高温気候は6月まで、9月まで少雨の見通し=気象局

【ペタリンジャヤ】 マレーシア気象局は、高温な気候は6月まで続くとし、6月中旬の南西モンスーン期への移行に伴い、5月中旬から9月までは、マレー半島とサラワク州において降水量の少ない天候が続くとの予報を発表した。

5ー7月にかけてのエルニーニョ現象が発生確率は62%で、ペルリス州、ケダ州、ペナン州、ペラ州北部、クランタン州、トレンガヌ州を除くほとんどの地域で6月の降水量は平均をわずかに下回る水準に止まるが、セランゴール州やクアラルンプール、ネグリ・センビラン州、マラッカ州、ジョホール州においては7ー8月に降水量が少なくなる見通しだ。

ニック・ナズミ環境天然資源気候変動相は、高温、乾燥気候による森林や泥炭地での火災発生に伴い、6ー9月はヘイズ(煙害)が悪化する可能性があるとの見解を示した。

4月16ー17日にかけて、ジョホール州やペナン州、ケダ州、セランゴール州、ネグリ・センビラン州、ケダ州、トレンガヌ州では大気汚染指数(API)が150を超えて「不健康」レベルとなった。

5月4日には消防レスキュー局が全国で406カ所のホットスポット(山林火災の火元)を確認したと発表している。
(ザ・スター、5月7日、アジアワン、5月6日)

免税店の独ハイネマン、KLIA2店舗を新装オープン

【クアラルンプール】 免税店を展開する独系ハイネマン・デューティー・フリー・マレーシアは5日、再開発を行っていたクアラルンプール新国際空港・第2ターミナル(KLIA2)の店舗を新装オープンした。

新店舗ではフロアプランを見直し、店内の視認性を高めたほか、ウェブ・ショップやクリック・アンド・コレクトサービスを開始し、買物客の利便性を高めた。店内をナチュラルベージュの石で装飾したほか、伝統的なバティックプリントを施し、「誇り高い、ダイナミックかつ革新的な国」というマレーシアの土地柄を表現した。

ケラスターゼ、ヴィシー、ラ・ロッシュ・ポゼ、ヘレナ・ルビンスタイン、メゾン・マルジェラ、ラ・プレリー、アクア・ディ・パルマ、フレッシュ、ル・ラボ  などのブランドをマレーシアの空港で初めて取り扱う。

5日の新店舗発表会では、フレグランス、スキンケア、メイクアップ、時計・ジュエリー、菓子を直接体験してもらうためのツアーやインタラクティブなプレゼンテーションを開催し、マレーシア・エアポーツ(MAHB)幹部やブランドパートナーの幹部も出席した。なお賃貸契約更新の際にハイネマンはゲート店舗も引き継ぐことになり、KLIA2における総売場面積は1,686平方メートルとなった。
(グローバル・トラベル・リテイル・マガジン、5月7日、DFNIフロントライナー、5月5日)

A&Wの今年の売上目標は2.5億リンギ、店舗増やデジタル化で

【ペタリンジャヤ】 ファストフードチェーンの米「A&W」をマレーシアで展開するA&Wマレーシアは、今年の売上目標を昨年の1億5,000万リンギから2億5,000万リンギに引き上げた。

ジョージ・アン最高経営責任者(CEO)は、英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」紙の取材に対し、今年の業績見通しが良く、新店舗展開やデジタル化計画により高い売り上げが見込めるとし、7月までに店舗数を全国で100店舗、2025年までに150店舗に拡大すると述べた。

A&Wは、店舗拡大およびブランド再構築に向け、今年の設備投資費として2,500万ー3,000万リンギを計上した。

本社である米A&Wレストランツのケビン・バズナーCEOは、世界的インフレや労働力不足による影響が販売価格に及んでいるが、生産性向上や新技術の導入により影響を軽減してきたと述べた。以前は安価だった鶏肉が現在では高価になっており、「コンボミール」の提供により手頃な価格を維持しているとした。また、アプリなどのデジタル化が売上増に繋がったとし、セルフ注文件数が平均12ー14%増加したと説明。顧客はアプリが提案するサイドメニューなどの追加注文を受け入れやすくなっていると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月8日)

ASEANは金融面で日本との新たな協力を模索=副財務相

【クアラルンプール】 韓国の仁川で1、2の両日開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)・日本財務相・中央銀行総裁会議の基調演説で、アンワル・イブラヒム財務相(首相)代行として出席したアハマド・マスラン第1副財務相は、マレーシアおよびASEANは金融・財政面で日本との新たな協力、提携を積極的に模索すると表明した。会議は日中韓・ASEAN財務相・中央銀行総裁会議の一環として開かれた。
アハマド・マスラン氏は、各国の強み、経験を活用することで、より強力で統合された金融生態系を確立し、ASEAN加盟国と日本に利益をもたらすことができると述べた。

