マレー半島東海岸で17-21日に大雨の予想、洪水警戒も発令

【ペタリンジャヤ】 マレー半島東海岸を中心に大雨が続いており、マレーシア気象局は、東海岸では12月17ー21日の4日間にも連続降雨があるとし、クランタン、トレンガヌ、パハン3州に強風・荒波警報を発令した。

また、半島西海岸やサバ州西部、サラワク州北部でも、今後数日間、強風を伴う大雨となる可能性があると予想。北東モンスーンとラニーニャ現象により、降雨は来年初頭まで続く見込みだとした。

排水灌漑局(DID)も、マレーシア気象庁、東南アジア・オセアニア洪水ガイダンスシステム、DID洪水予測モデルによる予測に基づき、ジョホール、パハン、トレンガヌ、ペナン、ペラ、ネグリ・センビラン6州で洪水警報を発令した。

国立南極研究センターの気象専門家であるアジザン・アブ・サマー教授も、ラニーニャ現象やダイポールモード現象(初夏から晩秋にかけてインド洋東部で海水温が低く、西部で海水温が高くなる現象)によって引き起こされる降雨の影響で今後3日以内に大きな洪水が発生する危険があると警告。その一方で国家水道委員会(SPAN)の企業広報・消費者問題担当責任者であるモハマド・ファジル氏は、マレー半島のダムの貯水位は最高レベルに達しているものの制御下にあり、13日午後1時時点で、浸水地域での水処理設備は問題なく稼働していると説明。半島部には57カ所のダムがあり、そのうち47カ所が水源用で、10カ所が洪水緩和機能を持つ多機能ダムだとした。
(ザ・スター、12月14日)

EUの森林破壊製品に対する輸入規制、MPOBが非難

【クアラルンプール】 マレーシア・パーム油委員会(MPOB)は、欧州連合(EU)が6日に発表した、森林破壊製品に対する輸入規制が国内パーム油業界に影響を及ぼすと述べた。

EUは、パーム油、牛肉、大豆、コーヒー、ココア、木材などの製品が2020年12月以降の森林破壊により開発された農地で生産されていないことを確認する義務(デューデリジェンス、適正評価)を企業に課すことで合意に達している。

MPOBのアハマド・パルヴィーズ・グーラム・カディル長官は、EU規制は発展途上国を狙い撃ちしており、また、デューデリジェンスにより管理・生産コスト上昇が予想されると述べた。さらに、菜種やヒマワリのような他作物は対象外であるため差別があるとし、小規模農家はEU市場から排除される可能性があると強調した。
アハマド長官はまた、マレーシアは独自の持続可能なパーム油基準(MSPO)制度に従ってパーム油を生産しており、MSPOは今年、国際基準に沿ったものに改訂されたと指摘。国内パーム油産業は60以上の規制、法律によって管理され、国内で最も厳しい規制下にある産業であるとし、森林破壊に関与していないのは、その厳しい規制により保証されていることをEUは認識すべきだとした。さらに、「グローバル・フォレスト・ウォッチ2021」のデータからもわかるように、2017ー2020年まで4年連続で国内の原生林破壊が減少しているのは、国内企業が森林破壊をしていない証拠だとし、EUに対し、個別国の状況に応じて規制を考えるべきだと苦言を呈した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月14日)

雨季で野菜や魚介類の価格が上昇、今後さらに上昇の見込み

【クアラルンプール】 雨季に入り収穫量が減少した影響で、野菜や魚介類の価格が高騰しており、今後悪天候が続くことでさらに価格が上昇することが予想されている。

野菜農家協同組合のリム・サークウィー会長によると、今後2週間雨が続いた場合、旧正月に向けて野菜の価格は上がると予想。シンガポールからも野菜バイヤーも来ていることや、学校休暇が始まったことで、市場に出る野菜の量は少なくなっていると述べた。またクアラルンプール野菜卸売業者協会のウォン・ケンフアット会長は、野菜の価格は10ー20%上昇し始めたが、洪水が起きればさらに上がると指摘。菜心の卸売価格は通常3リンギから5.50リンギに上がっており、小売価格はさらに高く売られているとした。

