テスラのマレーシア進出に高速充電器50基設置を義務づけ

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は、電気自動車(EV)メーカーの米テスラのマレーシア進出条件には、2026年までに高速DC充電器「スーパーチャージャー」50基を設置することが含まれると明らかにした。

ザフルル大臣によると、50基のうち30%(15基)以上を他EVにも利用可能にし、マレーシア国内に本社機能やサービスセンターを設置することも求められる。「スーパーチャージャー」は、15分の充電で270キロメートルの航続を可能とする高速DC充電器。最大出力は250キロワット(kW)。全世界で4万5,000基以上が設置されており、東南アジアではシンガポールに9カ所とタイのバンコク周辺に3カ所設置されている。充電施設1カ所あたり3基程度の充電器が設置されるため、テスラがマレーシア国内に50基を設置するためには、充電施設を17カ所設ける必要があると見込まれる。19日時点で国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)のクリーンエネルギー子会社であるジェンタリが充電施設26カ所にDC充電器を設置している。

投資貿易産業省(MITI)は今年3月1日、米テスラに対し、バッテリー電気自動車(BEV)のマレーシアへの輸出および、マレーシアでの本社機能や充電設備網、サービスセンターの設置を承認したと明らかにした。
(ボルネオポスト、4月20日、ソヤチンチャウ、4月19日)

イオン(M)、コタバルで土地を1億6500万リンギで取得へ

【クアラルンプール】 イオン・カンパニー(M)は、クランタン州コタバルにある8.691ヘクタールの土地を1億6,500万リンギで取得する。

イオンがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、リジズ・スタンダコ社との間で売買契約(SPA)を締結した。資金は内部資金で賄う。

イオンは土地を新たに取得する理由について、小売り事業における将来の事業展開を見据えたものであり、同社グループの企業戦略に沿ったものであると説明。土地の取得にはクランタン州政府や首相府経済企画局(EPU)の承認が必要だとした。買収手続きは5カ月以内に完了する見込みだという。
(エッジ、4月20日、イオン発表資料)

富士フイルムビジネスイノベーション、中小企業のDX化を支援

【クアラルンプール】 富士フイルムビジネスイノベーション(本社・東京都港区)はマレーシア中小企業(SME)の成長をサポートすることを目指している。

マレーシア事業を管轄する富士フイルムビジネスイノベーション・アジア・パシフィックのマーク・タン社長は、マレーシアの全企業のうちSMEが97.2%を占め、730万人に雇用を提供しているため、SMEがデジタル・トランスフォーメーション(DX)と先端技術を業務に取り入れることは重要だとし、同社製品・ソリューションには、SMEのワークスタイルやビジネス成長をサポートする機能が備わっていると述べた。同社製品は、環境に及ぼす影響の最小化や生物多様性を考慮した「グリーンバリュー製品」認証に準拠しているという。

富士フイルムビジネスイノベーションの旧社名は富士ゼロックス。主に日本およびアジア太平洋地域で複合機・プリンターなどのオフィス機器の研究開発や製造販売事業に携わっている。ソリューションや業務委託(BPO)などによる課題解決型のドキュメントサービスも提供し、企業のDX推進をサポートしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月24日)

イスラム党支配の3州が6月にも解散へ、7月に6州同時選挙か

【クアラルンプール】 イスラム原理主義政党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)のモハマド・アマル・ニック・アブドラ党首補(クランタン州副首相)は23日、PASが政権を掌握している▽クランタン▽トレンガヌ▽ケダーーの3州について6月末に州議会を解散する考えを示した。

アマル・ニック・アブドラ氏は、希望同盟(PH)が政権を握る▽セランゴール▽ペナン▽ネグリ・センビランーーの3州も6月に州議会を解散することで同意していると報告を受けていると述べ、これにより7月に6州で同時選挙が行われる可能性が高くなったと述べた。

同氏は「クランタン州に関しては6月下旬の解散を既に決定している。他の5州も段階的に解散すると聞いていたが6月に解散することになるだろう」と述べた。

セランゴール州のアミルディン・シャリ州首相は今年2月、今年半ばで任期が切れる6州が6月末の解散を検討する方向で合意に達したことを明らかにしていた。連邦憲法によると、選挙は議会解散から60日以内に行わなければならないことになっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、4月24日、フリー・マレーシア・トゥデー、4月23日)

Z世代にユニクロが人気、インスタグラムで情報収集=ジェトロ調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、マレー系・中華系マレーシア人のZ世代(10ー20代)を対象に、日常の購買活動について、アンケートを実施した。

