【ペタリンジャヤ】 1月より実施されている中・高電圧契約(大規模電力利用者)を対象とした1キロワット時(kWh)あたり20センの電気割増料金の影響について、マレーシア製造業者連盟(FMM)は、対象業者の電気料金が35ー43%増加したと明らかにした。

FMMのソー・ティエンライ会長は、エネルギー集約型産業のコスト上昇は1ー10%以上となる可能性があるとし、調査対象の製造業者のうち、10.5%は運用上の必要性から中電圧の一般産業用料金プランを採用しており、その多くが中小企業だと述べた。また、59%は中電圧のピーク・オフピーク産業用料金で、中堅企業が毎月数十万リンギを負担、8.4%は高電圧契約で毎月数百万リンギの追加料金を支払わなければならないと述べた。ソー氏は、ロシア・ウクライナ戦争の影響によるサプライチェーンの混乱や価格上昇、ペナンの半導体産業の減速などの問題も生じているため、割増料金については段階的に導入すべきだとした。

マレーシア半導体産業協会(MSIA)のウォン・シューハイ会長も、ある企業の電気料金が1月に44%跳ね上がり、総額320万リンギになったという例を挙げ、割増料金は3年程度かけて段階的に課すべきだと述べた。MSIAでは、政府の補助金合理化を支持する一方、より緩やかで企業が持ちこたえられる範囲の割増率を求めると述べた。今年に入ってから、最低賃金の25%引き上げ、残業代支給対象の拡大、電気代上昇、原料価格の上昇、人手不足、物流コストの上昇などで業界が打撃を受けていると指摘。各種コスト上昇を吸収できない場合、企業はリストラにより従業員を解雇しコスト削減する必要も出てくると述べた。

カーオーディオのクラリオン(M)のTKタン社長は、政府は割増料金を設定するのではなく、ソーラーパネルの導入を支援するなど、安価で便利なグリーンエネルギーへの投資を奨励すべきだと述べた
(ザ・スター、2月21日)