【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アジア開発銀行(ADB)は、マレーシアの国内総生産(GDP)成長について今年はプラス4.7%の緩やかな成長に戻るものの、2024年にはプラス4.9%に加速するとの見通しを明らかにした。

4日に発表された「アジア経済見通し2023年版」の中でADBは、今年のマレーシアの経済成長は世界経済の減速や、持続的なインフレ、米国連邦準備制度理事会による継続的な利上げなどの外部要因が押し下げリスクとなるものの、中国の国境再開による観光業の回復、政府の政策支援継続によるインフレの抑制、電子産業の成長が上向き効果をもたらすと予想。その上でインフレ率については、補助金や価格統制、世界的な一次産品価格の動向に左右されるとし、2023年は3.1%に低下、来年はさらに2.8%に低下するとの見解を示した。

また2022年のGDP成長率が8.7%と予想を上回る成長となったことについて、国境再開により経済活動が正常化し、力強い国内消費とサービス業の回復に支えられたと指摘。インフレ率は政府による補助金や価格統制により抑制され、世界的に金利が上昇する中で緩和的な金融政策スタンスが取られたとした。
(エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、4月4日)