99スピードマートが創立35周年、国産商品キャンペーン開始

【クアラルンプール】 小規模食料品店チェーンの99スピードマートは、厳選された国産商品50点の販売促進キャンペーンを12月末までの期間限定で実施すると発表した。来年には規模を拡大し、50億リンギの売上を目指す。

19日に開催した創立35周年祝賀会でン・リーティエン取締役は、売上の60%以上が国産商品であり、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に発生した諸問題についても、サプライチェーンの回復力や国内生産の重要性が示されたと強調した。

祝賀会に参加したサラフディン・アユブ国内取引物価相は、99スピードマートが創業以来進化を続け、国民のニーズに応えながら急成長しているとし、その効率性やテクノロジー活用により運営コストを削減し、店舗展開や手頃な価格での商品提供を可能にしていると言明。小規模食料品店チェーンとして唯一、従業員が全員マレーシア人であり、他の小売業者の規範になると述べた。

99スピードマートは、全配送センターへのソーラーパネル設置やエネルギー消費を40ー45%削減する商品冷却システム導入など、環境保護にも取り組んでいる。また、トゥンク・アブドゥル・ラーマン大学病院(UTAR)に100万リンギ、マレーシア国立癌協会に50万リンギ、IJN財団に50万リンギ、マレーシア森林研究所に50万リンギを寄付するなど、植樹や研究活動も行っている。
(ザ・スター電子版、12月19日)

ペトロナスが先行き3年間の活動を展望、強気を維持

【ペタリンジャヤ】  国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)は19日、2023年から25年にかけての業務見通しを公表。海底、陸上油田の両部門とも良好との強気見通しを示した。脱炭素化に向けた企業努力も改めて強調した。

ペトロナスは強気見通しの根拠として、今年は原油価格が2021年と比べ上昇したこと、各国が経済活動を再開したことを挙げた。また生産停止中の自社油井のうち、改修対象を増やす。

保有するリグ(掘削装置)は2021年の16から今年は20に増えた。将来的に96の油井を掘削、評価、開発する計画だ。

生産油井のうち改修予定は21本で、生産量を増やすための措置を講じる。詰め物を注入し閉鎖する予定の油井は28本。

エネルギー市場の不確実性は続くとペトロナスはみている。また低炭素社会の到来に向け、エネルギー業界関係者は変化に柔軟に対応し、革新的技術を受容しなければならないとした。再生可能エネルギーなどクリーンエネルギーへの移行は早ければ早いほど良いという。
(ザ・スター、ザ・サン、12月20日)

洪水の避難者数は6.5万人に増加、新たに3人が死亡

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレー半島東海岸を中心とした洪水被害は、ジョホール州では改善したものの、クランタン、トレンガヌ、パハン、ペラの4州の避難者数は6万5,139人まで増加。クランタン州では感電事故で3人が死亡した。

国家災害対策庁によると、20日正午時点での避難者数は、トレンガヌが最多で、前日夜から約2,000人増えて3万8,806人となった。クランタンは、前日夜から約2倍の2万5,353人。19日朝には浸水した家の前で誤って電柱に触れた20ー30代の姉妹3人が感電死したことが確認された。パハンとペラでもそれぞれ873人、54人となり、前日を上回った。一方、ジョホールは53人に減少した。

環境天然資源気候変動省の洪水情報サイトによると、20日午後に入り一旦降雨は収まっている模様だが、クランタンで7本、トレンガヌで5本、パハンで1本の河川が氾濫危険水位を超えている。

気象局は20日、トレンガヌ、クランタン、パハン、ジョホール4州において22日まで断続的な強雨が降るとして警報を発令。アハマド・ザヒド副首相は、状況が悪化する前に早めに避難するよう強く求めるとした上で、各自治体などが出す指示に従うよう呼びかけた。

暫定予算が下院議会で可決、1077億リンギ規模

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は20日、見直しを行っている2023年度の本予算案の提出が年明けになることを受けて、1,077億1,868万リンギ規模の暫定予算案を下院議会に提出。即日可決した。

来年度予算案はイスマイル・サブリ・ヤアコブ前政権が10月7日に提出していたが、その直後の10月10日に国会が解散となり審議は行われないままとなっていた。新たに誕生したアンワル政権下で見直し中の本予算の国会提出は来年2月になるため、それまで必要な経費を暫定的に計上した。

