MRAが40周年「マレーシアを国際的なショッピングの目的地に」

【クアラルンプール】 マレーシア小売業者協会(MRA)は22日に創立40周年の夕食会を開催し、世界的なショッピング目的地としてのマレーシアの地位を確立するための政策を打ち出すと発表した。

MRAは声明の中で、2002年にマレーシアを訪問した旅行者のショッピング売り上げは51.3億リンギ程度だったが、2018年には65億リンギ、2019年には71億リンギに上昇したと指摘。その上で、マレーシアが全ての人にとり、国際的なショッピングの目的地として地位を確立できる可能性があるとした。

またマレーシアをショッピングの目的地とするため、全国規模の委員会を立ち上げると説明。観光芸術文化省が主導し、国内取引消費者行政省や通産省、関税局、マレーシア旅行代理店協会(MATTA)、マレーシア・ショッピングモール協会(PPK)、州の観光行動評議会なども参加するとした。

MRAによると、マレーシアを含む東南アジアは、依然として小売業者の出店先として人気があり、今年はこれまでに17カ国の34ブランドがマレーシアに店舗を開設した。日本からは、抹茶エイト、ニトリ、ノジマ、アインズ&トルペ、バリスタートコーヒー、ツタヤ、ドンキホーテ、業務スーパーが出店。年末から来年初旬にかけて、焼肉しずる、西武デパート、表参道コーヒーが出店する予定だ。
(ザ・スター電子版、11月22日)

落選のマハティール氏、今後は執筆活動に注力

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 19日に投開票が行われた第15回総選挙で落選したマハティール・モハマド元首相(祖国戦士党=ペジュアン会長)は23日、長い沈黙を破って声明を発表し、今後は執筆活動に注力していく考えを明らかにした。

総選挙ではペジュアンが中心となって結成した新たなマレー系政党連合・祖国運動(GTA)として合計125選挙区に候補者を擁立したが、すべて落選。マハティール氏は前回総選挙と同じケダ州ランカウイ選挙区から出馬したが、得票率はわずか6.8%で5人の候補者の中で4位に沈んだ。

マハティール氏はフェイスブックへの投稿で、「選挙での敗北は悲しいが、国民の決定を受け入れる」と表明。今後ペジュアンができることは新政権の行動を監視することだと述べ、総選挙の勝者がどの政党連合であるにしろ、直ちに政権を樹立し国が抱える問題を解決することを期待するとした。

また自身の今後の活動については、「英国植民地時代に起きたことを含め、マレーシアで起きた多くの出来事がまだまだ記録されていない」と述べ、マレーシアの歴史と出来事について執筆することに集中する考えを示した。

マハティール氏は総選挙に出馬するにあたって、これが最後の選挙になると述べており、97歳という高齢もあって事実上の引退となる見込みだ。

18ー20歳の投票率は75%で全体上回る=Undi-18

【クアラルンプール】 選挙権年齢の18歳への引き下げ運動を主導していたUndi-18によると、年齢引き下げによって新たに有権者となった1820歳の第15回総選挙における投票率が75%に上ったと推定され、全体の投票率73.89%を上回った。全体の投票率は2018年の前回総選挙の82.3%を下回った。

 18ー20歳の有権者人口は144万人で、選挙委員会が1月17日に発表した全有権者名簿の記載人数2,103万人の6.9%を占めている。18ー21歳の有権者数はセランゴール州が28万495人で最も多く、これにジョホール州(17万6,618人)、サラワク州(13万3,015人)が続いた。
Undi-18の共同創始者のサルマ・ピライ氏は、18ー20歳だけを見れば全有権者の6.9%に過ぎないが、18ー40歳の若者世代が全有権者の51%を占めていることが重要だと指摘。若者の票が選挙結果に大きな影響をもたらしたとし、特に若い政治家を選ぶ傾向が強まったことへの意義を強調している


マレーシア国際イスラム大学のトゥンク・モハル・トゥンク・モハマド・モクタル氏は、18ー20歳の投票傾向を分析するには時期尚早だと指摘。無党派の若者主導のイニシアチブ、Yポリティクスのロー・カームン氏は、2020年の政変を機に政策を考える新たな若者組織が誕生したが同時に多くの若者が政治から距離を置き始めたとし、既存の政治制度へのネガティブなイメージが若者の政治参加を加速させるのどうかは分からないと指摘している。
(ザ・サン、11月23日、SAYS、11月20日)

