【クアラルンプール】 日系テクスケム・リソーシズは、第1四半期(1ー3月)に24万2,000リンギの純損失を計上したと発表した。前年同期は1,308万リンギの純利益を計上していた。

テクスケムが19日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、投入コストの上昇、市場需要の低下、税負担の増加の影響で赤字に転落した。売上高も工業部門および高分子材料科学部門が需要減少の影響を受け、前年同期の3億749万リンギから12.7%減の2億6,850万リンギにとどまっている。

テクスケムの創業者で会長の小西史彦氏は声明で、市場の不確実性が続く中で現在のビジネス運営環境が厳しく、特に、ハードディスク・ドライブ(HDD)や半導体の需要が鈍化していることから、それらの部品・包装材を製造する高分子材料科学部門が課題に直面していると言明。一方、新規事業の開発に継続的に取り組んでおり、レストラン部門も上昇し続ける投入コストを積極的に管理していると述べた。事業全体としては、多角化を行い、また中核事業部門全体で強固な基礎を築いているため、長期的な成長を確信しているとした。今後も、インフレ、利上げ、ウクライナ戦争などの影響で、世界経済の低迷が予想されるが、厳しい運営環境を乗り切るためにコスト削減やキャッシュフロー管理を戦略的に行っていくと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、5月19日)