暫定予算は2023年1月1日から本予算の可決までの間、公務員への給与支払いや公共事業、福祉、保健、教育、奨学金などの経常支出に主に充てる。2023年1月1日に発効する「2022年統合基金(支出勘定)法」に基づき、統合基金から支出を可能にする。暫定予算は進行中の開発プロジェクト、特に学校、道路、病院、診療所の修理とメンテナンス費用にも充てられる。

省庁別では財務省が281.2億リンギで最も多く、これに教育省(249.8億リンギ)、保健省(170.5億リンギ)が続いた。

アンワル首相は、先の来年度予算案に盛り込まれた低所得者900万人を対象とした一時金について、第1期支給を当初発表していた3月から1月に前倒しで開始すると明らかにした。支給額は世帯当たり300リンギ、一人世帯は100リンギとすると発表。また小規模ゴム農園主に対する支援金の追加支給を行うと述べた。

(エッジ、12月20日)

新型コロナの感染者数は721人、約2年ぶりに800人下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、19日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は721人となり、2020年11月ぶりに800人を下回り、累計感染者数は501万8,584人となった。
新たに914人が回復し、累計治癒者は496万6,235人。死者数は2人で、累計は3万6,808人となった。アクティブ感染者は、前日から195人減の1万5,541人。うち95.3%が自宅、4.4%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は62.8%、ICU病床使用率は63.1%、人工呼吸器使用率は39.8%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,752万9,793人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,627万4,607人で、接種率は49.8%、2回目が61万6,920人となり、1.9%だった。

コンテンツ制作会社34社に助成金720万リンギ支給=MDEC

【クアラルンプール】 ファーミ・ファジル通信デジタル相は、マレーシア・デジタル経済公社(MDEC)が今年、デジタルコンテンツやゲームの制作会社34社に総額720万リンギの助成金を支給したと明らかにした。

ファーミ大臣は17日開催の「マレーシア・デジタルコンテンツ・フェスティバル2022(MYDCF 2022)」の基調講演で、MDECのデジタルコンテンツ助成対象のアニメーション会社アニモンスタ・スタジオが制作したアニメ・シリーズ「メカアマト」が、東京アニメアワードフェスティバル2023の「みんなが選ぶベスト100」でマレーシア作品として唯一第4位にランクインするなど、国内アニメ制作が世界トップクラスのレベルにあることが証明されたとし、クリエイティブ産業強化に向け継続的な支援を約束すると言明。ハリウッドのピクサー・アニメーション・スタジオで働くマレーシア人クリエイターやマレーシア発のゲーム・アニメ企業レモン・スカイ・スタジオによるビデオゲームCG制作例を紹介し、海外で活躍したマレーシア人が帰国し、国内のクリエイティブ産業やデジタルコンテンツを充実させていることを誇らしく思うとした。また、パッション・リパブリック・ゲームズが制作した対戦アクションゲーム「ギガバッシュ」が国際的に注目を集めているとし、ビデオゲームを中心としたクリエイティブ産業の2022年末までの世界での売上は9,778億リンギに達すると予想した。

ファジル大臣は、通信デジタル省が、MDECを通じ外国人投資家を誘致し、地域のエコシステムをさらに活性化させていくとした上で、MDECも地元のエコシステム、ラリアン・スタジオ、バンダイナムコ、エクソラ、オーメンズ・スタジオなどのグローバル投資家間の協力を促進しており、今後より多くの合弁会社(JV)が生まれることを期待していると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月18日、エッジ、ベルナマ通信、12月17日)

マレー半島東海岸の洪水で2万人以上が避難、2人死亡

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレー半島東海岸を中心に豪雨が続いている影響で、洪水被害がクランタン、トレンガヌ、パハン3州を中心に避難者数が増加し、避難者数は19日午前時点で2万人以上に上っている。トレンガヌ州とクランタン州で2人が死亡した。

最も避難者が増えたのはトレンガヌで、18日朝時点で1,866人が避難していたが、同日夜に5,494人、19日午前8時に1万1,415人に増加。18日午後に2歳の女児が河川の急な増水に流されて死亡が確認された。またクランタンでは、8日朝は3,320人だった避難者が同日夜に7,096人、19日8時時点で9,149人に増加。15カ月の男児の死亡が19日に確認された。パハンでも19日8時時点で支援センター5カ所に594人が避難。なお、ジョホールとペラでは避難者は増えていないが、ジョホールで75人、ペラでは47人が帰宅できない状態が続いている。

