【プトラジャヤ=マレーシアBIZナビ】 アンワル・イブラヒム新首相は2日、新政権の閣僚人事を発表した。アンワル首相がすでに約束していた通り、総勢28人の閣僚のみのコンパクトな内閣となった。イスマイル・サブリ・ヤアコブ前政権では正副大臣ポストが67人分も設けられていた。
連携して与党連合・希望同盟(PH)を支えることになった国民戦線(BN)、サラワク政党連合(GPS)から、それぞれアハマド・ザヒド総裁(元副首相、UMNO総裁)、ファディラ・ユソフ前公共事業相(サラワク・ブミプトラ保守党=PBB党首補)を副首相に起用。汚職で裁判を抱えているザヒド氏の起用は反汚職を期待していた有権者や野党から批判を浴びかねない決断だけに一層透明性のある清廉な政権運営が求められそうだ。なおザヒド氏は地方地域開発相、ファディラ・ユソフ氏は農園一次産業相をそれぞれ兼任する。
要である財務相はアンワル首相が兼任する。PH構成党幹部からは、国民信任党(Amanah)のモハマド・サブ党首が農業食糧安全相、人民正義党(PKR)のラフィジ・ラムリ副党首が経済相、サイフディン・ナスシオン書記長が内務相、ニック・ナズミ・ニック・アハマド党首補が環境天然資源気候変動相、民主行動党(DAP)のアンソニー・ローク党首が運輸相に起用された。UMNOからはモハマド・ハサン副総裁が国防相に、カレド・ノルディン総裁補が高等教育相に起用された。
このほかの閣僚人事は次の通り。
◎外務相・・・ザンブリー・アブドル・カディル
◎通産相・・・テンク・ザフルル
◎教育相・・・ファドリナ・シデク
◎保健相・・・ザリハ・ムスタファ
◎公共事業相・・・アレクサンダー・ナンタ・リンギ
◎人的資源相・・・V.シバクマル
◎女性家族相・・・ナンシー・シュクリ
◎通信デジタル相・・・ファーミ・ファジル
◎地方行政開発相・・・ンガ・コーミン
◎科学技術相・・・チャン・リーカン
◎首相府相(法務・制度改革担当)・・・アザリナ・オスマン
◎国内取引物価相・・・サラフディン・アユブ
◎観光芸術文化相・・・ティオン・キンシン
◎青年スポーツ相・・・ハンナ・ヨー
◎起業家開発共同組合相・・・イーウォン・ベネディック
◎国民統合相・・・アーロン・アゴ・ダガン
◎首相府相(サバ・サラワク州問題)・・・アルミザン・モハマド・アリ
◎宗教問題相・・・モハマド・ナイム・モクタル
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これに先立ちアンワル首相は、経費削減のため内閣をスリム化する意向を示しており、効果が期待できない特使の指名を控え、極力5年間の任期を全うする考えを示していた。なおアンワル内閣は5日に初閣議を開いて閣僚のムダ遣いをなくすための新たなル―ルを設ける方針だ。