ペナン海浜公園開発「ガーニーワーフ」第1期、来年3月に完工

【クアラルンプール】 ペナン州ジョージタウンの海浜公園「ガーニー・ワーフ」第1期は、来年3月に完工する見込みだ。

2億リンギを投じて実施される「ガーニー・ワーフ」開発は、24.28ヘクタールの海浜公園で、ビーチ、海岸林、ウォーターガーデン、海辺の飲食店街という4つのエリアで構成。第1期では子供向け遊び場、スケートパーク、南側展望台、公衆トイレ、プロムナード、売店、レクリエーションパーク、景観エリア、駐車場など、第2期では、ホーカーセンター、北側展望台、立体駐車場、ビーチエリア・遊歩道、ウォーターガーデン、排水設備などを建設する。

ペナン州都市計画委員会のジャグディープ・シン委員長は、8日に現地で開催された記者会見で、5月の鍬入れ式後、両期の工事が同時進行で順調に進んでおり、2025年までに全体が完成する見込みだと言明。州政府は、様々な年齢層のペナン市民が「ガーニー・ワーフ」で社会的・家族的活動を行い、家族の絆を強め、生活の質や生産性が向上することを望んでいると述べた。また、「ガーニー・ワーフ」が、ペナンの新たな魅力となるだけでなく、近隣住民や州民に経済的効果をもたらすことが期待できるとした。
(ペナン・プロパティー・トーク、10月8日)

国内経済は世界的な経済減速の影響は受けない=首相

【ジェンポル】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、世界的に経済の成長減速が起きているが、マレーシア経済について、他国に比べて深刻な影響は受けないとの見解を示した。

イスマイル首相は、今年のマレーシアの経済成長率がプラス成長となっており、今後も維持できる自信があると強調。第1四半期の成長率はプラス5%で、第2四半期はプラス6.9%に加速したとした。第2四半期の経済成長率は、東南アジア諸国連合(ASEAN)で最も高く、中国(プラス0.4%)や米国(プラス1.6%)、韓国(プラス2.9%)、シンガポール(4.4%)などの先進国を上回ったと強調。また、外国直接投資(FDI)がマレーシア経済への信頼を示しているとし、今年上半期のFDIは417億リンギで、新型コロナ感染拡大前の223億リンギに比べて増加していると述べた。

またイスマイル首相は、統計などでも経済の良好さが示されており、特に工業購買担当者景気指数(PMI)は予想や景気を判断する上での分岐点となる50を上回る50.3となり、1ー7月の外国人観光客数は320万人だったと強調した。それらの理由を根拠に、来年の世界経済の見通しは依然として不透明だが、他国のように経済減退の影響を受けることはないと確信していると言明。経済成長維持には厳しい状況にあるものの、他国に比べるとそこまで厳しくはないとした。
(ベルナマ通信、10月9日)

イスマイル首相が国会解散を発表、11月初めにも総選挙実施へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は10日にテレビ演説を行い、国会を解散すると発表した。総選挙は解散後60日以内に開催することが憲法で定められているが、11月中旬になると各地で洪水を引き起こす北東モンスーンが到来することから、11月上旬の開催が有力視されている。

解散・総選挙の前倒し実施は、イスマイル首相が総裁補を務める与党連合第一党・統一マレー国民組織(UMNO)のアハマド・ザヒド総裁(元副首相)らが唱えていたもので、野党はもちろん与党連合で共闘する統一プリブミ党(PPBM)や汎マレーシア・イスラム党(PAS)なども「2023年度予算案審議が控えている」、「経済政策や洪水対策など国内問題が山積している」などの理由で反対意見が上がっていた。

解散前の各党派の勢力は、国民戦線(BN)が中心となった与党連合が友党や与党寄りの無所属議員を含めて116議席、野党連合・希望同盟(PH)などの野党が103議席で3議席が空席となっている。

与党連合はBNの議席が第一党・UMNOを中心に41議席にとどまっているが、次期総選挙で過半数回復を狙っている。これまでBNと連立を組んでいた国民同盟(PN)はPPBMやPASなどは合わせて46議席だが、今後もBNと連立を維持していくかどうかは不透明。このほか地方政党であるマレーシア国民党(PBM、6議席)などが与党連合を支援している。

野党側の中核はPHで、民主行動党(DAP)、人民正義党(PKR)、国民信任党(Amanah)などで合計90議席を保有。与党連合を切り崩せるか、サバ伝統党(ワリサン)や祖国戦士党(ペジュアン)、マレーシア統一民主同盟(MUDA)など他の有力野党を糾合できるかが勝利のカギとなる。

林芳正外務大臣、マレーシア訪問で外相・通産相と会談

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本の林芳正 外務大臣は、来年の日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)友好協力50周年を見据え、10月8ー9日の日程でマレーシアを訪問。サイフディン・アブドラ外相、アズミン・アリ通産相(上級相)との会談を行った。

