マレーシア人訪日者数、10月は37倍の8800人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2022年10月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は8,800人だった。前年同月から37.1倍、前月から2.9倍となった。

JNTOによると、新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の水際対策緩和の影響で大幅に増加した。2019年同月比では82.0%減となった。なお、日本への直行便は、クアラルンプールー成田間の増便などが実施されており、前年同月比で回復傾向にある。

1ー10月のマレーシアからの訪日者数は、前年同期比12.4倍の2万400人となった。

10月の世界全体の訪日者数は、前年同月比22.5倍の49万8,600人と50万人に迫った。年初10カ月では7.2倍の152万7,200人だった。

JNTOは、日本政府が10月11日より、観光目的の個人旅行による入国の再開等の水際緩和措置を実施したことを受け、10月の訪日外客数は大幅に伸びたとした。今後は観光立国の復活に向けて、観光地・ 観光産業について持続可能な形で「稼ぐ力」を高めるとともに、地方誘客や消費拡大を促進しつつインバウンドのV字回復を図る必要があると指摘。個人旅行の再開や入国手続き等の実用情報の的確な発信と併せ、これからの訪日観光の柱となるサステナブルツーリズム等の情報発信やMICE誘致等の取組を強化していくことが求められるとした。

日系シルバーアント、ポリゴンピクチュアズ(M)に社名を変更

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 セランゴール州ペタリンジャヤに拠点を構える、3DCG映像制作の日系企業シルバー・アントPPIは18日、11月2日付けで社名をポリゴン・ピクチュアズ・マレーシアに変更したと発表した。

シルバー・アントPPIは2013年1月にポリゴン・ピクチュアズ(本社・東京都港区、PPI)がマレーシア企業シルバー・アントとの間で合弁会社として設立した。従業員は約90名。近年では日本アニメのスタイルを正確に理解し、制作できる数少ないオフショアスタジオとしてよりニーズが高まっていることを受け、世界的な競争力を高めるためPPIが株式を追加取得し、社名をポリゴン・ピクチュアズ・マレーシアに変更することを決定した。合弁パートナーであるシルバー・アントとは引き続き戦略的パートナーとして関係を継続する。今後は、グループ企業間連携をより強固にし、PPIのグローバルなブランド力を活用して、マレーシア発の国際的映像制作事業のさらなる活性化を目指すという。

ポリゴン・ピクチュアズ・マレーシアの安宅洋一 最高経営責任者(CEO)は、来年1月には設立10年を迎えると表明。マレーシアに映像制作会社を設立した多くのグローバルスタジオが閉鎖、移転、縮小などを余儀なくされている中、安定した成長が実現出来ているのは、シルバー・アントをはじめ、多くの現地および海外クライアント、ベンダー、教育機関、業界団体の支援によるものと感謝していると述べた。

北陸電力、マレーシアLNGの供給停止も発電用燃料は確保

【東京】 北陸電力の松田光司社長は18日の記者会見で、国営石油会社ペトロナスの9月下旬のガス漏れ事故によるLNG(液化天然ガス)のフォースマジュール(不可抗力条項)宣言について、石炭や石油など他の発電用燃料の備蓄を増強することでバックアップ策をとっていると明らかにした。

松田社長は、石炭や石油の在庫の積み増しや電力先物購入などの対策をとり、電力供給への影響を防ぐと言明。ペトロナスからの代替供給に関しては明言を避けたが、毎日両社間で状況に関して連絡を取り合っていると述べた。

ガス漏れ事故によるLNG供給障害については、西村康稔経済産業相が10月28日、ペトロナスのムハンマド・タウフィク社長兼最高経営責任者(CEO)と会談し、日本企業への影響を最小限にするよう要請。タウフィクCEOは、日本企業への影響を軽減することを約束するとし、長期的なパートナーとして安全で信頼できるLNG供給に努めると述べていた。

ウクライナ紛争の影響でロシアからのLNG供給が危ぶまれる中、暖房需要のピークを迎える冬本番に向け、日本の電力会社は対応を迫られている。
(ロイター、エッジ、11月18日)

総選挙で希望同盟が首位も過半数とれず、国民同盟が肉薄

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 第15回総選挙が2選挙を除いて19日に行なわれ、即日開票されたが、定数222のうち過半数を獲得した政党連合はなく、政権樹立を向けた連立結成を巡る駆け引きが活発化している。

国民戦線(BN)、国民同盟(PN)、希望同盟(PH)の3政党連合による接戦が予想されていたが、PHが共闘先を含めて82議席を獲得して首位となり、続いてPNが73議席と躍進した。PHとPNはいずれも過半数に満たないため、連立相手を模索する必要がある。

連立政権結成に向けた動きの中でがぜん注目を集めているのは、22議席を獲得したサラワク政党連合(GPS)、6議席を獲得したサバ国民連合(GRS)といったサバ・サラワク州の地方政党で、PHとPNのどちらの陣営が取り込めるかが焦点となる。「キングメーカー」となることで今後は一層サバ・サラワク州の発言力が高まりそうだ。

イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相が所属するBNは30議席と惨敗したが、サバ・サラワク州の地方政党の動向しだいで連立政権への協力をちらつかせることで存在感を示す可能性がある。

アンワル・イブラヒム会長(人民正義党=PKR党首)率いるPHは、汚職を嫌う若者・知識層を中心としたマレー・リベラルや非マレー勢力の支持を集めたが、前回2018年総選挙から大幅に議席を減らし過半数に届かなかった。政権を樹立するためには他の党派との連立を組む必要があるが、PH構成党の民主行動党(DAP)がマレー系諸政党から敵視されていることがネックとなっている。ただアンワル氏は提携先を明らかにすることは避けた上で「連立を組む準備は出来ており、過半数を超えている」と述べた。

ムヒディン・ヤシン前首相率いるPNは、当初は劣勢が予想されたが選挙戦後半で挽回。特に構成党であるイスラム原理主義政党・汎マレーシア・イスラム党(PAS)が49議席と大幅に議席を増やしたことが寄与した。ムヒディン氏は王宮から政権樹立に向けた前提条件を知らせる手紙を既に受け取っていると公表。「PHやBNは歓迎しないがその他の政党は受け入れる」と述べ多数派工作に自信を示した。

批判を浴びながら早期解散・総選挙を強行した国民戦線(BN)は、改選前の41議席から30議席に大幅に議席を減らした。汚職で訴追を受けている身ながら傲慢な発言が続くアハマド・ザヒド総裁(元副首相)が居座っていることでかねてから指摘されてきた「汚職と古い体質」が変わらないと頼みのマレー有権者にもノーを突き付けられた格好だ。ザヒド総裁には所属する統一マレー国民組織(UMNO)党内からも批判の声が多く、辞任圧力が強まりそうだ。

マハティール・モハマド元首相が率いる祖国戦士党(ペジュアン)は116人もの候補者を擁立したにも関わらずマハティール氏本人やムクリズ党首も含めて全敗した。マハティール氏は97歳という高齢もあり引退を余儀なくされそうだ。

新型コロナの感染者数は2450人、病床使用率は68.1%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、19日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は2,450人となり、累計感染者数は495万5,666人となった。
新たに3,000人が回復し、累計治癒者は490万1,917人。死者数は5人で、累計は3万6,593人となった。アクティブ感染者は、前日から555人減の2万7,156人。うち92.9%が自宅、6.8%が医療機関、0.3%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は68.1%、ICU病床の使用率は65.4%、人工呼吸器の使用率は36.7%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,752万3,669人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,626万567人で、接種率は49.8%、2回目が56万4,734人となり、1.7%だった。