プロトン、2027年までに自社製EVの製造販売を開始へ

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、電気自動車 (EV) 生産能力を強化し、2027年までに自社製EVを製造・発売する計画だ。ロスラン・アブドラ副最高経営責任者(CEO)が明らかにした。

ロスラン副CEOは、10年前にEVのロードマップをスタートしたものの、市場需要や技術的な問題から実現に至らなかったとし、EVの販売やマーケティングを理解しないままEV生産に乗り出すことができないとした。2年後には、より良い価格の新しいEV技術を開発する競合他社が現れる可能性があるため、今後5年間で技術や地域市場の両方を徹底的に研究し、最も受け入れやすく維持しやすい価格帯のEVを開発すると述べた

自社製EVに移行する前に、今年1月にマレーシアとタイにおける販売代理店契約を締結した、スマート・オートモービル社のEV販売を通じて、EVの現地組立や販売などに関する経験と知識を蓄えるという。

ロスラン副CEOは、手頃な価格のEVの少なさ、EV充電インフラの未整備、EV分野での人材育成や関連技術への投資不足などがEV普及を妨げていると指摘。EV産業の発展には、研究開発、サプライチェーンへの投資、新技術、EVインフラなどに対する支援が必要だと述べた。
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月10日、ポールタン、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、11月9日)

ネグリセンビラン州とペナン州も18日を公休日に、総選挙に向け

【ペタリンジャヤ=マレーシアBIZナビ】 ネグリ・センビラン州とペナン州は、第15回総選挙が11月19日に行われることを考慮し、前日の11月18日を特別に州の公休日に指定すると宣言した。

ネグリ・センビラン州のラザリ・アブ・マリク書記長は、19日に投票することを奨励するための休日だと説明。ペナン州のチョウ・コンヨウ首相も、この休日は有権者が投票日に先立って準備をするための時間や利便性を提供するものだと述べた。

これに先立つ9日には、セランゴール州のアミルディン首相が18日を公休日にすると宣言し、イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相に対して全国的に祝日とするよう要請していた。総選挙前日の11月18日を全国的に公休日にすべきとの要求は官公労連会議(CUEPACS)などから出されており、イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相も検討する考えを示していた。

UMWトヨタの10月販売は9.2%増、「ヴェロズ」が好調

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーターは、10月の販売台数が前年同月比9.2%、前月比0.5%ともに増加し、9,281台となったと発表した。うち9,175台がトヨタ・ブランド、残りの106台がレクサス・ブランドで、トヨタは前月の9,098台を上回ったが、レクサスは前月の135台から減少した。

新型コロナウイルス「Covid-19」拡大抑制のために実施されたロックダウンにより大幅に落ち込んだ昨年からの反動で、年初10カ月の累計販売台数は前年同期比46.8%増の8万153台となった。そのうちトヨタは7万9,308台を占め、非国民車でトップを維持した。ピックアップトラック部門の好調が寄与した。

ラビンドラン・クルサミー社長は、経済状況が厳しい中、自動車市場は1年を通じて着実に力を取り戻しているとし、納車遅れについては、一部で生産への影響が残っているとしつつ、最短納期を確保するために引き続き最善を尽くすと説明。10月に発売した7人乗り多目的車(MPV)「ヴェロズ」について、発売前から7,000台の予約を受け付けるなど、反応は極めて良好だと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、11月9日)

LRTケラナジャヤ線運休、代替バス配備へ

【クアラルンプール】 9日に発表された、クアラルンプール(KL)首都圏の軽便鉄道(LRT)ケラナ・ジャヤ線16駅の1週間の運休による混乱が続く中、代替輸送計画が相次いで発表された。

公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアは9日、主要駅に無料の代替バスを配備すると発表した。73台のバスを利用し、5路線で運行、影響を受けた16駅すべてをカバーする。

系列のラピッドバスは10日、無料バスサービス、スマート・セランゴールおよびマラ・ライナーから各20台の支援を受け、無料フィーダーバスの運行を83台に増強すると発表した。最終的に100台超を配備する。

ウィー・カション運輸相は政府を代表し、国内で最も利用されている路線に前例のない混乱が生じたことを謝罪し、原因究明に向け運輸省はプラサラナと緊密に連携していると述べた。プラサラナはLRT装置メーカーのタレス・グループがカナダから到着するのを待つ間、第三者コンサルタントとの間で解決に向け議論しているとし、利便性のために安全性を犠牲することはできず、事故再発を防ぐためにも徹底して原因を追求するとした。

■消費者団体はプラサラナを批判■
一方、マレーシア・イスラム消費者協会のナジム・ジョハン会長は、24年間LRTを運行している会社が適切な管理計画を持っていないのは容認できないとし、不測の事態をあらかじめ想定しておくべきだと指摘。1週間の運休は2万人以上の通勤客に影響し、交通渋滞も悪化すると厳しく非難した。

マレーシア消費者協会連盟(FOMCA)のサラバナン最高責任者も、経済の中心地にある16駅が1週間も運休するのは経済に打撃を与える大問題だとし、代替バスを運行しても超満員で乗ることが難しく、また道路渋滞で到着に時間がかかりすぎるため役に立たないと述べた。政府は公共交通機関の利用を進める政策を行っているが、このような問題のせいで公共交通機関への信頼が失われているとした。
(ザ・サン、ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月10日、エッジ、ベルナマ通信、11月9日)

