インピアナホテルズ、飲食店運営カフェリンクを買収へ

【クアラルンプール】 ホテル運営のインピアナ・ホテルズは、レストラン運営のカフェリンク (M) の株式70%(21万7,000株)を取得すると発表した。

インピアナがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、今回の買収は同社の既存食品・飲料(F&B)事業を補完するもので、カフェリンクが首都圏・サバ州で運営するレストランブランド「ソールドアウト」と「WIP」の店舗数を増やすことでグループ資産の拡大を目指す。

インピアナのホー・ブンヒム暫定最高経営責任者(CEO)は、近年の消費者ニーズの急速な変化に伴い、競争力を維持するために事業を水平展開する必要性が高まっているとし、今回の買収により、カフェリンクがこれまで育成してきたブランドを基盤としてF&B事業を拡大していくとコメント。また、英コンサル企業グローバルデータの分析によると、マレーシアの外食産業は2021年時点での152億米ドルから年平均成長率8.9%で成長し、2026年には235億米ドル規模に達すると予想されているなど、業界の将来は明るいとし、今後も相乗効果を生む協業機会を継続的に探っていくと述べた。
(ザ・スター、5月11日、エッジ、マレーシアン・リザーブ、5月10日)

 

プロトンEV子会社、ハップセンスマートをディーラー指名

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスの電気自動車(EV)販売子会社であるプロトン・ニューエナジー・テクノロジー(プロネット)は、初の公認EVディーラーとして複合企業ハップ・セン・コンソリデーテッド(HSCB)傘下のハップ・セン・スマートを指名したと発表した。

ハップ・セン・スマートは、スマート・オートモービル(スマート)のスポーツ車(SUV)タイプEV「スマート#1」の販売を担当する。今年第3四半期に販売を開始し、第4四半期にはクアラルンプールにスマート車のショールームを開設する。続いてセランゴール州バラコンにも2店舗目を開設する計画だ。ハップ・セン・スマートはマレーシア、タイにおけるスマート車の公式輸入業者。

HSCBのハラルト・べーレント最高執行責任者(COO)は、プロネットとの協業は、プレミアムEVであるスマート車への信頼を示すだけではなく、低炭素モビリティに向けた自社の取り組みの一環でもあると述べた。ハップ・セン・スマートは、自動車販売で50年以上の歴史を持つハップ・セングループの専門知識を活用していくとしている。

スマートは、独メルセデス・ベンツと中国・吉利集団の合弁会社で、小型EVの開発・販売に携わる。プロネットはスマート車のマレーシア国内販売を担当している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月11日、ポールタン、5月10日)

親の老後の経済的面倒を見るべきとの意識、マレーシアが最上位

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 博報堂生活総合研究所が日本・中国・東南アジア諸国連合(ASEAN)の生活者の意識や価値観、行動を把握することを目的として実施した初の8カ国調査「グローバル定点」の調査結果によると、マレーシアは「子どもは親の老後の経済的な面倒を見る方がよいと思う」との回答が39.3%となり、8カ国中最も回答率が高かった。

その他の調査項目で、回答率が8カ国中上位となったのは、「愛を信じる」で、回答は48.1%となり、2位。「お金が欲しい」との回答は48.3%、「人をうらやましいと思うことがよくある」が9.0%、「地球環境の保護につながる行動をしていない方だ」が18.8%、「家族と過ごす時間を増やしたい」69.4%でそれぞれ3位となった。

また「自分の将来イメージは暗い」との回答は9.6%、「高い給料よりも休みがたっぷりな方がいい」が41.3%、「人づきあいは面倒くさいと思う」が18.7%、「体力づくりや健康のために運動をしている​」が50.4%となりそれぞれ4位となった。

その一方で「今後、自分の経済状態は楽になると思う」との回答は63.3%となり、8カ国中3番目に回答率が低く、「夫婦で家事や子育て、仕事などの役割を平等に分担している(既婚者のみ回答)​」が44.9%となり、4番目に回答率が低かった。

同調査は、博報堂生活綜研(上海)および博報堂生活総合研究所アセアンの協力の下、8カ国の15ー59歳の男女1万1,000人を対象に1月10ー31日にかけてインターネットで実施した。

ちとせグループ藻類生産設備、サラワク州首相が開所式実施

【クチン】 サラワク州のアバン・ジョハリ首相は10日、ちとせグループ(本社・神奈川県川崎市)がサラワク州に建設した藻類生産設備「ちとせカーボン・キャプチャ・セントラル(C4)」の開所式を実施した。

C4は、ちとせグループの中核企業であるちとせ研究所が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として建設した世界最大規模の藻類生産設備。サラワク州営電力会社のサラワク・エナジー(SEB)やサラワク生物多様性センター(SBC)と共同で推進しており、隣接する火力発電所から出る排気ガス中の二酸化炭素(CO2)を活用して持続可能な航空燃料(SAF)などを製造する。敷地面積は現在約5ヘクタール(ha)だが、将来的には2,000haまで拡大する計画だ。

アバン州首相は、C4の設立は持続可能な州経済に向けた重要な節目であり、新規雇用機会を創出し、州経済の成長も促進できると言明。藻類は、SAFや食品、医薬品などの材料になるとし、2,000ha規模での藻類生産を行った場合、最大5,000人の雇用機会を創出し、年間約20万トンのCO2を脱炭素化できると述べた。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、5月10日)

マレーシアのリサイクル産業の現状、ジェトロがリポート

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は11日、環境関連ビジネス市場参入への関心が急速に高まっていることを背景に、「マレーシアのリサイクル産業‐プラスチックリサイクルを中心に」と題するリポートを発表した。

同リポートは、プラスチックのリサイクル産業・ビジネスへの参入を模索する際の参考となるために作成されたもので、リサイクル関連の法規制、主なプレイヤー、関連プロジェクトなどの現状と、参入にあたってのビジネスチャンス・障壁をまとめている。その上で政府による様々な長中期計画やロードマップ自体はよく検討されていると評価する一方、法執行面では改善の余地もあると指摘している。

また、ヒアリング等からは、外資系企業の取り組みと比較し地場リサイクル企業がその動きに追随できていないことも浮き彫りになったと指摘。 技術面においては、使用済みプラスチックから水素を取り出すケミカルリサイクル、農業用フィルムなどバイオマテリアルの開発、廃プラスチックの汚れ除去にかかる洗浄技術などにおいて、ビジネスチャンスがあるとも提言している。

ジェトロKLは、マレーシア政府による「マレーシア・プラスチック・サステイナビリティ・ロードマップ2021-2030」の策定や、本社の環境・社会・企業統治(ESG)対応強化を背景に、リサイクル関連で新規事業立ち上げを検討する声も聞かれると指摘。分別回収が未だ徹底していないマレーシアでは、リサイクル技術に関して先行している日本企業の参入余地があると考えられるとしている。
同リポートはジェトロのウェブサイト(https://www.jetro.go.jp/world/reports/2023/01/a1a64ca81cb40e02.html)からダウンロードすることができる。