KLIAエアロポリス、99年間の長期土地使用権を取得

【クアラルンプール】 空港運営会社のマレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)は21日、連邦政府との間のクアラルンプール国際空港(KLIA)運営契約(OA)を一部変更したと発表。KLIAエアロポリス開発用地を切り離し、99年間の長期使用が可能になったとした。

MAHBがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、MAHBの完全子会社であるKLIAエアロポリス(KASB)が連邦政府との間で2022年11月17日から99年間のKLIAエアロポリス開発用地リース契約および開発契約を締結。KASBがKLIAエアロポリス開発用地3454.92ヘクタール(ha)の占有、使用、支配、管理、転貸の権利を有し、KLIAエアロポリスの開発に携わることになった。また、同じくMAHB完全子会社であるマレーシア・エアポーツ(セパン)も連邦政府との間で補足契約を締結し、クアラルンプール国際空港(KLIA)の運営のため、47区画、約9352.71haの土地を保有することになった。

KLIAのOAが締結されたのは2009年2月。当初のMAHBの運営期限は2034年2月までという短期間だったため、KLIAエアロポリスへの投資誘致が難しい状態となっていた。2019年4月に期限は2069年まで延長されたが、MAHBはさらにKLIA周辺の土地賃貸期間を99年間に延長するよう連邦政府に働きかけていた。
(ザ・スター、11月22日、エッジ、ベルナマ通信、11月21日)

不安定な政治状況でリンギ安が続く=アナリスト予想

【クアラルンプール】 アナリストらは、対米ドル相場でのリンギ安について、19日に実施された第15回総選挙でどの党も過半数が獲得できなかったことが影響し、連立政権が樹立されるまでリンギ安が続くとみている。

米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げや中国の経済状況に加え、国内の政治状況の不安定さがリンギ安の要因になっており、21日の終値では0.62%安の1米ドル=4.5810リンギとなった。一方、対シンガポール・ドルでは0.11%高の1シンガポール・ドル=3.3135リンギ、対タイ・バーツでは0.33%高の12.6399リンギなど、近隣通貨に対しては強含みとなっている。

社会経済研究所(SERC)のリー・ヘングイエ専務理事は英字紙「ザ・スター」の取材に対し、当面の課題は不安定な政治状況をいかに早く解消するかであり、連立政権の樹立が早ければ早いほど、リンギ安の傾向は弱まると言明。また、新連立政権が正しいことを行い、市場に優しい政策で政治的安定を確保し、安定した政権を通じて投資を誘致できるようにすることが重要だと述べた。

SPIアセット・マネジメントのスティーブン・イネス社長も、総選挙の結果によっても政治的不和は緩和しないというのが大方の見方であり、その見方が21日のリンギ安や株価下落に表れているとコメント。一方、連立政権が成立することで、長期的に見て建設的な政策が生まれ、抑制や均衡も働くことになるとした。また、現在のより重要な課題は、中国のゼロコロナ政策であり、中国の都市・企業封鎖が続いたことでリンギにも悪影響が出ていると指摘した。

Amバンク・リサーチもマレーシアの当面の課題は次期政権の樹立だとし、サポートライン(下値支持線)が1米ドル=4.550ー4.560リンギ、レジスタンスライン(上値抵抗線)が1米ドル=4.600ー4.610リンギになると予想している。
(ザ・スター、11月22日)

MRTプトラジャヤ線第2期、最終試運転を22日から開始

【クアラルンプール】 首都圏大量高速輸送(MRT)プトラジャヤ線第2期(カンポン・バトゥ—プトラジャヤ・セントラル間)は、来年1月の開業に向け、11月22日から12月18日まで最終試運転を実施する。

ラピッド・レールによると、試運転はMRTプトラジャヤ・セントラル駅からクワサ・ダマンサラ駅まで実施する。試験運転を行う列車は第1期の全駅にも停車するが、乗客は乗せない。試験運転に伴い、第1期の運行間隔も変更になる。ピーク時で8分、ピーク時以外で12分間隔となり、通常よりも運行間隔が長くなるという。詳細については、ラピッドKLのカスタマーサービスに問い合わせるか、ソーシャルメディアで確認できる。
(ザ・スター、11月22日、エッジ、ポールタン、11月21日)

アブドラ国王が23日にも次期首相を決定へ、各勢力と面会

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アブドラ国王は22日午後、先の総選挙で最大勢力となった希望同盟(PH)を率いるアンワル・イブラヒム会長(元副首相)と第二位の勢力となった国民同盟(PN)のムヒディン・ヤシン前首相を王宮に呼んだ。翌23日には第三の勢力である国民戦線(BN)の議員30人全員を王宮に呼んで個別に意見を聞く予定で、その上でアンワル氏とムヒディン氏のどちらを首相に指名するか最終決定する方針だ。

国王との面会後、アンワル氏は記者会見を開き、次期首相が誰になるかまだ決まっていないと述べた上で、「国王は人種、宗教、地方に基づく、より包括的な安定政府の形成を望んでいると述べ、そうすれば政府は国民の抱える問題の解決や経済復活に専念できるようになると述べた」と明らかにした。

一方、ムヒディン氏は、国王よりPHと協力するよう求められたが、PN内部での合意に基づき拒否したことを明らかにした。

19日に実施された総選挙では下院(定数222)選でPHが82議席、PNが73議席を獲得したがいずれの政党連合も過半数に届かず、過半数掌握に向けてサバ・サラワク州の地方政党やBNなどと水面下での連立交渉を進めていた。しかし22日になってBNが最高幹部会議を開催し、どの政党連合とも連立せずに野党にとどまることを全会一致で決定したことで、膠着状態となることが決定的となっていた。

新型コロナの感染者数は2121人、病床使用率は67.8%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、21日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は2,121人となり、累計感染者数は496万9,420人となった。
新たに1,764人が回復し、累計治癒者は490万5,670人。死者数は14人で、累計は3万6,609人となった。アクティブ感染者は、前日から343人増の2万7,141人。うち92.7%が自宅、7.0%が医療機関、0.3%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は67.8%、ICU病床の使用率は65.2%、人工呼吸器の使用率は37.8%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,752万3,932人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,626万1,199人で、接種率は49.8%、2回目が56万7,983人となり、1.7%だった。