生命保険業は年5.2%のペースで拡大、グローバルデータ予想

【クアラルンプール】 データ分析の英グローバルデータは、マレーシアの生命保険業は保険料(掛け金)収入で見て、今年の575億リンギから年率5.2%のペースで拡大し、27年には703億リンギになるとの見通しを示した。

今年は2.4%拡大する見通しで、健康、ファイナンシャルプランニングに対する意識の高まりが増加の背景にあるという。21年は9.3%拡大したが、22年は1.2%の拡大にとどまった。パンデミックを経て国民の可処分所得が減少したことと、必需品以外の物への関心が低下したことが影響したという。

保険料収入のうち最大のものは養老保険(特定の期間後または死亡時に一時金を支払うよう設計された保険)で、今年は全体の77.2%を占めるという。投資型保険である点が強みで、財産形成の手段として利用されている。

第2位は定期死亡保険(保障される期間が10年、20年、あるいは65歳まで、というように定められている保険)で、今年は4.6%を占めると予想される。

従業員積立基金(EPF)加入者が購入できる手ごろな掛け金の商品が販売されているため、定期死亡保険は27年まで年6.7%のペースで拡大するという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月19日)

4月の自動車販売が前年比19.1%の大幅減、前月からの反動で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア自動車協会(MAA)の発表によると、会員企業による2023年4月の自動車販売台数は4万6,583台となった。前年同月比で19.1%の大幅マイナスとなり、前月比でも41%減となった。

4月の販売は乗用車が4万1,389台で前年同月比19.1%減、商用車は5,194台で同19.6%減となった。生産台数は前年同月比24.8%減の4万1,160台となった。乗用車は24.0%減の3万8,575台、商用車は35.5%減の2,585台だった。

MAAは4月の販売台数が大幅減となったことについて、▽売上税減免の期限を前に納車がスピードアップした前月(3月)からの反動▽ハリラヤ(断食月明け大祭)連休により営業日が少なかったことーーが影響したと分析。5月については、サプライチェーン問題の改善や営業日が多いことから4月実績を上回ると予想している。
1ー4月の販売台数は23万9,183台で、前年同期比10.0%増となった。乗用車は11.3%増の21万3,344台、商用車は0.5%増の2万5,839台だった。生産台数は14.7%増の23万9,554台となった。

セランゴール州の原水汚染対策、来年から本格運用へ

【クアラ・セランゴール】 セランゴール州政府は、水道水の原水が汚染された場合に浄水場の操業に支障が出ないようにするため、原水保証計画(RWGS)の段階運用を今年10月に開始し、来年から本格運用すると明らかにした。

セランゴール州のアミルディン・シャリ首相によると、これまで原水汚染がセランゴール州の水道利用者160万世帯に影響を及ぼしてきたため、RWGSの採用を決定した。RWGS導入後には河川で原水源の汚染が検出された場合に汚染水を迂回させることが可能となり、浄水場への流入を防ぎ、長時間断水する必要もなくなる。セランゴール川のホラス600貯水池とセメニエ川の貯水池で原水ポンプの設置が進められており、現時点での進捗率は51%。来年早々フル稼働する計画だ。

アミルディン州首相はまた、セランゴール州ではエルニーニョ現象に対処するため、ダムや貯水池の貯水率95%以上を維持しており、今後4ー6カ月は州民や工業用水のニーズを満たせると述べた。
(ザ・バイブス、ベルナマ通信、5月18日)

イオン(M)、第1四半期の純利益が36.1%増

【クアラルンプール】 イオン・カンパニー(M)は18日、第1四半期(1ー3月)決算を発表。純利益が前年同期の2,807万リンギから36.1%増の3,818万リンギとなったと明らかにした。

売上高も前年同期比10.5%増の11億リンギ。経済回復や祝祭シーズンの影響を受け、小売事業の売上高は、前年同期の8億5,740万リンギから9.8%増の9億4,140万リンギ。不動産管理事業も消費者心理の好転により入居率が向上したため、前年同期の1億4,440万リンギから14.5%増の1億6,540万リンギとなった。

大野惠司社長は、今後も中核事業の強化を続けると同時に変革を推進するとし、デジタル化、イノベーション、持続可能性を軸として、持続可能なデジタルトランスフォーメーション(DX)を追求していくと言明。今後は、国境再開後の海外旅行者増加による地域経済の活性化が期待されるものの、消費者心理の悪化やインフレ圧力というリスク要因もあるとし、関係各社と協力の上で、生鮮食品やプライベートブランドなどの品揃えを充実させ、売上を伸ばしていくと述べた。太陽光発電システムや廃棄物管理を取り入れた店舗リニューアルを実施し、イオン・リビングゾーンの開発に注力していくとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、5月18日)

TRGシリカ、トレンガヌ州で方珪石と高純度シリカを採掘

【マラン(トレンガヌ州)=マレーシアBIZナビ】 TRGインダストリアル・ミネラルズ子会社のTRGシリカ(マラン)(TSM)は、アジア・オセアニア地域で初となるクリストバライト(方珪石)と超高純度工業用シリカの統合採掘プロジェクトを開始すると発表した。

16日にはトレンガヌ州マランのムキム・メルチャンで起工式を開催した。TSMは総面積826.36ヘクタールのシリカサンド鉱床5カ所の60年間の採掘権を取得した。採掘するクリストバライトと超高純度工業用シリカはエンジニアリング用途や透明ガラス製造に使用される。

53483鉱区に超高純度工業用シリカの選鉱プラントを建設し、53482鉱区、53628鉱区と段階的に採掘活動を行い、最終的に100年以上採掘を続ける計画だ。総投資額は5億リンギを超えるとみられており、計画には第7世代の最新施設の建設のほか、マランにおける専用ターミナル建設も含まれる。

シリカは電子ディスプレイ用ガラス、スマートフォン用ガラス、超薄型ソーラーガラス、半導体、眼科用ガラスなどのハイエンドガラスに用いられ、サプライチェーンの多様化が求められていることからも、高い需要が見込まれる。またクリストバライトは人工石、コーティング、ポリマー、歯科、道路標示、その他の産業用途など、さまざまな分野で幅広く使用されており、国内での採掘は、業界全体の競争力強化に寄与すると期待されている。