物流パフォーマンスランキング、マレーシアは26位にアップ

【クアラルンプール =マレーシアBIZナビ】 世界銀行が発表した「2023年物流パフォーマンス指標(LPI)リポート」によると、マレーシアのスコアは3.6で、138カ国・地域中26位となり、2016年の32位、2018年の41位から大幅にランクアップした。

LPIは、税関、インフラ整備、国際配送、物流能力・公平性、タイムライン、追跡と6つの項目を評価し、ランク付けしたもの。

項目別で、マレーシアは国際配送で8位となり、トップ10入りしたが、物流能力・公平性で28位、追跡29位、インフラ整備で30位、タイムラインで30位、税関で31位となった。

総合ランキングトップはシンガポール。2位がフィンランドで、3位がデンマーク、ドイツ、オランダ、スイスが並んだ。日本は13位に入った。
東南アジアからは、タイが34位、フィリピンとベトナムが43位、インドネシアが61位、カンボジアが115位にランク付けされた。

インドネシア産即席麺に発がん性物質、マレーシア製即席麺も回収

【クアラルンプール】 保健省(MoH)は26日、インドネシア製のインスタント麺「ミー・セダープ」から発がん性物質のエチレンオキシドが検出されたため、製品回収を行うと発表した。

エチレンオキシドは機器の滅菌などに使用されているが、リンパ腫や白血病との関連が指摘されているため、食品との接触面には利用できないことになっている。「ミー・セダープ」は昨年、シンガポール食品庁(SFA)からも一部フレーバーにエチレンオキシドが含まれているとして回収を命じられたが、当時回収対象となったフレーバーはマレーシアへは輸出されていなかった。

ムハンマド・ラジ事務次官は、昨年からこれまで36サンプルの検査を行ったところ11サンプルからエチレンオキシドが検出されたため、製品を回収し、販売元への起訴や罰則金請求が行われると説明。該当商品を摂取しないよう呼びかけた。

ムハンマド事務次官はまた、台湾の台北市政府衛生局が24日、マレーシア製「アーライ・ホワイト・カレー・ヌードル」およびインドネシア製「インドミー・スペシャル・チキン・フレーバー」からエチレンオキシドを検出したと発表したことを受け、賞味期限が8月25日付けとなっている「アーライ・ホワイト・カレー・ヌードル」の回収を指示したと発表。ペナン州の保健局も26日から調査を開始した。
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月27日、マレー・メイル、ザ・バイブス、フリー・マレーシア・トゥデー、4月26日)

日本の化粧品、高品質に評価も広報戦略が不足=ジェトロ調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所が実施した化粧品バイヤーへのインタビューによると、総じて日本の美容・パーソナルケア製品の品質の高さや安全性が評価された一方、「パッケージや広報戦略の工夫が足りない」と指摘されている。

高価格商品であっても他の製品との差別化、効果に関する丁寧な説明が重要であるという意見は、インタビューを実施した全バイヤーに共通した。また、若年層はSNS上で話題になっているブランドを購入する傾向が特に強いが、日本企業はSNSやインフルエンサーを活用した広報への取り組みが不足しており、他国製品にシェアを奪われているとの声もあった。マレーシアの消費者、特にZ世代(10ー20代)にどのような消費傾向があるかを捉え、効果的な販売促進ツールを用意することが求められるとしている。

マレーシアの化粧品市場は、コロナ禍においても成長を続け、特にスキンケア製品(2021年は対2016年比で40.8%増)とバス・シャワー製品(同約1.5倍)が大きく拡大。カラーコスメ製品はコロナ禍による外出機会の減少とマスクの使用が日常化したことで需要の減少に苦しんだものの、ウィズコロナによる活動の正常化に伴い回復がみられ、美容意識の高まりによる美容・パーソナルケア製品に対する需要は今後も拡大していくと見込まれている。

三井物産、サイバーセキュリティのLGMSの25%株式を取得

【クアラルンプール】 三井物産(本社・東京都千代田区)は26日付けで、サイバーセキュリティ企業LGMSの1億488万株を取得。既存株と合わせ、25%株式(1億1,400万株)を保有することとなった。

ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)ACE市場上場企業であるLGMSの筆頭株主は、同社のフォン・チョンフック会長夫妻(出資比率は2人で69.96%)で、三井物産は第2位株主となる。

LGMSは昨年6月に上場。新規株式公開(IPO)で調達した資金で事業拡大を図っている。サイバーセキュリティサービス契約の獲得増から2022年度の売上高は前年比16%増の3,279万リンギ、純利益も同12%増の1,155万リンギに達した。今後もマレーシアおよび近隣諸国でのサイバーセキュリティ需要増加に伴い、成長が期待できるという。
(エッジ、4月26日)

