【クアラルンプール】 老朽化が進み、浸水などが起きていたセランゴール州シャアラムの「シャアラム・スタジアム」は「マラワティ屋内競技場」とともに取り壊され、複合施設「セランゴール・スポーツ・コンプレックス(KSS)」として約200エーカーの敷地に新設されることが決まった。
セランゴール州政府企業であるメンテリ・ベサル・セランゴール(MBIセランゴール)は、不動産開発のマレーシアン・リソーシーズ・コーポレーション(MRCB)との間で開発に向けて趣意書を締結した。KSSは3.5万ー4.5万人の収容が可能。サッカーの国際大会に不可欠なFIFA基準を満たし、固定式の天窓や取り外し可能なピッチ、大規模駐車場などを備える。浸水対策として、スタジアムに隣接する道路の高さに合わせてスタジアムを高架化する。また、歩道や緑地、駅への屋根付き通路、小売スペース、その他のスポーツ施設、多目的施設など、付属設備・施設の設置も検討する。4年後の完工を予定している。
MRCBグループのイムラン・サリム社長は、KSSは多目的スタジアムとして年間200件のイベントを開催できるようになるが、まずはサッカー・スタジアムとして採算が取れるようにする必要があると言明。コストを適切に評価するには時間がかかるため、全過程に3ー4年かかる可能性があるが、持続可能な商業化を目指すと述べた。
築28年のシャアラム・スタジアムの維持費は年間約500万ー600万リンギと高額なため、採算が取れていない。2020年には屋根の破片がピッチに落下したことで閉鎖し、同スタジアムを本拠地とするサッカーチームのセランゴールFCがMBPJスタジアムで試合をすることを余儀なくされた他、 2015年と昨年末には、集中豪雨によりピッチが浸水していた。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月1日)