中国がアジア通貨基金構想に関心、米ドル依存を軽減=アンワル首相

【ペタリンジャヤ】 中国の習近平国家出席がアジア通貨基金(AMF)構想に関心を示した。アンワル・イブラヒム首相兼財務相が4日の国会で明らかにした。

アンワル氏は海南省で3月28日から開催されたボアオ・アジア・フォーラムで、米ドルや国際通貨基金(IMF)への依存を減らす必要があるとし、AMFの設置を提案した。

アンワル氏は31日には習主席と会談したが、会談早々、習氏から「アンワル氏が提案のアジア通貨基金に触れたい。協議を歓迎する」との発言があったという。

アンワル氏は、マレーシアが引き続き米ドルに頼る理由はないと、米ドル依存脱却の必要性を強調した。既に貿易決済に関し、両国の通貨(リンギと人民元)を使用できるよう、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)が中国側と交渉を持っているという。

AMF構想の背景には米ドル覇権への世界的な不満がある。アンワル氏によれば、1990年代、初めて財務相を務めた際、AMFを提案したが、米ドルが強い時代のため関心を集めなかった。

しかし中国、日本などの経済が強くなった今、基金設立と自国通貨の相互利用を考慮すべきだという。1997年に始まったアジア通貨危機の際、日本もAMF構想を提案していた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、4月4日)

アンパン駅やゴンバク駅の駐車場にナンバープレート認識を導入

【クアラルンプール】 首都圏で軽便鉄道(LRT)を運営するラピッドKLは、4月1日よりLRTアンパン駅とゴンバク駅の駐車場で自動ナンバープレート認識(ANPR)システムを導入したと発表した。

ANPRシステムにより駐車券が不要となり、支払いも専用アプリ「ペイ・アンド・ゴー」で可能となる。支払方法として、タッチ・アンド・ゴー、グラブ・ペイ、ブーストなどのEウォレットや、電子商取引促進プラットフォーム「金融プロセス・エクスチェンジ(FPX)」による銀行口座引き落とし、クレジットカード、デビットカード、ペイ・アンド・ゴー・クレジットが利用可能だ。

国内で利用されているANPRシステムには、セランゴール州のショッピングモール「サンウェイ・ピラミッド」で導入されているサンウェイ・スマートパーキングやクアラルンプール中心部のショッピングモール「ファーレンハイト88」などで導入されているキプル・シティ(旧称・キプル・パーク)などがある。
ラピッドKLによると、ゴンバク駅は1,260台分、アンパン駅は1,140台分の駐車スペースを有している。
(ポールタン、4月4日)

ジョホール州政府、シンガポール間で新フェリー航路開設を提案

【クアラルンプール】 ジョホール州政府は、3本目となる同州とシンガポールを結ぶフェリー航路の開設を提案している。

オン・ハフィズ・ガジ州首相によると、新たに提案したのはジョホール州西部のプテリ港とシンガポール南西部のトゥアスを結ぶルートで、ジョホールとシンガポール間の交通渋滞の解決策として、人々の移動を楽にするために提案した。まずマレーシア運輸省から承認を受けてから、シンガポールの運輸省と協議を行う予定だ。

ジョホール州とシンガポール間では現在、タナ・メラーデサル間、タナ・メラータンジョン・ベルンコール間でフェリーが運航している。

ジョホール州政府はコーズウェイ(連絡道)の混雑を緩和するために、出入国審査を1度に簡略化する「シングル・クリアランス」の導入や、シンガポール人への自動ゲート利用拡大、二輪車用レーンの増設など様々な取り組みを行っている。
一方でオン首相によると、ジョホール州は電気自動車の普及支援のため政策を策定する方針で、地方自治体と協議を行う計画だ。
(マレー・メイル、4月4日)

MM2H申請件数が減少、関係者や参加者が条件緩和を要求

【ジョージタウン】 外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムの申請条件が2021年に厳格化されたことで、申請者が急激に減少しているとして、政府に対して条件を緩和するよう求める声が上がっている。

条件厳格化により、これまで月1万リンギだった海外所得が4倍の4万リンギに、これまで35万—50万リンギだった銀行への預金額が100万リンギに、流動資産額も150万リンギに大幅にそれぞれ引き上げられた。

不動産コンサルタントのゼオン・プロパティーズによると、顧客のほとんどが条件を満たすことができず、申請の保留件数は50件に上っている。また2012年からMM2Hで滞在していた顧客は、昨年ビザの期限が切れたが延長できなかったという。

ある63歳の日本人長期滞在者は、新条件は厳しく既存のMM2Hビザ保有者に負担を強いるものだとした上で、新規申請者に適用したとしても、すでに滞在している人を対象にするべきではないと思うとコメントまた6年前からペナンに滞在するドイツ人男性や豪州人夫婦などからも、安定した収入や貯蓄がないため、引っ越さなくてはならないとの声が上がっている。
(ザ・スター、4月5日)

アジア開銀、今年のマレーシア経済成長を4.7%と予想

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アジア開発銀行(ADB)は、マレーシアの国内総生産(GDP)成長について今年はプラス4.7%の緩やかな成長に戻るものの、2024年にはプラス4.9%に加速するとの見通しを明らかにした。

4日に発表された「アジア経済見通し2023年版」の中でADBは、今年のマレーシアの経済成長は世界経済の減速や、持続的なインフレ、米国連邦準備制度理事会による継続的な利上げなどの外部要因が押し下げリスクとなるものの、中国の国境再開による観光業の回復、政府の政策支援継続によるインフレの抑制、電子産業の成長が上向き効果をもたらすと予想。その上でインフレ率については、補助金や価格統制、世界的な一次産品価格の動向に左右されるとし、2023年は3.1%に低下、来年はさらに2.8%に低下するとの見解を示した。

また2022年のGDP成長率が8.7%と予想を上回る成長となったことについて、国境再開により経済活動が正常化し、力強い国内消費とサービス業の回復に支えられたと指摘。インフレ率は政府による補助金や価格統制により抑制され、世界的に金利が上昇する中で緩和的な金融政策スタンスが取られたとした。
(エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、4月4日)