新型コロナの感染者数は3267人、2日連続で3千人台

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、9日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は3,267人となり、累計感染者数は493万7,020人となった。
新たに4,026人が回復し、累計治癒者は486万5,677人。死者数は10人で、累計は3万6,514人となった。アクティブ感染者は、前日から769人減の3万4,829人。うち95.0%が自宅、4.7%が医療機関、0.3%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は74.3%、ICU病床の使用率は66.7%、人工呼吸器の使用率は39.5%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,752万1,308人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,625万5,403人で、接種率は49.8%、2回目が53万5,971人となり、1.6%だった。

ホームセンターのミスターDIY、コスト上昇対策で価格見直しへ

【クアラルンプール】 ホームセンターを経営するミスターDIYグループ(M)は、コスト上昇対策のため、今後数四半期に渡り、商品価格を見直す方針だ。

エイドリアン・オン最高経営責任者(CEO)は、第3四半期決算発表で、商品構成の最適化および業務自動化にも取り組むと言明。先般実施した最低賃金の引き上げが営業費用に影響を及ぼしているが、継続的な収益増加により影響を軽減していくと述べた。また、在庫の最適化やコスト、オペレーションの効率化に引き続き注力するとした。

ミスターDIYの第3四半期(7ー9月)の売上高は前年同期比25.8%増の9億6,617万リンギ。既存店舗の売上高の増加や店舗数が841店舗から1,038店舗へ23.4%増加したことにより総取引高が40.1%増加したことが要因だという。純利益は、前年同期比12%増の1億118万リンギ。投入コスト圧力や最低賃金引き上げによる営業利益率の低下が増収分を一部相殺した。年初9カ月の売上高は、前年同期比21.8%増の29億2,000万リンギ、純利益は前年同期比13.3%増の3億3,687万リンギ。ミスターDIY、ミスター・トイ(玩具)、ミスター・ダラー(ディスカウントショップ)の3ブランドでの138店舗新設や第2四半期の祝祭需要が売上高向上に寄与した。

ミスターDIYでは今後も3ブランドの新店舗展開を進める方針で、第4四半期に42店舗、2023年に180店舗の新規出店を目指している。
(ザ・サン、ザ・スター、11月9日、エッジ11月8日)

国家災害管理庁、全国7州・140地区に洪水警戒を呼びかけ

【クアラルンプール】 国家災害管理局(NADMA)は8日、モンスーンシーズンの到来に先駆けて、7州の合計140の地区住民に対し、大雨と雷雨による洪水が発生する恐れがあるとし、災害準備を行うよう呼びかけた。

NADMAが洪水警戒エリアに指定したのは、クアラルンプール(KL、46地区)、ネグリ・センビラン州(45地区)、ジョホール州(26地区)、セランゴール州(16地区)、マラッカ州(3地区)、サラワク州(3地区)、ケダ州(1地区)の合計140地区。

 またカンポン・ムラユ・スバンとタマン・デサ・ケムニンについては、危険なレベルの降雨があったと警戒を呼び掛けている。
マレーシアは昨年、過去100年間で最大規模の水害に見舞われ、7万人以上が避難を強いられ、50人以上が死亡した。
(マレー・メイル、11月8日)

セランゴール州が18日を公休日に、総選挙に配慮

【シャアラム=マレーシアBIZナビ】 セランゴール州のアミルディン・シャリ首相は9日、第15回総選挙が11月19日に行われることを考慮し、前日の11月18日を特別に州の公休日に指定すると宣言した。

アミルディン州首相は記者会見で、セランゴール州内で居住・勤務していて他州にある故郷で投票する人の利便性を考慮したと説明した。

総選挙前日の11月18日を全国的に公休日にすべきとの要求は官公労連会議(CUEPACS)などから出されており、イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相も検討する考えを示していた。

LRTケラナジャヤ線で大規模故障、16駅で15日まで運休

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 再三にわたってトラブルが発生していたクアラルンプール(KL)首都圏の軽便鉄道(LRT)ケラナ・ジャヤ線について、運行を手掛けるラピッドKLは9日朝、アンパン・パークーケラナ・ジャヤ間(16駅)について、15日までの7日間運休すると発表した。他21駅に関しては運行するが、23時までの短縮営業となる。

同線では5日午前10時34分頃、自動列車制御装置(ATC)の電子機器で不具合が発生。リセット処理により問題が解決し、また同日深夜にソフトウェア・アップデートを行ったことで一旦はシステムの安定が確認された。

6日に運行を再開したが、翌7日午前10時38分および午後8時39分に誤動作が再発生したため、列車の運行を停止。ラピッドKLはカナダのOEM(相手先ブランド生産)提携先タレス・グループと協力の上根本原因を調査し、8日午前5時30分にATCシステムの安定化に成功、その後運行を再開した。しかし同日午後3時過ぎに再度技術的問題が発生し、KLCCーケラナ・ジャヤ間で運行が停止された。駅が突然封鎖されたことにより一時乗客があふれ、混乱が生じた駅もあったという。

行き場を失った利用者が自動車利用に向かったため、8日夕刻、9日朝には帰宅や出勤の車の増加で首都圏各地で大渋滞が発生した

新型コロナの感染者数は3781人、病床使用率は74.8%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、8日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は3,781人となり、累計感染者数は493万3,753人となった。
新たに2,979人が回復し、累計治癒者は486万1,792人。死者数は9人で、累計は3万6,504人となった。アクティブ感染者は、前日から793人増の3万5,457人。うち95.1%が自宅、4.7%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は74.8%、ICU病床の使用率は64.3%、人工呼吸器の使用率は37.3%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,752万1,078人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,625万4,922人で、接種率は49.8%、2回目が53万2,842人となり、1.6%だった。