デジタルノマド向け施設、年内に2000カ所の認定を目指す

【クアラルンプール】 昨年10月1日より開始されたデジタルノマド(ITを活用し旅行しながら働く人)向けビザ「DEランタウ」の認定宿泊施設「DEランタル・ハブ」数が年内に2,000カ所まで増加する見込みだ。テオ・ニーチン副通信デジタル相が明らかにした。

テオ副相によると、現在のDEランタル・ハブ数は764カ所で、そのうち339カ所はクアラルンプールに、278カ所はランカウイに、147カ所はペナンに位置する。通信デジタル省は拠点拡大に向け関係者との協議を続けており、3月にはマラッカ、今年の後半にはイポー、ジョホールバル、コタキナバル、クチンにも展開する予定だ。

テオ副相はまた、DEランタウ・ビザの現時点での申請数は2,400件で、そのうち承認されたのは53%だとし、入国管理局と共同でビザ悪用を防ぎつつ、より多くの外国人がマレーシアをデジタル拠点として選択するよう働きかけていくと述べた。
(ザ・サン、2月24日、ベルナマ通信、2月23日)

2023年度予算案を再提出、歳出規模は前政権から上乗せ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は24日、下院議会に2023年度(2023年1月1日ー12月31日)予算案を再提出した。

予算案のテーマは「マレーシア・マダニ(持続可能性、繁栄、革新、尊敬、信頼、思いやりという6つのコアバリューに基づく枠組み)の推進」。予算規模は、国内総生産(GDP)が4.5%成長するとの見通しから3,881億リンギとし、緊縮予算となるとの予想を覆してイスマイル・サブリ・ヤアコブ前政権が昨年10月に発表した予算規模を158億リンギ上回った。

歳入予想は2,915億リンギで、原油価格低迷による非税収入減少で前年の2,944億リンギを下回る見込み。国家債務総額は1.2兆リンギに達し、GDPの60%を突破する見通しだが、財政赤字の対GDP比率は前年の5.6%から5.0%に下がる見込み。アンワル首相は2025年までに3.2%に引き下げたいとしている。

一般歳出は全体の74.5%を占める2,891億リンギで、前政権の2,723億リンギを上回った。開発予算は990億リンギで、これも前政権の950億リンギを上回った。640億リンギを補助金や社会保障、優遇措置、一時金支給に充てる。省庁別では教育省が552億リンギで最も多く、保健省が363億リンギで続いている。

零細企業の法人所得税率を、15万リンギを上限に17%から15%に2%引き下げる。年収3万5,000ー10万リンギの中間所得層を対象に個人所得税を2%引き下げる。240万人が恩恵を受けるとみられる。一方で年収10万ー100万リンギの高所得者層の個人所得税を0.5%ー2.0%引き上げる。

電子タバコ製品に対して物品税を導入する。徴収した物品税の半分を、世代別に段階的に禁止するたばこ世代終焉(GEG)計画の実施に向けて保健省に割り当てる。また今年から高級時計やファッションブランドなどを対象に贅沢税を課税する。不動産利得税については、2024年からの導入を目指すとしている。

航空宇宙産業に対する優遇税制を2025年末まで延長する。製造業者がマレーシアに移転する際の優遇税制を2024年まで延長する。グリーン投資税控除(GITA)およびグリーン所得税控除(GITE)を2025年末まで延長する。医療費の税控除の上限を8,000リンギから1万リンギに引き上げる。年初から大企業を対象に値上げした電気料金については、一般世帯や中小企業に対しては据え置く。

クリエイティブ産業の振興を図るために1.02億リンギの「デジタル・コンテンツ基金(DKD)」を設立する。

2025年を「ビジット・マレーシア・イヤー」(マレーシア観光年)とし、観光客2,350万人の誘致を図り、観光収入768億リンギを目指す。サバ・サラワク州にそれぞれ65億リンギ、56億リンギの開発予算を割り当てる。

