ティックトック、マレーシア人の約80%が規制や禁止求める

【クアラルンプール】 英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」がツイッターとインスタグラムを通じて実施したティックトックに関する世論調査で、回答者の約80%がマレーシアにおけるティックトックの規制や禁止を求めていることが分かった。

ティックトックについては、情報管理への懸念から英国やカナダなどの国で使用禁止の動きが強まっている。ネットユーザーからは、若者の精神衛生に与える悪影響や中毒性、規制回避が容易であることなどを懸念する声が上がっており、国家安全保障上の懸念も提起されている。

「対策が必要ない」との回答はわずか20%だったが、「ティックトックだけでなく他アプリも同様にユーザーデータを収集・販売している」という主張のほか、「表現の自由の侵害に繋がる」といった声、また「エンターテインメントのためのプラットフォームとしてユーザーやクリエイターに発表機会を提供している」と擁護する声もあった。

ツイッターを通じた調査では、476人の回答者のうち76.4%が何らかの規制を求めており、31.2%が制限、28.6%が全国的禁止、16.6%が政府の端末での使用禁止を求めている。規制が不要との回答は23.6%にとどまった。

インスタグラムを通じた調査では、154人の回答者のうち75%が規制を求めており、32%が全国的禁止、32%が制限、11%が政府の端末での使用禁止を要求した。一方で規制不要との回答は25%にとどまった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月25日)

ザフルル投資貿易産業相、貿易使節団を率いて日本を訪問

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は26日、貿易・投資促進使節団を率いて5月29日から6月3日の日程で訪日すると発表した。

東京と大阪を訪問する。使節団には、投資貿易産業省(MITI)、マレーシア投資開発庁(MIDA)、マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)の代表者が参加する。

今回のテーマは環境・社会・企業統治(ESG)で、電気・電子(E&E)、化学・化学製品、電気自動車分野のハイエンドかつ高付加価値のある戦略的技術に焦点を当て、マレーシアへの投資や事業拡大に強い関心を持つ日本の著名な業界関係者と会合を行うという。

またテンク・ザフルル投資貿易産業相は、西村康稔経済産業相との会談も予定しており、二国間の諸問題について協議する他、日マレーシア官民産業政策対話、インド太平洋経済枠組み(IPEF)、包括的及び先進的な環太平洋経済連携協定(CPTPP)、東アジア包括的経済連携(RCEP)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)などを介した経済協力についても話し合いを行う予定だ。

MITIは、日本への貿易・投資促進使節団の派遣により両国間の連携をさらに強固にするものになると期待しているとした。
(ベルナマ通信、5月26日)

キナバル国立ジオパーク、ユネスコ世界ジオパークに認定

【コタキナバル】 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の執行委員会は24日、サバ州の「キナバル国立ジオパーク」を国際的に貴重な地質や地形がある地域を保護、活用する「ユネスコ世界ジオパーク」に認定した。マレーシアからは2007年にケダ州ランカウイが「ジオパーク」に認定されており、マレーシア国内で2カ所目の「ジオパーク」認定となった。

「キナバル国立ジオパーク」の面積は4,750平方キロメートルで、キナバル山でのみ見ることができる90種類のラン、キジ科のアカガシラシャコなど様々な動植物が生息している。

サバ州のハジジ・ノール首相は、同州では2000年12月2日に「キナバル自然公園」が「世界自然遺産」に、2014年6月12日に「クロッカー山脈国立公園」が「ユネスコ生物圏保護区(エコパーク)」にそれぞれ認定されており、今回でユネスコ認定地が3カ所目になるとした上で、認定地が3カ所あるのはサバ州以外には、韓国の済州島と中国の神農架林区のみだとして、このような栄誉を獲得できたことを嬉しく思うとした。

またハジジ州首相は、「キナバル国立ジオパーク」が「ジオパーク」に認定されたことで、同州のエコツーリズム商品に大きな付加価値をもたらし、サバ州の社会経済システムにも直接的かつ間接的に恩恵をもたらすとして期待を表明。特にコタ・ブルド、コタ・マルドゥ、ラナウ地区の地域コミュニティへの好影響を見込んでいるとした。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月27日、マレー・メイル、5月26日)

JFEエンジと東洋インキ、太陽光発電電力売買契約を締結

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 JFEエンジニアリング(本社・東京都千代田区)のマレーシア現地法人JFEエンジニアリング (M) (JFEM)は29日、東洋インキグループ(本社・東京都中央区)のマレーシア現地法人トーヨーケム・スペシャリティケミカル(TSC)との間で、25日付で電力売買契約(PPA)を締結したと発表した。

JFEMは、ネグリ・センビラン州セレンバンにあるTSCの工場屋上に発電容量1,097キロワットピーク(kWp)の太陽光発電システムを設置し、発電した電力を15年間にわたりTSCに供給する。TSCは年間二酸化炭素(CO2)排出量を1,081トン削減すると同時に、電気料金の節約も可能となるという。

JFEMにとり2件目の太陽光発電PPA案件となり、容量は1件目の2倍となった。
同社は現在、TSCの生産工場拡張のEPC(設計・調達・建設)も請け負っている。TSCは、JFEMのEPC実績と競争力のあるPPA提案により、JFEMを信頼できるパートナーと評価し、今回のPPAを締結したという。JFEMは今後も幅広い技術力を活かし、プラント建設やCO2削減など、顧客企業の様々なニーズに応えていく方針だ。

国分フードロジスティクス、4温度帯物流センターを増設

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国分グループ本社(本社・東京都中央区)は26日、マレーシアで物流事業を展開する国分フード・ロジスティクス・マレーシア(本社・セランゴール州)が、事業拡大に向け、クアラルンプール近郊に4温度帯物流センターを増設したと発表した。

国分グループは、マレーシア国内で回転寿司チェーン店「すし金」を121店舗展開する日系テクスケム・グループとの間で低温物流事業会社の国分フード・ロジスティクス・マレーシア(KFLM)を2016年に合弁で設立し、同国の外食事業者、小売事業者の物流受託業務を行っている。2020年にはクアラルンプール郊外に4温度帯物流センターを開設し、同国内における保管・配送拠点として顧客基盤を拡大してきた。今回、温度帯物流の需要増加に対応するため、低温倉庫を増設し、保管能力を1万3,000パレットから1万8,000パレットに拡大した。

物流センターの名称はK&KFLMシャアラム・ウェアハウスで、5月1日に稼働を開始した。延床面積は18万1,732平方フィート(sqft)。対応温度は、冷凍がマイナス18度ーマイナス25度(面積4万9,374sqft)、冷蔵が0ー8度(1万8,341sqft)、定温・常温が15度ー25度(6万2,549sqft)で、ローディングベイは2万7,798sqft、その他(事務所等)が2万3,670sqftとなっている。対応商品は、冷蔵・冷凍加工品、常温食品、定温商品(米、油、チョコレートなど)、青果ほか。マイナス25度の冷凍エリアを完備しており、アイスクリームなど厳密な温度管理が必要な商品の保管が可能であることと、冷蔵エリアに通過型物流センター機能を保有していることから、在庫保管型センターに加え、冷蔵仕分けスペースを有した通過型センター機能を具備していることが特徴となっているという。

国分グループは今後、温度帯物流に顧客の要望に沿った付帯サービス機能を組み合わせ、安全で高品質な物流サービスを提供し、顧客満足度向上を目指して取り組みを強化していく方針だ。