【クアラルンプール】 西村康稔経済産業相は10月28日、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)のムハンマド・タウフィク社長兼最高経営責任者(CEO)と会談し、9月に発生したガス・パイプラインのガス漏れによる液化天然ガス(LNG)のガス供給障害について、日本企業への影響を最小限にするよう要請した。
ペトロナスは10月4日、サバ州およびサラワク州のガスパイプラインのガス漏れにより、LNGプラント向けの天然ガス供給で不可抗力条項(フォースマジュール)を宣言していた。不可抗力条項は、火事、自然災害など予測不能な出来事により供給義務を逃れるもの。
西村経産相は、ペトロナスからは既に代替供給など、誠意ある対応をしてもらっているとし、日本企業への影響を最小限に抑えるため、引き続き最大限の努力を要請すると述べた。タウフィクCEOは、日本企業への影響を軽減することを約束するとし、長期的なパートナーとして安全で信頼できるLNG供給に努めると述べた。
2020年の日本のLNG全輸入量のうちマレーシアは14.2%を占め、豪州に次ぐ第2位。ただし、マレーシアLNGの最大の購入企業であるJERAは、今回のトラブルによる燃料調達への大きな影響はないとし、東京ガスも、LNG調達への大きな影響を予想していないとしている。また、ペトロナスは先に、日本に今後数カ月で代替LNGを提供できる可能性が高いと通知しており、ガス漏れの影響を受けないガス田の生産量の増加により日本への出荷量維持を目指す模様だ。
(ロイター、エッジ、マレーシアン・リザーブ、10月28日)