【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラは19日、定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を2.75%で維持することを決定した。2020年7月から1.75%で維持していたが、昨年5月から4会合連続でそれぞれ0.25ポイント引き上げていた。
中銀は声明の中で、現在の金融政策のスタンスは依然として緩和的であり、引き続き経済成長を支えることが可能だと説明。今後もインフレ率や経済成長のリスクとのバランスを考慮して金利を調整するとした。
国内経済については、内需に下支えされて国内経済が好調に成長していることが最新の統計で示されていると指摘。昨年通年の成長率は予想の6.5ー7.0%を上回ることが見込まれるが、今年の成長率は世界経済の減速の影響も受けて緩やかな水準に止まる見込みだとした。
また雇用や所得の前向きな見通しに下支えされて、家計支出の増加が見込まれており、国境再開に伴う外国人観光客数の増加が観光産業の成長を押し上げると予想。投資活動も複数年にわたって実施されている大型プロジェクトに支えられるとしたものの、世界経済の成長が予想を下回る可能性、主要経済国による積極的な金融引き締め策、地政学的な紛争の激化、サプライチェーンの再混乱が引き続き成長リスクとなるだろうとし、今年のインフレ率については、需要とコスト圧力の高まりにより高い状態が続くが、上昇率は穏やかになるとの見込みを示した。
世界経済については、コスト圧力の上昇、利上げ、中国での新型コロナウイルス 「Covid-19」に関わる混乱などが成長に影響を与えていると指摘。インフレ率の上昇率は緩やかになってきているが、今後も利上げが行われると予想した上で、今後も地政学的緊張の高まり、主要経済国の成長が予想を下回る可能性などが下振れリスクとなるとした。