ペナン南部の人工島計画が正式承認、第3四半期にも着工

【ジョージタウン=マレーシアBIZナビ】 ペナン州政府が推進しているペナン島南部の大規模人工島建設計画、「ペナン・サウス・アイランズ(PSI)」プロジェクトが11日、天然資源環境気候変動省より環境影響評価 (EIA)に関する承認を得たことが分かった。同プロジェクトは環境保護団体や漁業関係者が環境への影響を理由に反対運動を進めていたが、これで連邦政府からの正式なゴーサインが出たことになる。

記者会見を行ったチョウ・コンヨウ州首相は、環境局からの承認文書には社会的影響管理計画(SIMP)とPSI エコロジー・オフセット・マスタープラン(PEOM)の策定を含む71の条件が含まれており、これらの条件を満たす必要があると強調した。

チョウ州首相はまた、州政府はプロジェクト推進パートナーを通じて州環境局の環境管理計画(EMP)の承認を申請している段階で、第3四半期にも承認が得られる見通しだとし、埋め立て工事の開始は承認後になると明らかにした。

PSIはバヤン レパス近くのペルマタン・ダマル・ラウト沖に総面積1,821ヘクタールのA、B、Cの3つの人工島の造成を中心とした開発計画で、総開発コストは100億リンギ。分譲で得られた資金を総額460億リンギの「ペナン交通マスタープラン」に充当することになっている。最初に造成するA島は面積930ヘクタールで、「ペナン・グリーン・テックパーク」となる予定。完成までに9年かかると見込まれている。B島は566ヘクタール、C島は324ヘクタールとなっている。

PSIのEIAリポートは2019年6月に一旦承認されたが、技術的問題から環境局の上訴委員会で却下され、昨年4月29日に新たなリポートが提出されていた。

各地で33度超の異常高温、気象局が5月上旬まで続くと予想

【ペタリンジャヤ】 マレーシアでは一部地域で36度を超えるなど異常な高温が続いているが、マレーシア気象局は、5月上旬まで全国的に最高気温が33ー35度程度の暑い日が続くと予想している。

気象局が発表した4月25日から5月1日の予想最高気温は、ペルリス州が35度、クアラルンプール、ペラ州、クアンタン州、パハン州が34度、セランゴール州、マラッカ州、ネグリ・センビラン州、ジョホール州、トレンガヌ州、ペナン州、ケダ州、サバ州、サラワク州が33度。最低気温はサバ州では22度まで下がり、クアラルンプール、セランゴール州、ペルリス州、ネグリ・センビラン州、ジョホール州、マラッカ州で24度、その他の地域では23度となると予想されている。

マレーシア科学アカデミーのフレドリン・タンガン教授によると、今回の高温、乾燥気候は、熱帯赤道域上空で対流活動が活発な領域(大気循環場)が約1ー2か月かけて東に進んでいく現象「マッデン・ジュリアン振動(MJO)」による対流活動が原因である可能性が高いとし、このような気候は1ー2週間続くと予想。また対流活動により降雨量が増加するとし、特にマレー半島西部と首都圏クランバレーでは午後や夕方に雷雨に見舞われると予想した。

マラヤ大学の地理学科のシェーバ・チェノリ博士も同様の意見で、高温気候はマレーシアだけではなく、ラオスやタイ、ミャンマーでも起きていると指摘。同じくマラヤ大学の気象学者であるアジザン・アブ・サマ教授は、特にマレー半島北部地域で高温が続くと予想した。
(ザ・スター、4月26日)

昨年のオンライン詐欺は2.5万件、被害総額は約8.5億リンギ

【プトラジャヤ】 昨年のオンライン詐欺件数は2.5万件以上に上り、被害総額は約8.5億リンギに達した。

国家金融犯罪対策センター(NFCC)のムスタファ・アリ長官は、銀行口座の売買がオンライン犯罪の温床になっており、詐欺組織が口座を元の所有者から1口座あたり500リンギで買い取り、不正送金に利用していると指摘。短期間で口座から入金を引き出すため、追跡が難しいとした。フェイスブックやインスタグラム、ティックトックでのなりすまし、ワッツアップやテレグラムなどでの接触が行われるなど、SNSを悪用した詐欺も増えており、電話詐欺や偽サイト・偽アプリからの個人情報取得など、被害者の背景に関連した様々な手口での詐欺が横行しているという。

ムスタファ長官は、連邦政府は国際機関との協力強化や被害金の返還に向けた法律整備など、具体的な対策を講じており、2023年度予算案でも全国詐欺対策センター(NSRC)の運用助成金として1,000万リンギが割り当てられたと言明。オンライン詐欺撲滅のためには被害者を含む全当事者が共に対処しなくてはならないとし、被害を未然に防ぐため、教育機関で啓発キャンペーンを実施する必要があると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月24日、ベルナマ通信、4月23日)

KSLエスプラネードモール、5月31日にソフトオープン

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 不動産開発のKSLホールディングスの完全子会社、KSLシティ・マネジメントがセランゴール州クランで開発するショッピングモール「KSLエスプラネード・モール」が5月31日にソフトオープンする。

