【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)のノル・シャムシア総裁は、マレーシア経済について危機的状況にはないと強調。経済回復は順調に進んでおり、成長の勢いを示していると述べる一方、今後の見通しは不確実であり予想不可能だと警鐘を鳴らした。
3日に開催されたフォーラムで行った講演の中でノル・シャムシア総裁は、国境再開が観光関連部門の回復をもたらしており、投資活動と先行き見通しも複数年にわたるプロジェクトの実現によって引き続き支えられていると強調。輸出も2021年初めから2桁の成長を記録しており、これらのポジティブ要素は2023年の経済成長を下支えするだろうと述べた。
ノル・シャムシア総裁はその他のポジティブ要素について▽製造業とサービス業の賃金が今年それぞれ5%、7%上昇していること▽失業率が4%未満であること▽インフレが平均3.1%で安定しており、第3四半期でピークを迎えると予想されることーーの3点を挙げた。
一方、先行きについては、困難かつ不確実で予測不可能なものになるとした上で、今後1ー2年はマレーシアが大胆な改革に踏み出すための重要な時期となると指摘。「国として今、経済の基礎、回復力、柔軟性の強化に注力しなければならない」、「域内近隣諸国は積極的に改革を進めている。今行動しなければ取り残される危険がある」と改革を進める必要性を強調した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、ザ・サン、10月4日、エッジ、ベルナマ通信、10月3日)