プラントベースフードのフューチャー、カフェチェーンと提携

【クアラルンプール】 プラントベースフードのフューチャー・フードは、代替タンパク質商品の認知度拡大を図るため、ラマダン(断食月)期間中に、カフェチェーン店の「コーヒー・ビーン・アンド・ティー」や「オールドタウン・ホワイト・コーヒー」と提携する。

フューチャー・フードは、「ハイ・ファイバー・チキン」、「インビンシブル・ミンス」、「バーガー・パティ・スーパーグルメ」、「ハイ・ファイバー」などの短時間で調理可能な代替タンパク質製品の製造・供給を行っている。

フューチャー・フードのジャック・ヤップ最高経営責任者(CEO)は、食品・飲料(F&B)企業からプラントベースフードの需要が高まっていると言明。同社の製品は東南アジアにおいてF&B小売店800店舗で販売されているが、近隣諸国から同社製品への関心が高まっていることを受けて、生産能力を引き上げて対応しており、年末までに、東南アジア全体で2,000店舗で販売されることを目指すと述べた。また、プラントベースフードは、需要の高まりや菜食主義者の増加に伴い価格が下がっているという
(ベルナマ通信、3月22日)

 

高速道路のプラス、ペナン大橋とBKEでオープン決済試験実施へ

【クアラルンプール】 高速道路運営のプラス・マレーシアは23日、9月にクレジットカードやデビットカードで通行料金を支払えるオープン決済システムをペナン大橋とバターワース・クリム高速道路(BKE)に導入するための準備を進めていると明らかにした。

ザカリア・アフマド最高執行責任者(COO)によると、高速道路局と協力し、9月の正式開始時にシステムが円滑に運用できるようにする。ペナン大橋では、無線自動認識システム(RFID)レーンで、BKEではクバン・セマン料金所でテストを実施する。

決済の試験導入は、アンワル・イブラヒム首相が先ごろ、国内の高速道路料金収受システムにおけるタッチ・アンド・ゴー(TnG)の独占状態を見直す考えを示したことを受けて行われるもの。首相発言を受け、アンソニー・ローク運輸相が、全ての公共交通機関各社に対しオープンな決済方法を導入するよう指示。アレクサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相も、9月までに5本の高速道路でデビットカードやクレジットカードを利用した支払いを開始すると発表し、サラフディン・アユブ国内取引物価相も、より多くの支払い方法導入や他の高速道路への拡大予定について、運輸省および公共事業省との三省間協議を行うとしていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、3月23日)

AMDマレーシアがペナン拠点を拡張、オフィスとラボ施設を新設

【ジョージタウン】  米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のマレーシア現地法人AMDグローバル・サービシーズ(M)は23日、ペナン州バヤンレパス拠点を拡張すると発表した。

ペナン開発公社(PDC)がバヤンレパスで建設中の2億リンギの「GBSバイ・ザ・シー」ビルの約70%にあたる約20万9,000平方フィートのスペースにオフィスとラボ施設を構え、グローバル・ビジネス・サービス(GBS)とエンジニアリング部門の人員を増強する。「GBSバイ・ザ・シー」は2024年に完成予定の9階建てのオフィスビルで、賃貸可能床面積は約30万平方フィート。

AMDマレーシアのデビンダー・クマール副社長は発表会で、ペナンは50年以上にわたって、半導体エコシステムおよびAMDの先端テクノロジー製品の組立・テストにおいて重要な役割を果たしてきたとし、今回の投資やペナン州政府の支援を受け、AMDはペナンでイノベーションを推進し、科学研究、データセンター、通信を発展させる新しい機能を提供することを約束すると述べた。

発表会に参加したチョウ・コンヨウ州首相は、ペナンではGBSを含むデジタルエコノミー産業が増加しており、ペナンのサービス部門の投資額(認可ベース)は、過去2年間で州投資総額の11%を占める100億リンギに達したと言明。州政府はペナン州政府系投資会社インベスト・ペナンやPDCとともにAMDのペナンでの事業拡大を支援していくと述べた。