林外相はサイフディン外相との約1時間45分にわたる会談の中で東シナ海や南シナ海での力を背景とした一方的な現状変更の試みに対する強い反対を伝え、ウクライナ情勢について両国が引き続き連携して対応することを確認。また、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、戦略的パートナーであるマレーシアとの連携を更に進め、人的交流を含めた顔の見える二国間関係を再活性化し、両国関係を一層発展させていくという考えを示した。

アズミン・アリ通産相との約40分間の会談では、包括的及び先進的な環太平洋経済連携協定(CPTPP)やインド太平洋経済枠組み(IPEF)による自由貿易、液化天然ガス(LNG)を含むエネルギーの安定供給、ビジネスを含む人的交流等について意見を交換。さらに、今年40周年を迎えた東方政策の更なる発展に向けて協力していくことを確認した。

林外相はまた、マレーシア日本国際工科院(MJIIT)の視察、クアラルンプール日本人墓地への献花、元日本留学生との意見交換、現地日系企業関係者との懇談等を行った。

新型コロナの感染者数は1241人、病床使用率は67.1%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の感染症などに関する総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、10日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は1,241人となり、累計感染者数は485万6,217人となった。
新たに1,843人が回復し、累計治癒者は479万7,647人。死者数は3人で、累計は3万6,403人となった。アクティブ感染者は、前日から605人減の2万2,167人。うち95.6%が自宅、4.2%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は67.1%。ICU病床の使用率は60.3%、人口呼吸器の使用率は35.5%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,751万2,905人となり、接種率は84.2%。1回目のブースター接種完了者は1,624万1,486人で、接種率は49.7%、2回目が51万276人となり、1.6%だった。

通産省が新たな投資政策、革新的ハイテク投資を歓迎

【クアラルンプール】 アズミン・アリ上級相兼通産相は6日、国家投資大望(NIP)に基づき新たな投資政策に着手したと発表した。質の高い、ハイテク分野の雇用創出、さらには国民生活の向上を図る。

新政策は6つの戦略で構成されており、変化の速い世界がもたらす経済、投資面の課題に対処するという。

戦略の内容は▽NIPに基づく統一的投資戦略を策定する▽環境・社会・統治(ESG)面の課題に取り組む▽投資家のニーズを満たす、機敏な投資奨励措置を重視する▽革新的な、波及効果の高いハイテク投資を奨励する▽労働市場のニーズを満たすための人材集団を育成する▽全体的ビジネス生態系の流れをスムーズにし、ビジネスのしやすさ、国際競争力を向上させる▽複数ある投資推進機関の役割・責任を明確にし、スムーズな手続きを実現するーー。

アズミン氏は発表会見で「外国人労働力に依存する形態の外国投資を望まない」と語った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、10月7日)

2023年度予算案発表、所得税減税など盛り込む

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 テンク・ザフルル財務相は7日、下院議会に2023年度(2023年1月1日—12月31日)予算案を提出した。
 予算規模は3,723億リンギで、昨年提出時の今年度の当初予算3,321億リンギから402億リンギの大幅増となった。国内総生産(GDP)の20.5%に相当する。ただし修正後の今年度予算の3,853億リンギは下回っている。
 73.1%を占める一般歳出は今年度当初予算の2,335億リンギから2,723億リンギに増加したが、修正後の2,857億リンギは下回った。25.5%を占める開発支出は同756億リンギから950億リンギに増額、新型コロナウイルス「Covid-19」基金の残りの支払いに50億リンギ割り当てる。
 分野別では予算全体の37.3%を社会関連に、19.5%を経済関連に、9.9%を安全保障関連に、5.5%を一般行政にそれぞれ充てる。
 歳入は今年の2,852億リンギから4.4%減の2,726億リンギに減少する見通し。財政健全化策により、2023年における財政赤字は前年の対GDP比5.8%から5.5%に下がると見込まれており、990.7億リンギと2022年の994億8,000万リンギを4億リンギ下回る見通しだ。
 中所得者層(M40)向け所得税減税が盛り込まれた。課税年収5万1リンギー7万リンギの場合は13%から11%に、同7万1リンギ―10万リンギは21%から19%にそれぞれ2ポイント引き下げる。
 地域開発予算として、サバ州に63億リンギ、サラワク州54億リンギをそれぞれ割り当てる。
 電気自動車(EV)普及に向けて、2023年まで輸入許可証(AP)を免除するほか、2023年から2032年まで充電器メーカーに対する所得税免除を行う。またEV完成車(CBU)に対する輸入税・物品税の免除措置を2024年末まで延長する。
 5Gネットワークを高人口密度地域の70%に普及させるため、デジタル・ナショナルが2023年度に13億リンギを割り当てる。
 キャッシュレス化促進のため、年収10万リンギ未満の中所得者層約800万人にeウォレットクレジットを100リンギ分支給する。
 大型インフラ計画に関しては、洪水対策に2030年までに150億リンギ、首都圏大量高速輸送3号線(MRT3)の建設推進に502億リンギそれぞれ割り当てる。