在日マレーシア大使館、日本人向けツアーの販売を開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 在日マレーシア大使館農務部は22日、初めての企画として日本人向けの4つのアグロツーリズムを販売開始したと発表した。


4つの現地ツアーを用意した。パイナップル農園ツアーでは、パイナップルの品種について学び、パイナップル狩りや植樹を体験できる。その後、カフェにてパイナップルを使用したスイーツやジュースを堪能できる「知って・見て・食べる」農園体験ツアーとなっている。
セランゴール・フルーツバリー・ツアーでは、トラムに乗って農園を見学し、ココナッツやグアバ、スターフルーツ、ジャックフルーツなどのトロピカルフルーツを食べることができる


シャーアラム国立植物園ツアーでは、817ヘクタールの広大な敷地が広がるシャーアラム国立植物園において、サイクリングやキャンプ、釣りなど南国の自然の中で様々なアクティビティを楽しめる。「ボタニカルハーブツアー」で、ガイドとともに敷地内のハーブ園で様々なハーブを見学し、自分のオリジナルブレンドを作ったり、バギーやトラムバスでハーブ園の周りを回遊することも可能だという。


 マエプス・アグロツーリズム・パーク・ツアーでは、クアラルンプールから車で30分ほどの場所にあるマレーシアの国立農業体験所で、パーク内で収穫した食材を使った食事を楽しむことや動物にも触れ合えるなど様々な体験ができるという。各ツアーの詳細は公式ウェブサイト( http://malaysiaagrotourism.jp/ )で確認できる。

 ツアーの開始に伴い、30日まで「アグロツーリズム キャンペーン」を開催している。アジアン・フード・キャンペーンズの公式SNSアカウントをフォローし、対象の投稿を「いいね」した方の中から抽選で20名様に「マレーシア食品セット」をプレゼントするという。

新型コロナの感染者数は2516人、2連続で2千人上回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、22日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は2,516人となり、累計感染者数は497万1,936人となった。
新たに2,643人が回復し、累計治癒者は490万8,313人。死者数は2日連続で2桁となる11人で、累計は3万6,620人となった。アクティブ感染者は、前日から138人減の2万7,003人。うち92.8%が自宅、6.8%が医療機関、0.3%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は72.4%、ICU病床の使用率は63.8%、人工呼吸器の使用率は39.1%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,752万4,150人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,626万1,717人で、接種率は49.8%、2回目が57万153人となり、1.7%だった。

KLIAエアロポリス、99年間の長期土地使用権を取得

【クアラルンプール】 空港運営会社のマレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)は21日、連邦政府との間のクアラルンプール国際空港(KLIA)運営契約(OA)を一部変更したと発表。KLIAエアロポリス開発用地を切り離し、99年間の長期使用が可能になったとした。

MAHBがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、MAHBの完全子会社であるKLIAエアロポリス(KASB)が連邦政府との間で2022年11月17日から99年間のKLIAエアロポリス開発用地リース契約および開発契約を締結。KASBがKLIAエアロポリス開発用地3454.92ヘクタール(ha)の占有、使用、支配、管理、転貸の権利を有し、KLIAエアロポリスの開発に携わることになった。また、同じくMAHB完全子会社であるマレーシア・エアポーツ(セパン)も連邦政府との間で補足契約を締結し、クアラルンプール国際空港(KLIA)の運営のため、47区画、約9352.71haの土地を保有することになった。

KLIAのOAが締結されたのは2009年2月。当初のMAHBの運営期限は2034年2月までという短期間だったため、KLIAエアロポリスへの投資誘致が難しい状態となっていた。2019年4月に期限は2069年まで延長されたが、MAHBはさらにKLIA周辺の土地賃貸期間を99年間に延長するよう連邦政府に働きかけていた。
(ザ・スター、11月22日、エッジ、ベルナマ通信、11月21日)

不安定な政治状況でリンギ安が続く=アナリスト予想

【クアラルンプール】 アナリストらは、対米ドル相場でのリンギ安について、19日に実施された第15回総選挙でどの党も過半数が獲得できなかったことが影響し、連立政権が樹立されるまでリンギ安が続くとみている。

米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げや中国の経済状況に加え、国内の政治状況の不安定さがリンギ安の要因になっており、21日の終値では0.62%安の1米ドル=4.5810リンギとなった。一方、対シンガポール・ドルでは0.11%高の1シンガポール・ドル=3.3135リンギ、対タイ・バーツでは0.33%高の12.6399リンギなど、近隣通貨に対しては強含みとなっている。

