来年の政策金利は3.5%の可能性も、ホンリョン投資銀予想

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は3日、翌日物政策金利を2.75%へ0.25ポイント引き上げたが、ホンリョン・インベストメント・バンクは強気姿勢の継続を予想しており、来年には更なる利上げが行われ、政策金利は3-3.5%になるとみている。

ホンリョンエコノミストのチン・イーシャン氏は「来年の金利予想はこれまでどおり3-3.5%だが、当初予想より早くその水準になる。インフレ抑制のため利上げは前倒し実施が必要だからだ。リンギ安圧力も強い」と述べた。

チン氏によれば、来年上半期は、財政・金融緩和という追い風効果の多くが消散し、前年同期の数字が統計に影響するベース効果も薄れるため、経済は徐々に減速すると予想される。さらに、金融政策は効果が表れるまで時間がかかるため、経済減速が明確になった時より、経済回復が好調な時の方が利上げをしやすいという。

消費者支出はこの先数カ月、堅調を維持する見通しのため、コアインフレに対する需要サイドからの圧力は弱まらないという。
(マレーシアン・リザーブ、11月4日)

総選挙公示、マハティール氏ら大物も立候補届け出

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 第15回総選挙の公示が5日にあり、すでに出馬の意向を示していた97歳のマハティール・モハマド元首相を筆頭に、イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相、アンワル・イブラヒム元副首相、ムヒディン・ヤシン前首相ら次期首相に指名される可能性のある大物政治家が次々と下院選に立候補を届け出た。

前回に続いてケダ州ランカウイ選挙区から出馬するマハティール氏(野党・祖国戦士党=ペジュアン会長)は、「まだ片付いていない仕事に決着をつけるため」と立候補理由を説明した上で、今回が最後の出馬になるだろうと言明。ペジュアンを含むマレー系4政党を糾合した新たな政党連合「祖国運動」(Gerakan Tanah Air)でまだ首相候補が決まっていないことについては、「多数派となってから決定する」と述べ、自身の三度目の首相就任の可能性を匂わせた。なお息子でペジュアン党首のムクリズ氏(元ケダ州首相)も同州ジェルルン選挙区から立候補を届け出た。

与党連合・国民戦線(BN)の首相候補となっているイスマイル首相は、地元のパハン州ベラ選挙区で、野党連合・希望同盟(PH)と国民同盟(PN)の2候補を交えた三つ巴の戦いに挑む。2018年の前回総選挙では43.89%を獲得し、粘るPH候補を振り切った。

野党連合PHを率いるアンワル氏は、今回は選挙区をペラ州タンブン選挙区に変更し出馬。BN、PN、ペジュアンの3候補と戦う。PNを率いるムヒディン前首相は、地元のジョホール州パゴー選挙区から再び出馬する。

このほか野党・マレーシア統一民主同盟(MUDA)を率いる若手政治家、サイド・サディック党首はジョホール州ムアル選挙区から、汚職裁判で係争中のアハマド・ザヒド元副首相(BN総裁、統一マレー国民組織=UMNO総裁)はペラ州バガン・ダトゥック選挙区からそれぞれ出馬する。

総選挙公示、多くの選挙区で候補者乱立の混戦模様に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 第15回総選挙の公示が5日にあり、下院議会(定数222)選挙に過去最高の945人が立候補を届け出た。不在者投票は15日、投開票は19日に行われる。

与党連合・国民戦線(BN)、国民同盟(PN)、野党連合・希望同盟(PH)の三大政党連合による争いを中心に展開する見込み。PHが最も多い206人の候補者を擁立、BNは178人、PNは149人、そしてマハティール・モハマド元首相が率いる祖国戦士党(ペジュアン)が116人を擁立した。地方ではサバ伝統党(ワリサン)が52人、サラワク政党連合(GPS)が31人を擁立した。今回は無所属候補が108人と多く、過去最高を記録した。

対抗馬がいない無風選挙区はゼロで、候補者2人による一騎打ちとなるケースもわずか9選挙区にとどまった。立候補者が最も多かったのはクアラルンプール(KL)バトゥ選挙区の10人で、アンパン選挙区が9人で続き、▽セパン▽コタ・ラジャ▽バンギーーの3選挙区でも8人が立候補する乱戦となった。このほか5選挙区で7人、24選挙区で6人、43選挙区で5人、82選挙区で4人、54選挙区で3人が立候補した。