KSLが手がけるタウンシップ開発「KSLバンダル・ベスタリ」内にオープンするもので、ショッピングモールの面積は65万平方フィート。4階建てで、公園や、1万平方フィートのイベント・スペース、屋外ダイニング・テラス、子どもの遊び場も併設される。テナントにはファミリーマート、スター・グロサー、アルイクサン・スポーツ、スケッチャーズ、ミスターDIY、TGVシネマズ、スターバックス、ザ・コーヒー・ビーン・アンド・ティー・リーフ、ザ・チキン・ライス・ショップなどが入居しており、入居率は75%を達成している。

KSLホールディングスは、ジョホール州ジョホールバルに本社を置き、不動産開発・管理・投資を中核事業としており、ジョホールバルで「KSLシティ・モール」と「KSLホテル・アンド・リゾート」を所有・運営している。

日本の日用品、目新しく機能的なものが人気=ジェトロ調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所が、日用品販売店5社(うち日系は4社)を対象に実施した日用品市場調査によると、目新しくまた機能的な日本製品が人気という結果となった。

スーパーマーケット内で日用品を販売している日系デパートA社は厳選した商品約1,000品を販売し、インターナショナルブランドなど、認知度が高いブランドが人気だと回答。日系ドラッグストアと新たな商品展開をテストしており、柿渋やハトムギを使用したボディーソープや、マレーシアでは目新しいカプセルタイプの洗濯洗剤などを展開する方針で、認知度と目新しさが重要だとした。

中間層をターゲットにした日系デパートB社は、ライススタイルのトレンドに合わせ約5,000品を販売。カプセルタイプの洗濯洗剤が好調で、おむつは品質の良さから日本の大手消費財メーカーの製品が売れ筋で、コロナ後には男性用グルーミングセットとペットフード、特にキャットフードの需要が増加しており、新たなライフスタイル提案が重要だとした。

アッパー層をターゲットとしている日系専門店C社は売れ筋のみに集中し、約1,000品あった商品数を現在は200品に、今後は50品程度に絞り込む予定だ。機能性がありマレーシアで未販売のユニークな商品が人気だとした一方で、従業員教育をしっかりしないと説明できずに売れないため、調理器具などの食文化に関連する製品で、わかりやすく機能が訴求できるものは需要があるとした。

家具およびインテリア用品の日系D社は7,000品を扱う。寝具、ダイニング・キッチン用品が売れ筋で、マレーシアで売られていない商品が人気。商品はほぼ100%自社商品で、色・デザインなども日本で販売している商品のまま展開しているが、今後は現地に合わせた商品サイズ(ベッドシーツなど)の展開を検討しているとした。

低価格ショップの現地系E社は、豊富な商品量、イベントごとの商品展開、コストパフォーマンスで勝負しており、食料品を含め1万品を扱う。新商品の開拓は、主に中国の世界最大級の卸オンラインサイトを活用し、トレンドをSNSで調査している。美容用品やデザインが可愛い文房具、食品(ハラル認証必須)などの日本ブランドに興味があるものの、20リンギ以下で販売できないと厳しいと述べた。

出光興産、マレーシア子会社が「ISCC PLUS認証」を取得

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 出光興産(本社・東京都千代田区)は25日、子会社である出光SMマレーシア (所在地・ジョホール州パシルグダン、ISM) およびペトロケミカルズ・マレーシア(所在地・ジョホール州パシルグダン)が、スチレンモノマー (SM) およびポリスチレン(PS)の製造において、持続可能な製品の国際的な認証制度の一つである「ISCC PLUS認証」を取得したと発表した。

「SCC PLUS認証」は、バイオマスなどの持続可能な原材料を用いた製品のサプライチェーンを管理・担保する国際的な制度であり、マスバランス方式の採用が認められている。バイオマス製品の原料となるバイオマスナフサは、植物等の再生可能な原材料を由来とする原料から製造されることから、石油由来のナフサと比べてCO2排出量を削減することが可能だ。

出光はバイオマスナフサ由来の原料をISMへ供給し、ISMがISCC PLUS認証に基づいたマスバランス方式にてバイオマスSMを製造する。隣接するペトロケミカルズ・マレーシアは、ISMから供給されたバイオマスSMを原料としてバイオマスPSを製造する。これにより、日本からマレーシアにおけるスチレン系バイオマスプラスチックのサプライチェーンが完成するという。さらに、東南アジアにおける安定的なスチレン系バイオマス製品の供給に向け、同社子会社で石油・関連製品のトレーディングを行う出光インターナショナル(アジア)(所在地・シンガポール)および出光ケミカルズ東南アジア(所在地・シンガポール)のマーケティング力を活用し、多様なバイオマス原料の安定調達とバイオマス製品の製造・販売を行う。

出光は、発展著しい東南アジアにおいても、グループ各社が協力してバイオマスプラスチックのサプライチェーンを構築し、カーボンニュートラルと循環型社会の実現に向けて取り組む方針だ