自動車部品業界、人手不足のため年間損失が20億リンギに

【クアラルンプール】 マレーシア自動車部品製造業者協会(MACPMA)によると、過去2年間にわたって続いている人手不足のために業界は年間20億リンギの損失を被っている。
MACPMAのチン・ジットシン会長は、自動車部品業界がマレーシアの国内総生産(GDP)の2%に貢献していると強調した上で、人手不足による操業の遅れにより結果的に納車の遅れにも繋がっていると指摘した。

チン会長によると、マレーシアの自動車部品メーカーの年間売り上げは2019年には262億リンギで、世界60カ国に50億リンギ相当(タイヤを除く)の輸出を行っていたが、人手不足により多くの部品メーカーの稼働率が60-70%にとどまっているため、注文を断らざるを得ない状態となっている。

 チン会長はまた、深刻な労働力不足が自動車産業の景気回復を阻害しており、生産停止や遅延を引き起こしていると指摘。自動車業界は数百のベンダーによって製造される数千の部品から成り立っているため100%の稼働が必要だとし、通産省による支援に期待していると述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、7月23日)

エリクソン、5G機器のAPAC製造拠点にマレーシアを選定

【クアラルンプール】 スウェーデン系通信サービスのエリクソンは23日、マレーシアをアジア太平洋(APAC)地域における第5世代(5G)無線通信機器の製造拠点として選定したと発表。第3四半期からエリクソンの最新5G無線機器の製造を開始する。

エリクソンのマレーシア、スリランカ、バングラデシュ担当社長兼最高経営責任者(CEO)であるデビッド・ハーガーブロ氏は、マレーシアは東南アジアで初めて、国内および近隣諸国向けにエリクソンの5G機器を製造する国になるとし、マレーシアを製造拠点として選定したのは、熟練労働者や強力なインフラが存在するからだと述べた。また、エリクソンは国内5Gネットワーク整備に携わっていることからも、マレーシアへの長期的なコミットメントを示しているとした。

ハーガーブロ社長は、製造計画に基づき、エリクソンは今後も投資や雇用機会を増やしていく予定であり、シャアラムの保守・サポートセンターや先月新設されたクアラルンプール国際空港(KLIA)の流通センターによって、国内製造機能が補完され、APAC地域の顧客へのサポートを改善できると述べた。

エリクソンはまた、マレーシア工科大学(UTM)および国営企業デジタル・ナショナル(DNB)との提携により、5Gや他先端技術教育を支援する「エリクソン・エデュケート」を開始したと発表。初年度は最大1,200名の学生が参加する見込みで、UTMの学生がデジタル経済やインダストリー4.0(IR4.0)の変革に参加・貢献できるようになることを目指す。

エリクソンは2016年、5G技術の研究とテストを行う国内初のイノベーションセンターをUTMに設置している。
(ベルナマ通信、7月23日)

ライフスタイルのアマテラス、ルーフトップバーを9月にオープン

【クアラルンプール =マレーシアBIZナビ】 アマテラス (本社・東京都港区) は22日、クアラルンプールを一望できる地上200メートルの屋上に、670平米のルーフトップバー 「アマテラス・スカイラウンジ」 を9月にオープンすると発表した。

同社は5年前に設立し、これまでライフスタイルウェア事業を展開してきた。「和洋折衷のコンセプトを通し、ファッションだけでなく様々な事業展開を」という設立時の想いから、ラグジュアリーで近代的な日本のライフスタイルを提供することをテーマに今回、新事業開拓した。

同社の代表、佐藤マクニッシュ怜子氏は今回の事業に関して、起業当初から和洋折衷のコンセプトを通し飲食やホスピタリティ事業に展開させていきたいと考えていたと説明。すでにマレーシアやアジア圏のデベロッパーや企業が同社の新規事業に強く興味を示しているとし、「アマテラス」というコンセプトを通して日本を海外に発信していきたいとした。

2回目追加接種、「MySejahtera」アプリで予約可能に

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」情報・追跡アプリ「マイセジャテラ(MySejahtera)」を通じ、2回目のワクチン追加(ブースター)接種の予約が可能となった。「MySejahtera」の公式フェイスブックが23日明らかにした。
追加接種の予約には、「MySejahtera」が最新版であること(23日時点でバージョン2.0.3)、および生年月日などの個人情報の入力が必要となる。
対象者に対し、「Covid-19ワクチン接種」に追加接種予約リンクが表示される。現時点では、2回目の追加接種にはファイザー製ワクチンのみが用いられ、接種はあくまで任意となる。
感染力の強いオミクロン株の変異株「BA.5」により世界的にコロナ感染者数が急増しているが、マレーシア国内でも新規感染者および入院者数が再増加傾向にあることから、カイリー・ジャマルディン保健相は19日の下院議会質疑の中で、併存疾患を持たない50ー59歳の年齢層に対しても2回目の追加接種を公式に認めると発表していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月24日)

新型コロナの新規感染者数は2720人、病床使用率は67.6%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症に関する情報提供サイト「コビドナウ(COVIDNOW)」によると、24日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2,720人で、累計感染者数は465万1,651人となった。
新たに4,012人が回復し、累計治癒者は456万7,485人となった。死者数は3人で、累計は3万5,914人。アクティブ感染者は、前日から1,295人減の4万8,252人だった。うち96.6%が自宅、0.0%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、3.2%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は67.6%だった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,742万181人で、接種率は84.0%。1回目のブースター接種完了者は1,617万5,453人で、接種率は49.5%、2回目が28万4,275人で0.9%だった。
新たに発生したクラスターは1カ所で、ペラ州の教育機関で4人の感染を確認した。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は16カ所に増えた。