選挙戦は早くから準備を進めてきたBNが、組織力を背景に優位に戦いを進めると見られているが、世論調査機関、ムルデカ・センターの直近の世論調査によると、支持率は40%を割り込んでおり、無党派票や新たに選挙権を得た人たちの投票行動、そして各地で被害をもたらしている洪水の状況次第で勝敗の行方は予断を許さない。いずれの政党連合が勝利しても過半数に満たない公算が強く、他の党派と連立を組むことになりそうだ。選挙権名簿の人数は2,117万3,638人となっており、うち600万人超が今回初めて選挙権を得た人たちだとされる。

改選前の議席はBNが41議席、PNが39議席、GPSが19議席で、その他の共闘先と共に合計115議席を確保していた。

なお下院議選と同時に行われる▽ペラ▽パハン▽ぺルリスーーの3州議会選挙、及びサバ州ブガヤ選挙区の補選では、合計117議席に441人が立候補した。

三菱自動車(M)、ジョホール州クルアンに新3Sセンター開設

【クアラルンプール】 三菱モーターズ・マレーシア(MMM)は、ジョホール州クルアンに3S(販売、サービス、部品交換)センターを新設した。MMMは、ジョホール州にショールーム7カ所を有している。
新3Sセンターの建築面積は1万平方フィート。サービスベイは3基で、ラウンジ、無料WiFi、キッズコーナーを備えている。運営は1986年から自動車販売や修理を行っているディーラーのK.M. リム・オートが担当する。営業時間は、月ー金曜は午前8時30分ー午後7時、土曜が午前9時ー午後6時、日曜が午前10時ー午後5時。
池田真也・最高経営責任者(CEO)は、顧客とのタッチポイントを増強すべく販売店網の拡充を進めているとし、未開拓地域をカバーし、販売・サービスを拡大することで三菱自動車への需要増に応える方針だと言明。今後ショールームやサービスセンターをより広範囲で利便性の高い場所に設置することを目指していると述べた。
(ポールタン、11月4日)

新型コロナの感染者数は3913人、4日ぶりに4千人下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、6日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は3,913人となり、累計感染者数は492万7,451人となった。
新たに3,774人が回復し、累計治癒者は485万4,248人。死者数は5人で、累計は3万6,487人となった。アクティブ感染者は、前日から134人増の3万6,716人。うち95.4%が自宅、4.4%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は70.3%、ICU病床の使用率は60.2%、人工呼吸器の使用率は34.8%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,752万626人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,625万4,032人で、接種率は49.8%、2回目が52万8,328人となり、1.6%だった。

UMWの機器部門、コタケムニンにカスタマーセンターを新設

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 UMWホールディングスの機器部門は、セランゴール州シャアラムのコタ・ケムニンに新しい統合カスタマーセンター(EDCC)を開設した。

重機、産業機器、産業用電力事業のサービスセンターで、1.2エーカーの敷地に、2.5万平方フィートの工場フロア、1万平方フィートのオフィススペースを有する。部品倉庫、サービス・修理センター、コールセンター、トレーニングセンターなどの機能を持ち、従業員数は150人。

機器部門では、コマツ、ボーマク、ローゼンバウアー、テナントなどの有名ブランドや、フォークリフト、リーチトラックなどのトヨタ製機器、産業用タイヤやバッテリーの販売を行っており、トヨタ・マテリアルハンドリング・インターナショナル社の支援を受け、プロセス自動化による物流・倉庫事業の高付加価値化に向けた取り組みを強化している。

機器部門責任者であるメガット・シャフルル氏は、1960年代にUMWが初めて機器ビジネスに参入して以来、優れたサービスと顧客満足が大きな強みとなっており、今後もそれらを事業戦略や経営の核に据えると言明。EDCCの開設により、自動化され、環境に優しい革新的な製品・ソリューションの提供が促進できると述べた。

BNへのマレー系の支持率が32%に低下=ムルデカ調査

【クアラルンプール】 独立系世論調査会社ムルデカ・センターによる最新の世論調査によると、単独過半数の獲得を目指して選挙戦のトップを走っている与党連合・国民戦線(BN)に対するマレー系有権者の支持率が32%に低下していることが分かった。

