【クアラルンプール】 マレーシア・パーム油委員会(MPOB)は、欧州連合(EU)が6日に発表した、森林破壊製品に対する輸入規制が国内パーム油業界に影響を及ぼすと述べた。
EUは、パーム油、牛肉、大豆、コーヒー、ココア、木材などの製品が2020年12月以降の森林破壊により開発された農地で生産されていないことを確認する義務(デューデリジェンス、適正評価)を企業に課すことで合意に達している。
MPOBのアハマド・パルヴィーズ・グーラム・カディル長官は、EU規制は発展途上国を狙い撃ちしており、また、デューデリジェンスにより管理・生産コスト上昇が予想されると述べた。さらに、菜種やヒマワリのような他作物は対象外であるため差別があるとし、小規模農家はEU市場から排除される可能性があると強調した。
アハマド長官はまた、マレーシアは独自の持続可能なパーム油基準(MSPO)制度に従ってパーム油を生産しており、MSPOは今年、国際基準に沿ったものに改訂されたと指摘。国内パーム油産業は60以上の規制、法律によって管理され、国内で最も厳しい規制下にある産業であるとし、森林破壊に関与していないのは、その厳しい規制により保証されていることをEUは認識すべきだとした。さらに、「グローバル・フォレスト・ウォッチ2021」のデータからもわかるように、2017ー2020年まで4年連続で国内の原生林破壊が減少しているのは、国内企業が森林破壊をしていない証拠だとし、EUに対し、個別国の状況に応じて規制を考えるべきだと苦言を呈した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月14日)