AMDはペナンへの投資を拡大する方針で、AMDと中国・通富微電子の合弁会社であるTF-AMDマイクロエレクトロニクス(TFME)も昨年6月、約20億リンギを投じてバトゥカワン工業団地に製造工場を新設すると発表している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月24日、マレー・メイル、エッジ、3月23日)

「ハラル産業マスタープラン2030」がスタート、産業強化図る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ハラル(イスラムの戒律に則った)産業の強化を図るための「ハラル産業マスタープラン2030(HIMP2030)」が23日にスタート。テンク・ザフルル通産相はマレーシアのハラル(イスラムの戒律に則った)産業が2030年までに1,132億米ドル(5,003.4億リンギ)規模まで成長し、国内総生産(GDP)に占める割合が2025年までに8.1%に拡大するとの見通しを示した。

HIMP 2030のテーマは「目立って可視化されグローバル化されたハラル・マレーシア」で、▽ハラルに配慮した政策や法律の強化▽国内ハラル製品・サービスのための大きな新市場空間の創出▽グローバルなニーズに対応できるハラル専門家やプロフェッショナルの確保▽質の高い統合的なインフラ整備の強化▽ソート・リーダーシップの育成▽ハラル・チャンピオンの輩出▽ハラル産業におけるブミプトラ(マレー人と先住民の総称)の競争力強化ーーの7項目の戦略的推進事項と合計23のイニシアチブからなる。

これらの政策は▽強固で多様な国内ハラル産業育成▽徹底したシャリア(イスラム法)遵守▽マレーシアにおけるビジネスのしやすさの向上▽競争力のあるビジネス・エコシステム育成▽「ハラル・マレーシア」の世界への発信ーーの5つの主要目標成果によって推進される。

テンク・ザフルル通産相は「通産省は世界のハラル市場における主要なプレーヤーとしてのマレーシアの地位を高め、世界全体で20億人に上るムスリム人口を活用するために、ハラル・エコシステムのすべての要素を強化することに全力を尽くす」と言明。通産省と下部機関は、ハラル産業を特に中小企業にとって有利かつ競争力のある産業として位置づけるための活動をすでに開始していると述べた。
HIMP2030の開始宣言を行ったアハマド・ザヒド副首相は、ハラル証明書発行の迅速化に向け新たなメカニズムやプロセスを導入する必要があると指摘。現状では官僚機構などの制約のために発行に約9カ月かかっていると述べた。

通産省によると、2022年のマレーシアのハラル製品輸出額は594.6億リンギで、前年から231.6億リンギ、率にして63.8%の大幅増となった。セクター別では食品・飲料が引き続きトップとなり、総輸出額は278.4億リンギで、ハラル輸出全体の46.8%を占めた。これに▽ハラル原料(233.5億リンギ)▽化粧品・パーソナルケア商品(34.9億リンギ)▽パーム油派生商品(27.9億リンギ)▽工業用化学品(12.7億リンギ)▽医薬品(7.2億リンギ)ーーが続いた。

強制死刑&終身刑を廃止へ、閣議決定

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アンワル・イブラヒム内閣は、一部の重大犯罪を除いた死刑廃止、及びすべての終身刑の廃止方針を閣議決定した。アザリナ・オスマン首相府相(法務担当)が23日の国会質疑の中で明らかにした。改正法案は3月27日にも国会に提出される見通し。

刑罰としての死刑は刑法121条、121A条(国王やスルタンに対する危害)、1952年危険薬物法39B条に基づく3つの犯罪を除き、死に至らない犯罪を対象に廃止される。また終身刑は全廃され、30年から40年の禁固刑と12回以上の鞭打ちに置き換えられる。アザリナ大臣によると、改正により未決囚476人に影響が及ぶだけでなく、すでに刑が確定した死刑囚及び終身刑囚957人についても刑が見直されることになる見通しだ。

マレーシアでは殺人、麻薬密売、テロを含む34の犯罪について刑罰として死刑が含まれており、うち殺人やテロなど11の犯罪に関してはこれまで死刑以外の刑罰はなかった。法改正により判決には裁判官による裁量権が認められることになり、死刑は殺人や国王・スルタンへの危害、麻薬犯罪に関してのみオプションとして残されることとなる。