KLIAエクスプレス、自転車と電動キックボードの持ち込み可能に

【クアラルンプール】 クアラルンプール市内とクアラルンプール新国際空港(KLIA)を結ぶ高速鉄道KLIA線を運営するエクスプレス・レール・リンク(ERL)は、「KLIAエクスプレス」および「KLIAトランジット」に、自転車および電動キックボードの持ち込みが条件付きで可能になったと発表した。

ERLによると、折りたたみ式自転車は常時持ち込み可能だが、折りたたみ式以外の自転車と電動キックボードについては、週末と祝日に限り持ち込むことができる。

持ち込むにあたり、ERLは▽常に持ち込んだ車両から離れない▽邪魔にならないように注意する▽他の乗客に配慮するーーことの他、広いゲートやエレベーターを利用すること、他の乗客を優先して乗り降りできるよう配慮し、電車の入り口を塞がないよう心がけるよう呼びかけた。その上で、ホームや電車内で車両に乗る行為や、エスカレーターの使用などを禁じるとした。
(ポールタン、3月13日)

SOMPO福祉財団、障害者支援団体に3.2万リンギを助成

【クアラルンプール】 日本のSOMPO福祉財団は、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国やインド、南アフリカの社会福祉分野で活動する非営利団体を対象とした2022年度海外助成の一環として、マレーシアのセブンティー・ワンに3万2,000リンギを助成した。

2022年度海外助成の対象となったのは全4団体。マレーシア団体への助成は今回で10回目となる。SOMPOホールディングスの傘下にあるマレーシア現地法人ベルジャヤ・ソンポがセブンティー・ワンの障害者への職業訓練と雇用提供への取り組みを評価し、候補として推薦していた。

セブンティーワンでは現在障害者6人を雇用し、職業訓練センターで研修生15人に訓練を提供している。助成金はハラル(イスラムの戒律に則った)認証を取得した食品製造センターの設立に充て、ハラル健康飲料の生産を目指す。

ベルジャヤ・ソンポのタン・セクキー最高経営責任者(CEO)は、障害者に職業訓練と雇用の場を提供する団体を支援できることを光栄に思うとし、セブンティー・ワンは今後社会的責任を有する製品を生産し、共生社会の実現を促進できると確信していると述べた。

セブンティー・ワンのライ・チョンハウル代表は、助成対象に選ばれたことを光栄に思うとし、来年は、B40(下から40%の低所得者)の障害者やシングルマザーにより多くの仕事の機会を提供していくと述べた。
(ザ・サン、3月14日)

ジョホール州の芳香族化合物施設、三井物産など4社と提携

【クアラルンプール】 ジョホール州のペンゲラン総合石油コンプレックス(PIPC)内に建設予定のペンゲラン・エナジー・コンプレックス(PEC)は、4社との間で総額1,020億米ドル(約4,575億リンギ)の原料供給および製品引取契約を締結した。

PECと契約を締結したのは、米国石油大手のシェブロン、ノルウェーのエネルギー大手エクイノール、タイ国営石油会社のPTT、三井物産。4社との提携により、PECの12年間の操業に必要な全ニーズを満たせるとしている。

PECは、シンガポール系のケムワン・グループが45億米ドルを投じ開発中の芳香族化合物製造施設で、二酸化炭素排出量を大幅削減し、エネルギー効率を最適化するよう設計されている。2026年後半に操業開始の見込みで、年間50億米ドルの輸出を目指す。

PECのアルウィン・ボーデン最高経営責任者(CEO)は、PECではパラキシレン(ポリエステル繊維やペットボトル用樹脂などに加工される化合物)生産量1トンあたりの温室効果ガス排出量が世界最少となると見込まれていると言明。志を同じくする先進企業との間で契約を締結できたことを嬉しく思うとし、今回の提携を元に今後プロジェクトの新たな展開や進捗が見込めると述べた。
(ザ・サン、ザ・スター、3月14日、エッジ、3月13日)