1億リンギ相当の公共プロジェクト延期を決定=首相府相

【クアラルンプール】 ムスタパ・モハメド首相府相(経済担当)は、総額1億リンギ相当の公共プロジェクト30件について実施延期を決めたと発表した。財政のさらなる悪化を防ぎ限られた予算を有効に使うためで、いずれも優先順位が低いプロジェクトで、国民生活に直接的に影響を及ぼすものではないという。

ムスタパ首相府相が21日の下院議会で明らかにしたところによると、延期が決まったプロジェクトは、新規または既存プロジェクトで、入札手続きなど調達プロセスがまだ始まっておらず、且つ宣伝も行われていないものに限られている。19日には財務省、公共事業省、首相府経済企画局(EPU)、首相府実施調整局(ICU)、公共事業局と延期に向けた調整を行っており、これらの省庁との話し合いは今後も継続する。

延期が決まった主なプロジェクトには、農園・一次産業省の下で計画されていた統合ゴム処理センターの建設、人的資源省の下で計画されていた電気分野のワークショップの近代化のための調達や海外の高等教育機関とのハイテクトレーニングセンターにおける協力、通産省の下で計画されていた戦略的リサーチプロジェクトが含まれる。首都圏大量高速輸送・環状線(MRT3)や東海岸鉄道線(ECRL)、パン・ボルネオ高速道は継続する。

ムスタパ首相府相によると、連邦政府は2022年に7,243件、額にして756億リンギ相当の開発プロジェクトを承認していた。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、7月21日)

自動車販売、6月はベース効果で前年の33倍に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア自動車協会(MAA)の発表によると、会員企業による2022年6月の自動車販売台数は6万3,366台で、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大抑制のためのロックダウンがあった前年同月の約33倍となった。

乗用車の販売台数は5万7,063台となり、ロックダウンにより販売店が閉鎖された前年からのベース効果で前年同月の約31倍、商用車は6,303台で同約74倍となった。6月末での売上・サービス税(SST)減免措置の終了を前にした駆け込み需要で、前月比でも22%増となった。

6月の生産台数は5万9,885台で、ロックダウンで生産がストップした前年同月の約217倍となった。乗用車は前年同月の約227倍の5万5,843台、商用車は同135倍の4,042台となった。

MAAは7月の見通しについて、SST減免期間中に行われた予約の履行がある一方で、半導体や部品不足が一部の生産に影響をもたらす懸念があることから販売台数は6月の水準を維持すると予想した。

出光興産、マレーシアで屋根設置型太陽光発電事業を開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 出光興産(本社・東京都千代田区)は20日、ジョホール州イスカンダル・プテリの複合大学施設「エデュシティ・イスカンダル」内にあるレディング大学(マレーシア)の校舎屋根に発電容量0.6メガワットの太陽光発電システムを設置し、電力供給事業を開始すると発表した。

出光が出資するシンガポール企業スカイ・リニューアブルズ・エナジーを通じて、校舎屋根上の太陽光発電システムで発電した電力を大学施設の所有者であるイスカンダル・エデュケーション・エンタープライズに供給するもの。出光によると、大規模な複合大学施設での再生可能エネルギー導入はマレーシアで初。

出光は、屋根設置型太陽光発電市場の堅調な需要伸長が見込まれているとして、マレーシアの他、シンガポールやフィリピン、ベトナムなどを中心に屋根設置型太陽光発電事業を推進している。今後も「エデュシティ・イスカンダル」でエネルギーソリューションプロジェクト推進を目指すとともに、マレーシアにおける再生可能エネルギ の開発を拡大することで、地域社会における低炭素化支援を図る方針だ。

大阪大学、マレーシアにASEANキャンパス設置へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 大阪大学(所在地・大阪府吹田市)は14日、マレーシアにおける初めての大阪大学東南アジア諸国連合(ASEAN)キャンパス設置に係る調印式をマレーシア科学大学(USM)と共に開催した。
大阪大学が19日に発表した声明によると、オンラインで実施された調印式には、USMのファイサル・ラフィク・モハマド・アディカン学長や副学長などの関係者が参加。大阪大学からも西尾章治郎総長、河原源太理事・副学長を始め、USMと教育や研究交流を長年行ってきた教員を始めとする関係者が参加。両校はASEANキャンパス設置を契機に学生交流、研究者交流、産学連携の推進などに取り組むことを確認した。
大阪大学は今後、ハイブリッド型の「大阪大学インターナショナル・サティフィケイト・プログラム」を活用した短期プログラムや、ASEANキャンパスを活用したダブル・ディグリー・プログラム等の学生交流を開始する。また環境問題など地域ニーズに応じた共同研究を推進し、地域ニーズを汲みながら、将来的にはASEANキャンパスを活用した国際産学連携も実施していくことを目指す。

新型コロナの新規感染者数は4587人、病床使用率は73.4%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症に関する情報提供サイト「コビドナウ(COVIDNOW)」によると、21日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は4,587人で、累計感染者数は464万235人となった。
新たに2,652人が回復し、累計治癒者は455万6,938人となった。死者数は10人で、累計は3万5,888人。アクティブ感染者は、前日から1,925人増の4万7,409人だった。うち96.7%が自宅、0.1%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、3.1%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は73.4%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,739万7,973人で、接種率は83.9%。1回目のブースター接種完了者は1,617万1,394人で、接種率は49.5%、2回目が25万7,271人で0.8%だった。
新たに発生したクラスターは1カ所で、クアラルンプールの教育機関で20人の感染を確認した。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は14カ所に増えた。