界の成長と発展に向け、有益なエコシステムを提供するための戦略の一環だと述べた。
(ザ・サン、10月27日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、10月26日)

IHIとJERA、火力発電所の燃料アンモニア利用拡大で検討開始

【クアラルンプール =マレーシアBIZナビ】 IHI(本社・東京都江東区)は26日、同社のシンガポール法人であるIHIアジア・パシフィック(IHI AP)が、JERA(本社・東京都中央区)のグループ会社であるJERAアジアとの間で、マレーシアでの火力発電所の脱炭素化に向けた燃料アンモニアの利用導入・拡大などに関して、共同提言活動を検討・実施する基本合意書(MoU)に調印したと発表した。

IHIとJERAは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて、JERAの碧南火力発電所4号機における燃料アンモニア20%混焼技術の確立に向けた実証事業や、アンモニア混焼率50%以上に向けた混焼率向上の実証事業に取り組んでいる。両社はマレーシア政府が掲げる、温室効果ガス(GHG)排出量を2030年までに2005年比で45%削減し、2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標に貢献し、さらに東南アジア諸国(ASEAN)へも展開が進むことを期待し、マレーシアの火力発電所における燃料アンモニア利用を共同で検討し、提言活動を行っていくことと決めた。

IHIは、現在マレーシア国内で稼働中の火力発電ボイラ設備容量の50%以上(7,100MW)の納入実績があり、今後必要とされる脱炭素化実現に向けて取り組みを行っている。2021年にはマレーシア国営石油ガス会社ペトロナス子会社および大手電力会社TNBグループ子会社と、石炭火力へのアンモニア混燃技術の適用やカーボンフリーアンモニアのサプライチェーン構築に向けた検討を実施している。また、豪州などにおいてグリーンアンモニアのサプライチェーン構築についての検討にも参加しており、燃料アンモニアの製造から利用までのバリューチェーンでの提案活動を展開している。

IHIは同事業を通じて世界全体、ASEANでのカーボンニュートラル実現に向けた具体的な方法を示し、持続可能なエネルギートランジションを推進する。また、カーボンニュートラル燃料の多様な利用モデルを示すことで、燃料アンモニアを含めたカーボンニュートラル燃料の社会実装の早期実現と質の高いインフラ提供によるグローバルな環境負荷の低減に貢献していく方針だ。

JERAは、世界のエネルギー問題に最先端のソリューションを提供するグローバル企業として、再生可能エネルギーと低炭素火力を組み合わせたクリーンエネルギー供給基盤を提供することで、マレーシアをはじめアジアを中心した世界の健全な成長と発展に貢献していく方針だ。

新型コロナの感染者数は2136人、3日ぶりに2千人上回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、26日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は2,136人となり、累計感染者数は488万7,675人となった。
新たに1,695人が回復し、累計治癒者は482万3,985人。死者数は6人で、累計は3万6,458人となった。アクティブ感染者は、前日から435人増の2万7,233人。うち95.7%が自宅、4.1%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は72.6%、ICU病床の使用率は64.9%、人工呼吸器の使用率は36.2%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,751万7,548人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,624万9,144人で、接種率は49.8%、2回目が51万8,170人となり、1.6%だった。