また魚介類サプライヤーであるノース・オーシャン・ホールディングスのキャンディス・ゴー氏によると、気候変動に伴う収穫減や、結婚式や会社での会食などに大規模な集まりの再開に伴う消費者需要の高まり、外国人労働者の雇用コストの上昇などの理由から魚の価格は上がっている。

一方で、野菜価格の上昇の主因として、アグロ・ブライト・ファームを経営するケン・ワイ氏は、流通業者が市場価格を操作していることにあると指摘。そのため直接消費者に販売しているとした。またペナン消費者協会の教育責任者も、仲介業者による価格設定が問題であるとし、政府に対して悪徳業者の取り締まりや罰金を科すなどの対応を取るよう求めた。
(ザ・スター、ストレーツ・タイムズ、12月12日)

ニトリが5号店をジョホールにオープン、地方初出店

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ニトリホールディングス(本社・北海道札幌市)は、15日にマレーシア5号店をジョホール州ジョホールバルのショッピングモール「ミッドバレー・サウスキー」にオープンすると発表した。

同社はマレーシア国内において、これまでクアラルンプール(KL)の「ららぽーとブキ・ビンタンシティセンター」、「パビリオン・ブキジャリル」、セランゴール州プトラジャヤの「IOIシティモール」、同ペタリンジャヤの「ワンウタマ・ショッピングセンター」と首都圏に出店してきた。今回オープンする5号店は地方初出店となり、ニトリグループとしては876店舗目となる。今後は同じくジョホール州ジョホールバルにある「トッペン・ショッピングセンター」の他、クアラルンプール(KL)の「スリアKLCC」への出店を計画している。

店舗名は「ニトリ・ザ・モール・ミッドバレーサウスキー店」。売り場面積は約730坪で、営業時間は午前10時から午後10時00分。

ニトリは、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」というロマンを実現するため、今後も積極的に海外展開を進めていく方針だ。

新型コロナの感染者数は1040人、3日ぶりに1千人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、13日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は1,040人となり、累計感染者数は501万2,483人となった。
新たに1,456人が回復し、累計治癒者は495万8,158人。死者数は9人で、累計は3万6,778人となった。アクティブ感染者は、前日から425人減の1万7,547人。うち93.3%が自宅、6.3%が医療機関、0.4%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は72.9%、ICU病床使用率は63.0%、人工呼吸器使用率は39.3%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,752万8,717人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,627万2,116人で、接種率は49.8%、2回目が60万9,170人となり、1.9%だった。

UMW、11月の自動車販売台数が前月比11%増加

【クアラルンプール】 UMWホールディングスは、傘下のUMWトヨタ・モーター(UMWT)およびグループ会社のダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)の11月の販売台数が、前月比11%増の3万9,034台になったと発表した。

UMWTは前月から13%増の1万442台で、今年最多となった。販売上位3モデルは、「ヴィオス」、「ヤリス」、「カローラ・クロス」。プロドゥアも前月比11%増の2万8,592台で、単月として過去最高。「ベザ」、「マイヴィ」、「アジア」が好調だった。また生産台数は2万9,149台で、創業以来最高となった。

年初11カ月の合計販売台数は、ロックダウンの影響を受けた前年同期から48%増の34万1,390台。そのうち、UMWTは9万595台で、前年同期比44%増となった。プロドゥアは同50%増の25万795台で、年間販売目標の24万7,800台を上回った。

UMWホールディングスのアマハド・フアード社長兼最高経営責任者(CEO)は、両社ともにサプライチェーンの改善に支えられ11月に増産できたとし、納車を早めるために今後も増産を続けると言明。売上・サービス税(SST)の減免措置や新型車投入などにより販売は好調で、予約状況から見て12月の販売も好調に推移する見込みだと述べた
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月13日、エッジ、12月12日)

「アインズ&トルペ」3号店をミッドバレーに開設

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アインホールディングス(本社・北海道札幌市白石区)は10日、丸紅との合弁会社(JV)を通じ、ドラッグ&コスメティックストア「アインズ&トルペ」3号店をクアラルンプール(KL)のミッドバレー・メガモールに開設した。

