【プトラジャヤ=マレーシアBIZナビ】 政府系ファンド、ワン・マレーシア・デベロプメント(1MDB)に絡む複数の汚職で有罪判決が確定したナジブ・ラザク元首相(70)が出していた再審請求について、連邦裁判所は3月31日、同請求を棄却する判断を下した。この決定により国王の恩赦以外にナジブ氏が釈放される可能性はなくなった。

ナジブ氏の弁護団は、新たな証拠の提出申請を却下した連邦裁の決定、昨年8月23日に有罪判決を下した連邦裁のテンク・マイアム・トゥアン・マット首席判事の忌避申請の却下、主任弁護士交代に伴う審理延期申請の却下など、ナジブ氏に対して不公平な裁判が行われたとして再審請求を行っていた。

再審申請に基づき連邦裁は今年1月19日から2月28日にかけ延べ6日間にわたってナジブ氏の弁護団と検察の双方から聴聞を行っていたが、これを担当した連邦裁のラーマン・セブリ首席判事は、これまでの裁判過程でナジブ氏側が主張するような偏見や自然正義に対する違反はなかったと判断すると述べ、再審請求を棄却した。
同裁判は、1MDB子会社だったSRCインターナショナルからナジブ被告のAMイスラミック・バンクの個人口座に4,200万リンギが振り込まれた件で、ナジブ被告は背任(CBT)罪3件、マネーロンダリング3件、職権乱用1件の合計7件の罪状に問われた。一審、二審、三審共にナジブ氏は有罪となり、禁固12年、罰金2億1,000万リンギの刑で2022年8月24日に収監されていた。

ナジブ氏側は国王に対して恩赦請求を行っているほか、1月5日には国連人権理事会の恣意的拘留に関する作業部会(UNWGAD)に請願書を提出している。