従業員積立基金(EPF)「口座1」の残高が1万リンギ以下の40ー54歳(約200万人)に対して、政府が500リンギを支給する。また月収2,500リンギ未満の低所得者「B40」に対して「慈善」一時金を子供の人数などによって最大2,500リンギ支給する。

2022年の洪水被害額は6億2240万リンギ=統計局

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 統計局が23日に発表した2022年に発生した洪水の被害状況に関する統計によると、被害額は6億2,240万リンギとなり、2021年の61億1,245万リンギからは大幅に減少したと明らかにした。

被害額の内訳は、公共資産およびインフラが2億3,270万リンギ、住宅が1億5,740万リンギ、農業が1億5,450万リンギ、事業用の土地や建物が5,030万リンギ、自動車が1,880万リンギ、製造業が870万リンギ。

被害を受けたのは14州・地区で、トレンガヌ州が2億1,520万リンギで最も被害額が多かった。それに▽クランタン州(1億5,310万リンギ)▽パハン州(1億4,400万リンギ)▽ケダ州(3,080万リンギ)▽セランゴール州(2,550万リンギ)▽ネグリ・センビラン州(2,100万リンギ)▽ペラ州(1,490万リンギ)▽サバ州(630万リンギ)▽ジョホール州(440万リンギ)▽クアラルンプール(340万リンギ)▽マラッカ州(230万リンギ)▽サラワク州(130万リンギ)▽ペナン州(20万リンギ)▽ペルリス州(6,000リンギ)ーーが続いた。
地区別では、トレンガヌ州のフル・トレンガヌの被害額が4,640万リンギで、最も被害を被った。2番目はクランタン州のパシル・マス(4,550万リンギ)、3番目はケダ州のバリン(2,820万リンギ)だった

「ジャイアント」運営会社、DFIが地場企業連合に売却

【クアラルンプール】 DFIリテール・グループは、マレーシア国内で「ジャイアント」、「メルカト」、「ジャイアント・ミニ」のブランドで展開している食品小売部門から撤退すると発表した。

DFIリテールは、マレーシアの食品小売事業を統括するGCHリテール(マレーシア)を、SOGOデパートメント・ストアのアンドリュー・リム副会長が率いる企業連合に持株70%を売却することで合意した。今後はドラッグストア「ガーディアン・ヘルス・アンド・ビューティー」チェーンの成長に注力していく方針。残りの30%はネグリ・センビラン州王族系のシャリカ・ペサカ・アンタが所有している。

GCH買収に向け、リム氏が所有するUSPリソーシズとゲイリー・ヤップ氏が所有するギャップ・ホールディングスによる折半出資の新会社、マクロバリューが設立された。マクロバリューは2,500人いるGCHの従業員全員の雇用を維持する方針だ。3月上旬には売買取引を完了する予定。買収価格などについては明らかにされていない。

GCHは現在、「ジャイアント」40店舗、「メルカト」8店舗、「コールドストレージ」2店舗、「TMC」1店舗、「ジャイアント・ミニ」40店舗を運営している。2014年から2019年にかけて赤字が続いたことから、店舗数を半数まで縮小し、「ジャイアント・ミニ」の展開を図るなど経営改善に取り組んでいた。
香港を拠点とするDFIリテールは、旧称デイリー・ファーム時代の1999年に、オーナー一族であるテン一族からの「ジャイアント」事業買収を通じてマレーシアに参入していた。
(エッジ、マレー・メイル、2月23日)

新型コロナの感染者数は224人、2日連続で200人台

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、23日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は224人となり、累計感染者数は504万1,811人となった。
新たに278人が回復し、累計は499万5,584人、死者数は3日連続ゼロで、累計は3万6,957人を維持した。アクティブ感染者は、前日から54人減って9,270人。そのうち96.6%が自宅、3.3%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は77.7%、ICU病床使用率は63.0%、人工呼吸器使用率は38.1%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,754万1,306人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,631万1,851人で、接種率は49.9%、2回目が80万6,818人となり、2.5%だった。