ノジマがIT機器販売のTMTを買収、完全子会社に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 家電量販店を展開するノジマ(本社・神奈川県横浜市)は14日、海外子会社ノジマAPACが2月21日付けで、マレーシア企業のエンドレス・モメンタムからIT機器販売のサンダー・マッチ・テクノロジー(TMT)の100%株式を譲り受ける株式譲渡契約を締結したと発表した。

ノジマによると、TMTは1997年の設立以来、マレーシアでパソコン、携帯電話などのIT製品の販売を行っており、49店舗をマレーシア国内で運営している。買収を決めた理由について、更なる成長が期待できる企業だと見込んでいると説明している。

ノジマは2019年、シンガポールの家電・家具販売店であるコーツ・アジア(現在ノジマAPAC)を買収。その子会社であるコーツ(マレーシア) を通じ、マレーシア市場で事業を行ってきた。今回のTMTの株式取得により、マレーシア国内の出店地域の網羅性とあわせ、物流・配送関連業務の統合、TMTの強みである情報通信商品の拡充により、顧客に喜ばれるための運営基盤づくりを目指す方針だ。

ミシェル・ヨーさん、アジア系女性初のアカデミー賞主演女優賞

【クアラルンプール】 ペラ州イポー出身の女優ミシェル・ヨーさんが映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」で第95回アカデミー賞の主演女優賞を受賞した。マレーシア人として、またアジア系女性として初の受賞となり、マレーシア国内でも「歴史的な快挙」として大きく報じられた。

母親のジャネット・ヨーさんをはじめとする親戚や友人、ナンシー・シュクリ女性家族相などがクアラルンプールで開催されたアカデミー賞のライブビューイングイベントに参加し、受賞の瞬間を見守り、喜びを分かち合った。

アンワル・イブラヒム首相もフェイスブックで、「政府はアカデミー賞の主演女優賞を受賞したミシェル・ヨーさんに対して、国民とともに心からの祝福を表明する。この快挙は、国際社会におけるマレーシアの名を高め、また彼女の数十年にわたる女優としてのキャリアの集大成でもあり、その功績を誇りに思う」と記した。ソーシャルメディアや、多方面から祝福のコメントや声が相次いだ。
(ザ・サン、ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月14日、マレー・メイル、3月13日)

KTMコミューターのカジャン2駅、13日に開業

【プトラジャヤ】 鉄道資産公社(RAC)は、マレー鉄道(KTM)が運営するKTMコミューター線の「カジャン2」駅を13日に開業すると発表した。

「カジャン2」駅は、カジャン駅とUKM駅の中間に位置し、面積は8万7,120平方フィートで、400人の乗客を収容できる。500台の駐車スペース(終日利用料金は5.5リンギ)、エスカレーター4基、障害者用設備、監視カメラ、キオスク8カ所、エレベーター付き歩道橋が設置される。朝夕ピーク時には30分間隔、それ以外のオフピーク時には60分間隔での運行となる。平日のカジャン2駅発KLセントラル行きの始発は午前6時15分、KLセントラル駅発カジャン2駅行きの終電は午後10時45分。週末および祝日は、始発は午前7時11分、終電は午後10時43分。

RACによると、近隣のカジャン駅およびバンギ駅の乗客数はそれぞれ1日あたり1,328人で年間48万4,688人。昨年は新型コロナの影響で乗客数が減少し、1日あたり624人、年間22万7,611人だった。
(ザ・サン、ベルナマ通信、3月10日、ポールタン、3月9、10日)

セルコムDigiがシステムを統合、双方店舗での手続きが可能に

【クアラルンプール】 昨年11月に合併した通信のセルコムDigiは、システム統合により双方のサービス利用者がセルコムの「ブルーキューブ」およびDigiの「Digiストア」どちらででも、手続きやサービスを受けることができるようになったと明らかにした。

「ブルーキューブ」と「Digiストア」の店舗数は計534店舗あり、SIMカードの交換や請求書の支払い、プリペイドのリロード、プラン変更などの11のサービスおよび手続きが可能となった。しかしアプリのシステムはまだ統合されていないため、「セルコムライフ」もしくは「マイDigi」を利用し続ける必要があるという。
セルコムDigiは今月初旬、5Gの無料トライアルを4月30日まで延長すると発表していた。Digi利用者は、トライアル期間終了後も月額10リンギで5Gを利用できる。またセルコム利用者もオプションで5Gを利用できるという。
(ザ・スター電子版、3月10日)