クランタンでは、州全域で21日まで大雨が継続するという予報を受け、パシルマス、ジェリ、タナメラ、マチャン、パシルプテの5カ所で洪水対策センターを稼動。19日には10本の河川の観測所で氾濫危険水位を超えた。アーマド・ヤコブ州首相は、住民に対し、当局からの避難命令が発令された場合には速やかに避難を開始するよう呼びかけ、洪水危険地域の選出議員や地区委員、公務員に対し、地域住民の安全確保のため積極的な対策をとるよう指示した。

電気料金値上げの詳細を発表、大規模利用者のみ値上げ

【クアラルンプール】 ニック・ナズミ環境天然資源気候変動相は、2023年1月ー6月30日の電気料金の詳細を発表。大規模工場や大型ビルなどの中・高電圧契約(大規模電力利用者)に対し、1月1日から1キロワット時(kWh)あたり20センの割増料金を課すとした。

一般消費者向けの1キロワット時あたり2センの割戻金は維持する。また、農家や畜産業者、レストラン、食料品店、パン屋、小規模工場などの商工業者については、従来の1kWhあたり3.7センの割増料金を維持。そのため、マレー半島の電力利用者の90%以上が値上げの影響を受けないという。

ニック大臣は、電気料金維持のために107億6,000万リンギの補助金費用を拠出するとし、大規模電力利用者への割増料金を設定することで41億6,000万リンギが節約でき、その分を別の補助金に充てることができると説明。石炭やガスなどの燃料価格を考慮した上で電力の基本価格(BT)を設定する、不均衡価格転嫁(ICPT)により、今後電気料金の値上げが想定されるが、87億4,000万リンギの補助金を充て、消費者や小規模商工業者に対しては値上げを行わないようにするとした。燃料価格の大幅上昇により発電コストが高騰し、ICPTによる電気料金調整が、2022年1ー6月で70億リンギ、7ー12月で161億6,000万リンギに及んでいると指摘。万が一補助金をまったく支給しない場合、2023年1月ー6月に全電力利用者が1kWhあたり27センの追加料金を支払う必要があり、一方、大規模電力利用者を含む全利用者に対して補助を行うと政府の負担が大きくなりすぎるとし、今回の措置が当面最適だと考えていると述べた。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、12月16日)

出光興産、マラッカの工場屋根に太陽光発電システムを設置へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 出光興産(本社・東京都千代田区)は16日、マラッカ州バトゥ・ブレンダムにある、電子機器部品製造のMFSテクノロジーの工場屋根に発電容量約0.8メガワットの太陽光発電システムを設置し、電力供給事業を開始すると発表した。25ギガワット時(GWh)以上の電力供給が可能となり、1万6,000トンの二酸化炭素(CO2)を削減できる見込み。

出光が出資するシンガポール企業スカイ・リニューアブルズ・エナジーを通じ電力供給事業を行う。スカイ・リニューアブルズ・エナジーのマレーシア現地法人であるスカイ・リニューアブルズ・マレーシアとMFSとの間で電力販売契約(PPA)を締結する。

出光は7月にジョホール州イスカンダル・プテリの複合大学施設「エデュシティ・イスカンダル」内にあるレディング大学(マレーシア)の校舎屋根に発電容量0.6メガワットの太陽光発電システムを設置しており、マレーシア国内での屋根設置型太陽光発電所の導入は2例目となる

出光は、電力需要への対応およびCO2排出削減を目的とした再生可能エネルギー電源の導入を積極的に行っている、マレーシア、シンガポール、フィリピン、ベトナムの4カ国に対し、屋根設置型太陽光発電事業を通じて再生可能エネルギーを安定供給することで、地域社会における低炭素化を支援していく方針だ。

新型コロナの感染者数は847人、2日連続で1千人下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、18日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は847人となり、累計感染者数は501万7,863人となった。
新たに1,154人が回復し、累計治癒者は496万5,321人。死者数は6人で、累計は3万6,806人となった。アクティブ感染者は、前日から313人減の1万5,736人。うち93.6%が自宅、6.1%が医療機関、0.3%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は70.4%、ICU病床使用率は65.0%、人工呼吸器使用率は39.1%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,752万9,733人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,627万4,277人で、接種率は49.8%、2回目が61万6,148人となり、1.9%だった。