好きなブランドは、「ユニクロ」(中華系24%、マレー系5%)がトップ。国産ブランドの「パディーニ」(12%、10%)、スウェーデンの「H&M」(4%、15%)も人気で、日本のブランドからは「ファミリーマート」や「無印良品」の名前も挙がった。ブランドが好きな理由は、「品質の良さ」が80%、「価格」が66%となった。

購買方法は、60%が「オフライン(店舗)」、40%が「オンライン」と回答。購入を決定する際の一番の決定要因は、「価格と品質のバランス」(中華系92%、マレー系80%)が最多で、「割引やセールが行われていること」(中華系28%、マレー系35%)が続いた。

よく使用するSNSは、インスタグラムがトップ(中華系の76%、マレー系の65%)で、ユーチューブ(中華系64%、マレー系55%)、ティックトック(52%、65%)が続いた。「買い物習慣にテクノロジーやSNSは良い影響を与える」と回答した人は中華系で68%、マレー系で75%、「購買決定プロセスにオンラインプラットフォームやアプリを使用する」とした人は中華系で88%、マレー系で85%だった。

ジェトロは、購買決定プロセスにおいてなんらかのオンライン情報やSNSを使用する人が8割に上るなど、オンラインがより身近なZ世代の購買行動が明らかになる結果となった一方で、同じZ世代と言っても民族ごとに使用SNSの傾向が異なり、情報収集ツールも様々で、マレーシア市場を目指す場合は民族ターゲットを明確化することは重要であるとして、マーケティング手法を検討することが重要だとした。

調査は、2023年1月19日ー2月11日にクアラルンプールおよびペナンにキャンパスのある総合大学4校の学生を対象にオンラインで実施し、50人から回答を得た。

マレーシア初のスイスホテル、ゲンティンハイランドに開業へ

【シンガポール】 ホテルチェーンの仏アコーホテルズは19日、不動産開発のクラウンハイ・エステート・マレーシアとの間で、パハン州ゲンティン・ハイランドでの5つ星ホテルのスイスホテル開業に向け、提携契約を締結した。マレーシア初のスイスホテルとなる。

「スイスホテル・ゲンティン ハイランド」は、クラウンハイがユック・トゥン・グループと共同開発する複合開発施設「キングス・パーク」の一角に位置し、30階建てで客室数は300室。会議施設や宴会場、エグゼクティブ・ラウンジ、バー、温水プール、サンデッキ、フィットネスセンター、スパ、ジョギングコース、キッズクラブなども備える。2028年第3四半期の開業を目指す。

「キングス・パーク」は150エーカーの敷地内にショップやレストラン、アトラクション施設を開発し、観光客向けのイベント・ショー、文化芸術体験などの提供を目指している。スイスホテル以外にも複数のホテルを誘致する予定だ。

クラウンハイのシーン・チェン最高執行責任者(COO)は契約締結式で、アコーとの提携により、「キングスパークを環境に配慮した観光地にする」という自社の目標に向かい、大きな一歩を踏み出すことができたと述べた。
(ザ・サン、4月20日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、4月19日)

ハリラヤ期間中に300万台の車両流入を予想=ペナン警察

【ジョージタウン】 ハリラヤ(断食月明け大祭)期間の8日間(4月20ー27日)に300万台以上の車両がペナン州に流入する見込みだ。

ペナン警察署長のモハマド・シュハイリ氏は19日の記者会見で、過去1週間でペナンに流入する自動車数は220万台に達しており、ハリラヤ期間中には300万台超えが予想されると述べた。27日まで交通課の警察官292人が出動するとし、また他機関と連携して空き巣などの犯罪を防止する活動にも取り組むとした。州内の主要道路で事故が多発する場所も特定されており、▽速度違反▽信号無視▽無理な割り込み▽車線をはみ出した追い越し▽一般車両による緊急車線の使用▽運転中の携帯電話使用ーーなど、事故につながる6つの違反も判明しているため、運転者に注意を喚起していくと述べた。

ケダ州でも車両の増加が見込まれている。ワン・ハッサン ケダ警察署長は、ハリラヤ期間中に通過車両も含め200万台近くの車両がケダ州に流入するとし、運転者に対し、交通規制や速度制限を守り運転するよう呼びかけた。交通整理のため交通課から20人を配備し、警察官89人がその支援を行うとし、必要に応じてドローンによる支援も検討するという。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、4月19日)