3号店はグランドフロアに位置し、スキンケア、メイクアップ、ファッション小物など250ブランド4,000アイテムの商品を取りろえる。営業時間は毎日午前10時ー午後10時。10日にはオープニング・イベントとして、インフルエンサーによるメイクアップレッスンも行われた。

アインズ&トルペは、5月に1号店をKL郊外のパビリオン・ブキ・ジャリルに、11月に2号店をセランゴール州ペタリンジャヤのサンウェイ・ピラミッドに開設。マレーシア進出後約半年で3店舗を展開している。

広告制作の電通クリエーティブ、マレーシアで事業を開始

【クアラルンプール】 電通グループの制作部門、電通クリエーティブがマレーシアで事業を開始する。従来の制作部門「電通MB」、「360i」、「電通LHS・アンド・アイソバー」を電通クリエーティブに統合する。

電通グループは6月、日本国外で展開する各ブランドを年内に電通クリエーティブに統合すると発表していた。統合により、電通クリエーティブは世界145カ国・地域で9,000人の社員を有することになる。

電通クリエーティブのクリエーティブ・ブランド担当最高経営責任者(CEO)であるクナル・ロイ氏は、従来のブランド・コンサルやコミュニケーション、デジタル分野に加え、エンターテインメントやソーシャルメディアなどの分野でも、最高峰の広告作品を提供していくと述べた。

電通クリエーティブ・マレーシアのアンドリュー・ロウ最高クリエーティブ責任者は、電通クリエーティブの立ち上げは、広告制作能力の強化や人材の再活性化を目的とするもので、立ち上げに向け数カ月間準備してきた作品を順次、顧客企業や市場に発表していく予定だとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月13日、マーケティング・インタラクティブ、12月12日、電通発表資料)

JX石油開発とペトロナス、未開発ガス田群の技術開発提案で契約

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 JX石油開発(本社・神奈川県横浜市)は12日、マレーシアの国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)が100%出資する油田探査会社であるペトロナス・チャリガリと共同でマレー半島沖合の高濃度二酸化炭素(CO2)を含む既発見未開発ガス田群の開発技術提案をペトロナスに行うこと、および同ガス田群の権益取得の検討を進めることについて覚書を締結したと発表した。

同社は、2020年3月に石油天然ガス・金属鉱物資源機構(現・独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)と共同でペトロナスとの間で締結した共同スタディ契約に基づき、ガス田開発に伴って産出されるCO2を分離回収し、二酸化炭素回収・貯留(CCS)技術を用いて枯渇した近隣ガス田に圧入することで、既発見未開発ガス田の低環境負荷での開発実現を目指す共同研究を2020年4月から2021年9月にかけて実施。その結果、研究対象のガス田群においてCCS 技術により環境負荷を低く抑えた形での天然ガス生産事業の実現可能性が高いと評価されたことから今回、チャリガリと共同で対象ガス田群の評価を行い、開発の技術提案を進めることとなった。

JX石油開発は、同案件が域内の天然ガスの安定供給に加え、JXが重点事業地域の一つと位置づけているマレーシアでの事業拡大に寄与する案件であり、低炭素・循環型社会実現への貢献というENEOSグループの目標に沿ったものと考えているとし、チャリガリとともに対象ガス田群の低環境負荷での開発の実現に向けて、鋭意検討を進めていく方針を明らかにした。

一方でペトロナス・チャリガリは、いくつかの企業から提案があったものの、JXの案件が最も質が高く価値を提供していたことから契約に至ったと説明。高濃度のCO2を含んでいるため開発が進んでいなかったブジャンやイナス、グリン、セパト、トゥジョーなどのガス田開発が促進されるとの期待を示した。

 

新型コロナの感染者数は809人、2日連続で1千人下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、12日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は809人となり、累計感染者数は501万1,443人となった。
新たに1,552人が回復し、累計治癒者は495万6,702人。死者数は6人で、累計は3万6,769人となった。アクティブ感染者は、前日から749人減の1万7,972人。うち93.3%が自宅、6.3%が医療機関、0.4%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は71.3%、ICU病床使用率は62.3%、人工呼吸器使用率は37.9%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,752万8,573人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,627万1,595人で、接種率は49.8%、2回目が60万7,758人となり、1.9%だった。