11月末までモンスーン移行期、気象局が注意を呼びかけ

【クアラルンプール】 マレーシア気象局(MetMalaysia)は、5月14日に始まった南西モンスーンがまもなく終わり、マレーシアが10月3日から11月末まで北東モンスーンに変わる移行期に入ると発表。不安定な天候に対する注意を呼びかけた。

ムハンマド・ヘルミ・アブドラ局長は、「モンスーン移行期にはさまざまな方向からの弱い風が吹くが、雷雨を引き起こす可能性がある。通常は短時間の大雨と強風を伴う」と指摘。そうした不安定な気象は半島西海岸の諸州と半島内陸部、サバ州西海岸、サラワク州中央部で、夕方と夜の早い時間帯により顕著になるとした。

その上で「こうした気象パターンは水害を引き起こす懸念があり、脆弱な構造物に損害を与える可能性がある」と指摘。.市民に対しモンスーンの移行期にはより慎重に行動するように呼びかけ、気象局の公式ウェブサイト、「myCuaca」アプリ、公式ソーシャル・メディアを通じて最新の気象情報をチェックするよう求めた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月29日)

デング熱患者数が増加傾向、1週あたり1,533人に

【クアラルンプール】 保健省は、9月18ー24日の週のデング熱患者数が前週の1,363人から12.5%(170人)増加し1,533人となったと発表した。死者数はゼロだった。

ノール・ヒシャム事務次官によると、今年のデング熱累計患者数は4万2,084人で、昨年同期の1万9,423人と比較して116.7%(2万2,661人)増と大幅に増加している。死者数も前年同期の13人から24人に増えた。

感染流行地域は新たに6カ所確認され、合計48カ所。そのうち28カ所(58.3%)がセランゴール州、15カ所(31.3%)がサバ州、5カ所(10.4%)がクアラルンプール(KL)およびプトラジャヤだった。

ノール氏は、デング熱を媒介するヤブ蚊の温床となるような、水を張った容器や水たまりが自宅敷地内や近隣の公園、駐車場などにないか確認し、環境を清潔に保つよう国民に呼びかけた。ヤブ蚊はわずかな水があれば卵を産み付けることができ、乾燥した環境でも8カ月間は生存できるとし、雨季と乾季が交互にやってくるマレーシアは、ヤブ蚊が繁殖しやすい環境になっていると注意を喚起した。
(マレーシアン・リザーブ、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、9月29日、保健省発表資料)

リンギ安で輸入品が高騰、消費者に転嫁の可能性

【ペタリンジャヤ】 24年ぶりとなる1米ドル=4.61リンギ水準まで対米ドル・リンギ安が進んでおり、輸出産業は恩恵を受けるものの、国内向け製品の原材料を輸入品に頼る産業は厳しい状況に立たされており、消費者に価格転嫁される可能性がある。

サンウェイ大学経済学のイア・キムレン教授は、輸入原材料のコストが上昇しているため、企業はすべてではないにしても一部のコストを消費者に転嫁する可能性が高いと指摘。政府に対し、高コストが国内のビジネスにどのように影響したかを調べ、必要に応じてビジネスを支援する準備を整える必要があると述べた

その上で将来的にどの商品がどれだけ価格が上昇するかはその商品に含まれる輸入原材料の割合によって異なると指摘し、自動車のタイヤを例として輸入に多くを頼るものについては消費者に転嫁されることになるとし、消費者には可能な限り国内で調達できる製品に切り替えるよう呼びかけた。

食品輸入額はここ数年で大幅に上昇しており、統計局によると2019年の514億リンギから、2020年には554億リンギ、2021年には630億リンギに上昇した。今年年初8カ月の輸入額は8億5,883万リンギとなり、加工食品が194.1億リンギを占めた。
輸入に大きく依存している食品には、マトン(8億7,940万リンギ)、マンゴー(8,790万リンギ)、ココナッツ(2億6,610万リンギ)、牛肉(22億リンギ)などがある。また国内消費量の50%以上を輸入に頼っている食品は▽イカ(52.2%)▽生乳(53.5%)▽キャベツ(63.6%)▽唐辛子(72.4%)▽牛肉(78.1%)▽ショウガ(81.5%)▽マンゴー(86.2%)▽マトン(90.4%)ーーの8品目に及んでいる。
(ザ・サン、9月29日)

ばねのニッパツ、セレンバンで自動車電動化部品生産を増強

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ばね製造のニッパツ(日本発条、本社・神奈川県横浜市)は29日、マレーシア拠点で自動車電動化のキーパーツ製品の生産能力を増強すると発表した。

ネグリ・センビラン州セレンバンで金属ベース回路基板を製造する現地法人NHKマニュファクチャリング(マレーシア)が50億円を投じ、新工場棟を建設する。来年12月竣工の予定。

今後、後工程設備への投資も計画しており、合計での投資総額は約80億円。金属基板については将来的にさらなる売上高の伸びを見込んでおり、今後の設備投資については計画が確定次第発表する。

ニッパツは、8月に国内の駒ケ根工場におけるパワー半導体用金属基板の生産能力増強について発表しており、今回のマレーシアでの生産能力拡大により、今後大きな市場の伸びが期待される自動車電動化などに使われる金属基板の生産能力を増強するとともに、災害などの緊急事態に備えたBCP(事業継続計画)対応体制を築く方針だ。

新型コロナの感染者数は1867人、病床使用率は71.4%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症に関する情報提供サイト「コビドナウ(COVIDNOW)」によると、29日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1,867人となり、累計感染者数は483万8,872人となった。
新たに1,402人が回復し、累計治癒者は477万7,329人。死者数は4人で、累計は3万6,369人となった。アクティブ感染者は、前日から461人増の2万5,174人。うち95.6%が自宅、4.2%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は71.4%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,750万8,748人となり、接種率は84.2%。1回目のブースター接種完了者は1,623万6,394人で、接種率は49.7%、2回目が50万3,121人となり、1.5%だった。
新たに発生したクラスターは1カ所で、ペナン州の感染すると重症化するリスクが高いグループで19人の感染を確認した。感染者が出続けているアクティブなクラスター数は14件に増加した。