猛暑やヘイズ対策でマスク着用や屋外活動制限を推奨=保健相

【プトラジャヤ】  ザリハ・ムスタファ保健相は19日、猛暑やヘイズ(煙害)の悪化が継続していることから、国民にマスク着用や帽子、日傘の利用を推奨すると発表した。

ザリハ保健相は声明で、健康に害となるため屋外での激しい運動や屋外活動時間も制限してほしいと国民に呼びかけた。その他には▽屋内にいる場合でも、建物内に汚染物質が入り込むのを防ぐため、窓を閉め切り、敷地内を定期清掃すること▽車の運転中にはエアコンで外気導入ではなく内気循環モードを使用すること▽体温調節に水分が必要なため、喉が渇いていなくても1日にグラス8杯以上の水を飲むこと▽身体を冷やすためにシャワーを頻繁に浴びること▽洋服を選ぶ際には身体を締めつけたり、分厚い生地や暗い色のものを避けることーーを推奨すると述べ、体調不良を感じたら近隣の医療機関ですぐ治療を受けるよう呼びかけた。

またジョホール州では、保健委員会のリン・ティエンスン議長が、特に呼吸器系に問題のある場合には、ヘイズと新型コロナウイルス「Covid-19」感染を予防するため、マスク着用を継続すべきだとし、直近で新型コロナの入院者数が激増しているわけではないが、予防措置を怠らない方が良いとの見解を表明。州保健局は厳戒態勢を敷いており、政府系病院に対し、ヘイズの影響による患者増加に備えるよう指示を出したと明らかにした。
(ザ・スター、4月20日、マレー・メイル、ベルナマ通信、4月19日)

「国が正しい方向に向かっている」との回答が3分の2=調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国際市場調査会社、イプソスが行った最新調査で、マレーシア人の3分の2が昨年11月に行われた総選挙後に「国が正しい方向に向かっている」と考えていることが分かった。マレーシア人が持っている最大の懸念は「腐敗」で、「インフレ」や「失業・雇用」を上回った。

イプソスの世論調査は世界32カ国・地域で行っているもので、「何がマレーシアの懸念か?」と題するマレーシアでの調査では500人からの回答をまとめた。国が「正しい方向に向かっている」との回答率は2022年11月まで7カ月連続で「誤った方向に向かっている」との回答率を下回っていたが、総選挙後の12月時点で逆転。1月には約80%でピークとなり、その後も高水準を維持し2023年3月時点では66%に達した。

懸念事項に関しては、永年トップだった「インフレ」を抑えて「腐敗」が3月時点で51%の回答率となりトップ。「インフレ」は36%、「失業・雇用」は35%で第3位だったが上昇傾向を示している。

購買意欲については、半年前の水準に比べて改善しているものの、意欲的との回答が「日用品の購入」では47%、「高額商品の購入」では43%にとどまった。

イプソスは、「2023年第1四半期は新型コロナの懸念は後退し、汚職、インフレ、失業・雇用がマレーシアの主要な懸念事項として引き継がれた」と指摘。「世界中の国政選挙で見られるように、国民感情は政権交代後にピークに達し、その後は平衡状態に移行していく」とした。またインフレは主要な懸念事項の一つとして根強く残っているが低下傾向を見せているとした上で、インフレ圧力から経済信頼感や購買意欲は選挙後のピーク時からは低下傾向にある」としている。

サバ・サラワクも特別休暇を1日追加、半島部の連休に合わせ

【クアラルンプール】 サラワク州のアバン・ジョハリ首相とサバ州のハジジ・ノール首相は、ハリラヤ(断食月明け大祭)連休を延ばすため、特別休暇を1日追加すると発表。先にアンワル・イブラヒム首相が発表した、マレー半島州での特別休暇追加に足並みを揃えた。

ハリラヤ連休がカレンダー通りの22、23日となった場合、21日を特別休暇とし、ハリラヤ連休が仮に1日早まり21、22日になった場合、24日を特別休暇とする。これにより土曜日を休みとしている事業所の場合、ハリラヤ連休が変更になっても21ー24日の4連休となる。

ハリラヤ休暇の日程は事前に設定されているが、正確な日程はイスラム教指導者の月齢の観測に基づき直前に定められる。今年はカレンダーでは4月22、23日で24日は振替休日となっているが、観測結果に基づき1日早まる可能性があるとされている。正式発表は20日夜の予定。
(ボルネオポスト、4月18、19日)