■来年のGDP成長、4ー5%に減速と予想■
 財務省は同日、「2022/23年経済リポート」を発表。 2022年の国内総生産(GDP)成長率についてプラス6.5-7%、2023年についてはインフレ圧力、金融情勢の引き締め、供給の逼迫、地政学的な分断化による世界経済の成長と貿易活動の軟化を背景にプラス4ー5%に減速すると予想とした。
 産業別の来年のGDP成長率については、サービス業が5.0%、製造業が3.9%、建設業が4.7%、農業が2.3%、鉱業が1.1%といずれもプラス成長が見込まれている。
 内需が引き続き成長を牽引し、2023年には民間支出が5.8%、民間消費が6.3%、民間投資は3.7%それぞれ増加、公共支出は2.0%、公共投資は2.1%増加すると予想。インフレ率については、今年は3.3%、2023年は2.8―3.3%の範囲になるとした。失業率は今年通年で3.8―4%、2023年には3.5―3.7%に低下すると予測。今年の就業者数は1,530万人、2023年には1.7%増加して1,556万人になるという。

ユニチャームのマレーシア製造子会社、森林認証を取得

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ユニ・チャーム(本社・愛媛県四国中央市)は6日、マレーシアの現地法人製造子会社であるDSG(マレーシア)が、国際的な森林認証制度であるPEFC森林認証プログラムの「CoC認証」を取得したと発表した。

PEFCは持続可能な森林管理の促進を目指す森林認証制度で、「CoC認証」は認証された森林から産出された林産物の適切な加工・流通を認証するもの。マレーシアにおけるPEFC「CoC認証」の取得は、紙おむつや生理用ナプキンを製造するメーカーとしては初めてとなる。

認証取得に伴い、ユニ・チャーム・コーポレーションとディスポーサブル・ソフト・グッズ(マレーシア)が「CoC認証」を表記したベビー用紙おむつ「マミーポコ・パンツ」と「ペットペットパンツ」の発売を開始した。

ユニ・チャームは、2020年5月に自然環境保全に関する取り組み「環境目標2030」を公表。「CoC認証」の取得を各グループ法人で進めている。今後も商品やサービスの提供といった事業活動を通じて、環境問題や社会課題を解決し、SDGsの達成に貢献することを目指す方針だ。

新型コロナの感染者数は1794人、累計で485万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の情報提供サイト「KKMNOW」によると、6日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は1,794人となり、累計感染者数は485万108人となった。
新たに1,227人が回復し、累計治癒者は479万116人。死者数は4人で、累計は3万6,391人となった。アクティブ感染者は、前日から563人増の2万3,601人。うち95.8%が自宅、4.0%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は74.8%に上昇した。ICU病床の使用率は60.2%、人口呼吸器の使用率は38.2%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,751万1,410人となり、接種率は84.2%。1回目のブースター接種完了者は1,624万110人で、接種率は49.7%、2回目が50万8,530人となり、1.6%だった。

不動産開発のトロピカナ、ランカウイにシェラトンホテル建設へ

【クアラルンプール】 不動産開発・管理のトロピカナ・コーポレーション(TCB)は、ランカウイ島のトロピカナ・チェナンに5つ星ホテル「シェラトン・ランカウイ・リゾート・アンド・スパ」を建設する。

子会社チェナン・リゾートが、米マリオット・インターナショナルとの間で、マネジメント契約を交わした。トロピカナにとり、マリオットとのマネジメント契約は3件目となる。

受賞歴のある有名建築家やコンサルタントが設計するもので、推定総開発価値(GDV)は3.5億リンギ。客室数は270室。レストラン、バーなどの飲食施設、スパ、プール、フィットネスセンター、キッズクラブ、小ー中規模イベントに対応可能な宴会場、会議室、イベントスペースなども併設する。

TCBは、ランカウイ島は観光客や投資家からの関心を集めており、年間観光客数も年間400万人まで回復する可能性があることからシェラトンの建設を決定したとし、ランカウイにおけるTCBの拡大計画やホスピタリティ分野での存在感を強化するものだと述べた。

トロピカナ・チェナンは、TCBがパンタイ・チェナン・ビーチ沿いの5.3エーカーの敷地に総開発費14億リンギを投じ建設中の住宅、ホテル、商業施設から成る複合開発施設。
(ザ・スター、ザ・サン、10月7日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、10月6日)