同世論調査は10月19ー28日にかけて実施され、マレー系有権者1,209人から回答を得た。

BNとの共闘関係が決裂し、独自で候補を擁立することになった政党連合・国民同盟(PN)が代わって支持率を20%に伸ばした。アンワル・イブラヒム元副首相率いる野党連合・希望同盟(PH)の支持率は13%とやや上昇した。マハティール・モハマド元首相率いる新たな政治連合「祖国運動」(GTA)の支持率はわずか2%だった。

一方で29%が「支持政党・党派はない」と回答。4%は無回答だった。ムルデカ・センターは「まだ投票先を決めていない有権者がBNに投票する可能性はあるが、過去の経験からみて大多数がBN以外、すなわちPNまたはPHのいずれかに投票する可能性が高い」と指摘している。

他の民族でみると、インド系有権者については、PH支持が51%でトップとなり、BN支持は32%にとどまり、PN支持はわずか1%だった。また華人有権者の支持トップはPHの47%で、BNは5%、PNは1%だった。

年齢別でみると、選挙権年齢引き下げの対象となった18ー20歳の有権者の支持率は、PHが30%、BNが28%、PNが24%。21ー24歳もPH支持が26%でトップだった。

いずれの政党連合が勝利しても過半数を獲得できない状況に陥ることは必至な情勢で、各政党連合が政権獲得に向けて新たな共闘を視野に水面下での交渉を加速させるとみられる。

ムルデカ・センターは、「3大政党連合の存在と投票率の不確実性により、獲得議席の予想は困難」とした上で、いずれの政党連合も単独過半数を獲得するのは難しく、少なくとも3つの政党や政党連合の共闘が必要となる可能性が高まっているとしている。
(マレーシア・ナウ、11月4日)

北東モンスーン期、11月7日に始まる見込み=気象局

【クアラルンプール】 マレーシア気象局は3日、北東モンスーン期について、予想よりも早い11月7日に始まり、2023年3月まで続くと発表。期間中に、断続的な豪雨が4ー6回発生する可能性があると警告した。

気象局は、大雨が数日間続くと、低地や河川付近で洪水が発生し、特に高潮と同時に大雨が続く場合、洪水の危険性が高まると指摘した。高潮が発生する期間は、▽11月6日ー11日、22日ー27日▽12月7ー12日、22ー26日▽2023年1月6ー10日、21ー25日ーー。南シナ海では北東風が強く吹き続けることで、荒波や大波が発生するとして、警戒が必要だとした。

その上で気象局は、北東モンスーン期に備え、気象局公式ウェブサイト、「myCuaca」アプリ、公式ソーシャル・メディアを通じて最新の気象情報をチェックし、状況に応じた避難行動をとるよう呼びかけた。
(ラキヤット・ポスト、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、11月3日)

ホンダマレーシア、クチンに州内最大の3Sセンターをオープン

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ホンダ・マレーシアは3日、サラワク州クチンに3S(販売、サービス、部品交換)センターを開設したと発表した。同社にとり州内最大の3Sセンターとなる。

同センターを運営するノースモント・キャピタルが、ペトラ・ジャヤにおいて1,500万リンギを投資してオープンした。敷地面積は4,711平方メートルで、延べ床面積は2,339平方メートル。サービスベイ12基、修理ベイ3基、タイヤ関連の作業を行うベイ1基があり、1日に最大50台の作業が可能となっている。快適なラウンジや無料wifi、アメニティを用意しており、自動車税や保険の更新や洗車、エアコン、タイヤなどの様々なサービスも提供する。

吉村宏信 社長兼最高経営責任者(CEO)は、東マレーシアが今年1ー9月の販売台数の5%を占め、中でもサラワク州は3%を占めたと言明。同州では「シティ」が最も人気で、販売台数の22%を占めていると述べた。今年7月に販売を開始した「HR-V」の販売台数も200台以上となっていると言明。また同社はアフターサービスにも重点をおいており、今年は同州で約4万台にサービスを行っており、前年比で17%増加したと述べた。

 

新型コロナの感染者数は4711人、約3カ月ぶりに4千人超

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、3日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は4,711人で、8月7日ぶりに4,000人を上った。累計感染者数は491万4,557人となった。
新たに3,120人が回復し、累計治癒者は484万3,468人。死者数は0人で、累計は3万6,480人を維持した。アクティブ感染者は、前日から1,591人増の3万4,609人。うち95.2%が自宅、4.6%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は76.7%、ICU病床の使用率は62.4%、人工呼吸器の使用率は35.0%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,751万9,589人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,625万2,728人で、接種率は49.8%、2回目が52万4,259人となり、1.6%だった。