【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は米国と中国の対立が強まっている中、東南アジア諸国連合(ASEAN)は独立、中立を維持すべきとの認識を表明した。

中国公式訪問中、中国公共テレビ局の中央電視台との会見で述べたもので、会見の模様は7日夜に放映された。

ASEANは1967年に設立された東南アジア諸国が加盟する地域共同体で、地域の平和と安定、経済成長の促進が目的。

アンワル氏は「地域の平和と安定という目的は変わらない。われわれはすべての国と友好関係にある。地域が軍拡競争の基地となることを望まない」と述べた。
アンワル氏は米英豪の3カ国が21年に立ち上げたインド太平洋地域での安全保障協力の枠組み、オーカスに触れ、「地域の状況を悪化させるもの」と批判した。米英は豪州の原子力潜水艦配備を支援し、中国の軍事活動が活発になっている南シナ海などでの抑止力を高める。

アンワル氏は「オーカスが軍事的緊張になることを望まない」と強調。中国、米国は緊張緩和のため平和的解決法を模索すべきとした。内政については、汚職根絶に注力していると述べた。
(ザ・スター、4月9日)