社会経済研究所(SERC)のリー・ヘングイエ専務理事は英字紙「ザ・スター」の取材に対し、当面の課題は不安定な政治状況をいかに早く解消するかであり、連立政権の樹立が早ければ早いほど、リンギ安の傾向は弱まると言明。また、新連立政権が正しいことを行い、市場に優しい政策で政治的安定を確保し、安定した政権を通じて投資を誘致できるようにすることが重要だと述べた。

SPIアセット・マネジメントのスティーブン・イネス社長も、総選挙の結果によっても政治的不和は緩和しないというのが大方の見方であり、その見方が21日のリンギ安や株価下落に表れているとコメント。一方、連立政権が成立することで、長期的に見て建設的な政策が生まれ、抑制や均衡も働くことになるとした。また、現在のより重要な課題は、中国のゼロコロナ政策であり、中国の都市・企業封鎖が続いたことでリンギにも悪影響が出ていると指摘した。

Amバンク・リサーチもマレーシアの当面の課題は次期政権の樹立だとし、サポートライン(下値支持線)が1米ドル=4.550ー4.560リンギ、レジスタンスライン(上値抵抗線)が1米ドル=4.600ー4.610リンギになると予想している。
(ザ・スター、11月22日)

MRTプトラジャヤ線第2期、最終試運転を22日から開始

【クアラルンプール】 首都圏大量高速輸送(MRT)プトラジャヤ線第2期(カンポン・バトゥ—プトラジャヤ・セントラル間)は、来年1月の開業に向け、11月22日から12月18日まで最終試運転を実施する。

ラピッド・レールによると、試運転はMRTプトラジャヤ・セントラル駅からクワサ・ダマンサラ駅まで実施する。試験運転を行う列車は第1期の全駅にも停車するが、乗客は乗せない。試験運転に伴い、第1期の運行間隔も変更になる。ピーク時で8分、ピーク時以外で12分間隔となり、通常よりも運行間隔が長くなるという。詳細については、ラピッドKLのカスタマーサービスに問い合わせるか、ソーシャルメディアで確認できる。
(ザ・スター、11月22日、エッジ、ポールタン、11月21日)

アブドラ国王が23日にも次期首相を決定へ、各勢力と面会

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アブドラ国王は22日午後、先の総選挙で最大勢力となった希望同盟(PH)を率いるアンワル・イブラヒム会長(元副首相)と第二位の勢力となった国民同盟(PN)のムヒディン・ヤシン前首相を王宮に呼んだ。翌23日には第三の勢力である国民戦線(BN)の議員30人全員を王宮に呼んで個別に意見を聞く予定で、その上でアンワル氏とムヒディン氏のどちらを首相に指名するか最終決定する方針だ。

国王との面会後、アンワル氏は記者会見を開き、次期首相が誰になるかまだ決まっていないと述べた上で、「国王は人種、宗教、地方に基づく、より包括的な安定政府の形成を望んでいると述べ、そうすれば政府は国民の抱える問題の解決や経済復活に専念できるようになると述べた」と明らかにした。

一方、ムヒディン氏は、国王よりPHと協力するよう求められたが、PN内部での合意に基づき拒否したことを明らかにした。

19日に実施された総選挙では下院(定数222)選でPHが82議席、PNが73議席を獲得したがいずれの政党連合も過半数に届かず、過半数掌握に向けてサバ・サラワク州の地方政党やBNなどと水面下での連立交渉を進めていた。しかし22日になってBNが最高幹部会議を開催し、どの政党連合とも連立せずに野党にとどまることを全会一致で決定したことで、膠着状態となることが決定的となっていた。

新型コロナの感染者数は2121人、病床使用率は67.8%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、21日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は2,121人となり、累計感染者数は496万9,420人となった。
新たに1,764人が回復し、累計治癒者は490万5,670人。死者数は14人で、累計は3万6,609人となった。アクティブ感染者は、前日から343人増の2万7,141人。うち92.7%が自宅、7.0%が医療機関、0.3%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は67.8%、ICU病床の使用率は65.2%、人工呼吸器の使用率は37.8%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,752万3,932人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,626万1,199人で、接種率は49.8%、2回目が56万7,983人となり、1.7%だった。