【ペタリンジャヤ】 王子製紙(本社・東京都中央区)傘下のGSペーパーボード&パッケージング(GSPP)は27日、セランゴール州バンティンでペーパーマシン3(PM3)工場の開所式を実施した。

ダンボール箱用の高強度・高品質の軽量紙を生産する工場で、完工は昨年11月。同9月に試験運転、今年4月から商業運転を開始している。建設費用は12億リンギ。

開所式に参加した王子製紙の磯野裕之 代表取締役社長兼グループ最高経営責任者(CEO)は、PM3は、高品質の紙製品を生産できる最先端の技術を備えており、マレーシアおよび東南アジア諸国連合(ASEAN)地域全体のニーズを満たすことができると言明。2010年のGSPP買収以来、マレーシアへの投資を続け、総投資額は10億米ドル(47.1億リンギ)、国内事業拠点数は18カ所に及ぶとした。先月、東南アジア最大の粘着紙ラベルメーカーであるアダンパックグループも買収しており、東南アジアやインド市場をビジネスの成長センターとして、トータル包装材料ソリューションプロバイダーのナンバーワンを目指すと述べた。

GSPPの製紙部門は抄紙機2台を保有、現状の生産能力は年間30万トン。PM3の稼働により、生産量は年間75万トンに増加する見込み。

王子製紙は、産業資材分野の拡大に加えて、機能性素材や紙おむつ事業にも積極的に投資している。今後もマレーシアへの投資を継続し、GSPPを通じて2025年までに紙関連製品・包装事業の市場シェアを現在の35%から50%にすることを目指す。また中期経営計画では将来的に海外売上高比率を50%以上とする目標を掲げている。
(ザ・サン、10月28日、エッジ、10月27日)