【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 パナソニック株式会社 空質空調社(本社・東京都港区)は3日、欧州向けヒートポンプ式温水給湯暖房機(A2W)の事業拡大に向け、マレーシア工場の生産能力を拡大すると発表した。パナソニックはセランゴール州シャアラムに工場を持つ。
A2Wは、大気中の熱を集めて温水をつくり出し、住宅に循環させることで暖房するシステムで、化石燃料を用いた暖房機器に比べて二酸化炭素(CO2)排出量を抑えることができ、環境負荷が少ないため欧州での需要が伸びている。2023年5月に新製品3機種を発売し、2025年度のラインアップの2倍以上拡充を目指す。マレーシア工場に加え、チェコ工場でも生産能力を増強する。さらにR&Dセンター新設による技術開発力向上、クラウドを活用したメンテナンスソリューション事業の拡大などマーケティング強化に向けて、2025年度までに約500億円を投資する計画だ。
初代A2W「アクエリア」の欧州発売は2008年。寒冷地でも暖房機能が低下せず、温暖な地域では冷房として使用できるのが特長で、クラウドにより遠隔監視するサービスも提供している。
パナソニックは今後も、これまで培ってきた技術力、モノづくり力、くらしのノウハウを生かして、快適で、地球環境に配慮した空間創出に取り組んでいく方針だ。