西日本鉄道、マレーシア現地法人が本社を移転

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 福岡県を基盤に鉄道、路線バスなどの運営を行う西日本鉄道(本社・福岡県福岡市)は10日、マレーシア現地法人の物流企業NNRグローバル・ロジスティックス(M) がセランゴール州ペタリンジャヤのアラ・ダマンサラにあるオアシス・スクエアに本社を移転し、2月20日より新事務所での業務を開始したと発表した。

NNRグローバル・ロジスティックス(M)は1994年に設立。航空貨物・海上貨物を扱っており、国内には本社の他、クアラルンプール国際空港(KLIA)やジョホールバル、マラッカ、ペナンにも拠点を構えている。NNRグローバルはこれからもマレーシアでさらなる高品質、高付加価値なサービスを提供していく方針だ。

サバ州のスーパーマーケット「CKS」が半島部に本格参入

【クアラルンプール】  サバ州を本拠に「CKS」ブランドのスーパーマーケット・チェーンを展開するチュア・カー・セン・スーパーマーケット(CKS)は、マレーシア半島部の市場に本格的に参入する計画だ。CKSは先ごろ、フレッシュ・ハブ・トレーディング(FHT)との間でジョホール州内の26店舗の買収契約を締結したばかり。これら26店舗に関してはFHTのブランド名を残すという。

CKSのアイバン・チュア ゼネラルマネジャー(GM)は、サバ州企業が半島部に進出することは珍しく、CKSの半島部進出は大きな飛躍だとした上で、競争は激しいもののジョホール州はサバ州に比べて人口密度が高いとコメント。今年はサバ州とジョホール州の事業に注力していくが、将来的には半島部の他の地域に拡大していきたい考えだとし、すでにいくつかの小売グループと買収に向けて話し合いを行っていることを明らかにした。ただ詳細が決まるのは今年第3四半期になる見通しだという。

CKSはサバ州でスーパーマーケット13店舗、食料品店11店舗の合計24店舗を展開しており、今年はサバ州内で新たに6店舗を開設する計画だ。チュアGMが就任してから、従業員の福利厚生を重視した経営スタイルに転換しており、人材開発に100万リンギを投じた。2020年から2022年にかけてグループの純利益は3倍に拡大した。
(ザ・サン、3月13日)

ムヒディン元首相を追起訴、500万リンギの資金洗浄で

【シャアラム=マレーシアBIZナビ】 野党連合・国民同盟(PN)を率いるムヒディン・ヤシン元首相(75、統一プリブミ党=PPBM党首)が13日、500万リンギの資金洗浄に関与した罪でマレーシア汚職摘発委員会(MACC)よりシャアラム初級裁判所に追起訴された。

ムヒディン氏は10日、政権時代に行われたプロジェクトに関わる4件の職権乱用と2件の反資金洗浄法違反でクアラルンプール(KL)初級裁判所に起訴されており、同氏に対する起訴案件はこれで7件目となる。シャアラム裁判所に出頭したムヒディン氏は、他の6件と同様に無罪を主張した。

7件目の罪状は、2022年1月7日にブカリー・エクイティからセランゴール州ペタリンジャヤにあるPPBMの銀行口座を通じて500万リンギを受け取ったというもので、反資金洗浄法違反に問われている。有罪になれば15年の以下の禁固刑、もしくは受け取った金額の5倍の罰金が科される。

検察側は場所をKL裁判所に移して先の6件と共にまとめて審理を行うよう求めており、シャアラム裁判所もこれに同意する意向だ。

ムヒディン政権は2020年11月、新型コロナ流行によりダメージを受けたブミプトラ(マレー人と先住民の総称)請負業者支援のためのプログラム「Jana Wibawa」を実施したが、その際に随意契約で5,000万ー5億リンギのプロジェクトを請け負った業者からPPBMに金が渡ったとしてMACCが捜査を進めていた。