電力料金、多国籍企業のみ値上げへ=アンワル首相

【プトラジャヤ=マレーシアBIZナビ】 アンワル・イブラヒム首相は14日、中小企業(SME)や家庭向けの電力料金についてはこれまで通り据え置くが、輸出を行っている多国籍企業(MNC)などに限定して引き上げを実施する考えを明らかにした。

アンワル首相は国が多額の補助金を出すことで低く抑えられている電力料金について言及し、「国の財政は来年少なくとも300億リンギのマイナスの影響を受けると予想されるため、電力料金を引き上げる緊急性がある」と言明。大きな利益を得ている大企業には補助金を出すべきではないため、輸出を行っているMNCが引き上げの対象となると述べた。

一方、マレーシア国民への負担が増えることから、提案されているような一元的な電力料金の値上げは実施せず、一般家庭や中小企業、農業関連産業、食品メーカーに対しては値上げを実施しないと述べた。新たな料金については近くニック・ナズミ・ニック・アハマド環境天然資源気候変動相が発表する予定。

政府は今年1月、電力の基本価格(BT)を決定するインセンティブ・ベース・レギュレーション(IBR)に基づき家庭向け電力料金を年内据え置くと発表。電気料金は家庭向けには1キロワット/時(kWh)当たり2センの割り戻しを、非家庭向けには3.7センの課徴金を課している。

高級輸入食料のフードマーチャント、4号店をKLにオープン

【クアラルンプール】 高級輸入食料品店「ザ・フード・マーチャント」の4号店が、クアラルンプール(KL)の「ダトゥム・ジュラテック・ショッピングセンター」にオープンした。

軽便鉄道(LRT)ケラナ・ジャヤ線ジェラテック駅前という利便性の高い立地に位置し、250以上の国際ブランドの高級食料品や珍味を取りそろえる。店内飲食スペースも用意し、寿司などの日本料理、輸入カキなどのシーフード、植物由来のアイスクリーム、デーツやナッツを使ったトルココーヒー、ペストリーなどが楽しめる。購入品の一時預かり(冷凍食品の冷凍庫保管含む)などのサービスやクーポンなどの特典付きの会員アプリも提供する。営業時間は午前10時から午後10時。

「ザ・フード・マーチャント」は昨年12月に1号店を「パビリオン・ブキ・ジャリル」に開設後、2号店を「パビリオン・エンバシー」に、3号店を「WシティOUGセールス・ギャラリー」にオープンしている。
(ザ・スター電子版、12月14日)

ミシュランガイドのマレーシア版創刊、4軒が一つ星を獲得

【クアラルンプール】 仏ミシュラン社は13日、レストランの評価を星の数で表す「ミシュランガイド」のマレーシア版を発表。97軒の国内レストランを紹介し、4軒のレストランが「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理店」である一つ星を獲得したと明らかにした。

一つ星に選ばれたのは、クアラルンプールでは、マレー料理店「デワカン」とフランス料理店「DCバイ・ダレン・チン」、ペナンでは、プラナカン料理店「アウンティ・ガイ・リーンズ・オールドスクール・イータリー」とヨーロッパ料理店「アウ・ジャルディン」。また、コストパフォーマンスのよい良質な店に与えられるビブグルマンには、KL15軒、ペナン17軒の合計32軒が選ばれた。KLの人気店であるスリランカ料理店「アリヤー」、マレー料理店 「デ・ワン1958」、 ベトナム料理店「サオ・ナム」、ストリートフードの「タマン・ブキ・カレーミー」 なども含まれている。サービスのプロフェッショナルを対象としたミシュラン特別賞では、ヤングシェフ賞を「アウ・ジャルディン」のシェフ、ソムリエ賞を「DCバイ・ダレン・チン」のソムリエ、サービス賞を「デワカン」のホール担当者がそれぞれ受賞した。

ミシュランは今後もマレーシアに拠点を置き、他都市にも進出する計画だとしている。
(ザ・サン、12月15日、ザ・ヴァイブス、12月14日、ミシュラン発表資料)

ユーグレナとペトロナスなど、バイオ燃料製造工場建設を検討

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ユーグレナ(本社・東京都港区)は14日、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)、イタリアのエニと共に、マレーシアにおいてバイオ燃料製造プラントを建設・運営するプロジェクトを共同で検討していると発表した。東南アジア最大級のジョホール州のペンゲラン総合石油コンプレックス(PIC)において建設を予定している。

3社は現在、プロジェクト実現に向けた技術的・経済的な実現可能性評価を共同で実施しており、2025年中の本商業プラント完成を目指して、2023年中に3社間で最終的な投資決定を行う見込みだ。

商業プラントは、ペトロナス社の既存の製油所・石油化学設備に隣接して建設する予定で、PICのバリューチェーンやユーティリティ設備、施設などを活用することが可能となっている。また、PICは、主要な国際航路にアクセスしやすい立地のため、世界的に高まっているバイオ燃料の需要増加に対応することができるという。商業プラントは、航空機用のバイオジェット燃料(SAF)、自動車、ディーゼル列車、船舶用の次世代バイオディーゼル燃料(HVO)の各製造量を、柔軟にコントロールしながら最大化できる設備を備えている。この製造における柔軟性により、日々変化し増加する再生可能エネルギーの需要に応えることが可能となるという。

プラントにはエニ社がハネウェルUOP社と共同で開発した技術の導入を予定しており、原料処理能力は年間約65万トン、バイオ燃料(SAF、HVO、バイオナフサ)の製造能力は最大で日産1万2,500バレルとなる見通しだ。原料は、使用済み植物油や動物性油脂、植物油の加工に伴う廃棄物、将来的には微細藻類由来の藻油など、食料生産と競合しないバイオマス原料を使用することを予定している。

新型コロナの感染者数は1241人、2日連続で1千人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、14日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は1,241人となり、累計感染者数は501万3,724人となった。
新たに1,567人が回復し、累計治癒者は495万9,725人。死者数は6人で、累計は3万6,784人となった。アクティブ感染者は、前日から332人減の1万7,215人。うち93.7%が自宅、5.9%が医療機関、0.3%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は72.3%、ICU病床使用率は64.2%、人工呼吸器使用率は38.7%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,752万8,855人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,627万2,561人で、接種率は49.8%、2回目が61万833人となり、1.9%だった。