並行して1ー5日の日程で開催されたアジア開発銀行(ADB)理事会会合にもアハマド・マスラン氏は出席した。

アハマド・マスラン氏は浅川雅嗣ADB総裁と個別に会談。気候変動との戦いにおいてアジア・太平洋地域への支援を大幅に拡大することが可能となるプログラム「アジア・太平洋革新気候変動金融ファシリティー(IF-CAP)」をADBが発表したことを歓迎すると伝えた。
(ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、5月6日)

連邦政府、バヤンレパス軽便鉄道に追加資金提供へ

【ペナン州ブキ・メルタジャム】 アンワル・イブラヒム首相は6日、ペナン州のバヤンレパス軽便鉄道(BLLRT)プロジェクトについて、連邦政府が追加資金を提供すると発表した。

アンワル首相は、ペナン州のジョージタウンは首都圏に次ぐマレーシア第2の都市であるにも関わらず、これまで連邦政府が十分な資金を提供してこなかったとし、今後BLLRT建設費用に関してペナン州政府と協議するための会議を開催すると述べた。

首相発言に対しコメントを求められたアンソニー・ローク運輸相は、BLLRT建設は原則決定されており、連邦政府も資金提供に対して準備ができているとしたが、資金調達の具体的な方法について詳細な検討が必要だと述べた。ペナン州のチョウ・コンヨウ首相は、「ペナンの人々に対する贈り物だ」とし、喜びの意を表した。

BLLRTは、交通渋滞問題解決に向けた長期戦略「ペナン交通マスタープラン」の一部で、ジョージタウンの行政センターが入るコムターと空港や工業地帯のある南部バヤンレパスを結ぶ全長22キロメートル超の路線。将来的には、テルク・クンバル海岸沖の3つの埋立地への延長も検討されている。
(ザ・スター、5月7日、マレー・メイル、ベルナマ通信、5月6日)

プテリハーバーの「JEN」ホテル、5月9日で営業停止

【クアラルンプール】 シャングリ・ラ・ホテル・グループは3日、ジョホール州にある4つ星チェーンホテルの「ジェン(JEN)・ジョホール・プテリハーバー」の営業を5月9日付けで完全停止すると発表した。イベントおよび宿泊予約済みの顧客には代替ホテルを提案するなど個別に対応する。

同ホテルを所有するTAR PHの声明によると、営業停止は経営難によるもので、解雇となる従業員93人の再就職先探しを最優先に取り組んでおり全員に対し適切な解雇補償を約束すると共にジョホール州を中心とした関連ホスピタリティ ビジネスでの再雇用先をオファーしているという。廃業に至ったいきさつについては明らかにされていない。

同ホテルは2013年に「JEN」ブランドに改装される前は「トレーダーズ・ホテル・プテリハーバー」名称のビジネスホテルとして営業を行っていた。
(マレー・メイル、5月3日)

報道自由度でマレーシアは過去最高の73位、東南アジア首位も維持

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 5月3日の世界報道自由デーに合わせて「国境なき記者団(RSF)」が発表した2023年度版の「世界報道自由度インデックス」で、マレーシアは前年(113位)から40ランク上昇し、世界180カ国・地域中73位と過去最高を記録した。

同ランキングは、▽政治▽経済▽法律▽社会▽安全ーーの5指標に基づいて報道の自由度をランキング化したもの。マレーシアは「安全」が38位、「経済」が57位、「社会」が60位と比較的高評価だった一方、「政治」は89位、「法律」は138位と低評価だった。

報告書は昨年と同様に、メディアがタブーに取り組んだり政治家や官僚を批判しないようマレーシア政府が多大な政治的圧力をかけていること、微妙な問題を孕むスルタン制に関する報道に対する検閲を強いていると再び指摘。マレーシアのジャーナリストが物理的な攻撃の標的になることはめったにないが、一部は司法嫌がらせや誹謗キャンペーンの対象になっているとした

マレーシアの評価は東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国でもトップを維持し、▽タイ(106位)▽インドネシア(108位)▽シンガポール(129位)▽フィリピン(132位)▽ブルネイ(142位)▽カンボジア(147位)▽ラオス(160位)▽ミャンマー(173位)▽ベトナム(178位)ーーを上回った。

総合ランクトップはノルウェーで、アイルランドやデンマーク、スウェーデンなど北欧諸国が上位を占めた。日本は68位、中国は179位、最下位は北朝鮮だった。

5Gは第2期より2社体制へ、DNB独占を見直し

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ファーミ・ファジル通信デジタル相は3日、第5世代移動通信(5G)ネットワーク計画について、現在の国営デジタル・ナショナル(DNB)による1社独占体制を見直すと発表した。

ファーミ大臣は、DNBが掲げている「人口集中地区の5Gカバー率80%」という目標の達成後、第2期には別通信企業を公開入札により選定し、最終的には2社のネットワークにより5Gを提供すると述べた。2社体制にすることで、ひとつの障害で全ネットワークが停止してしまう「単一障害点」を回避し、回線容量も増加させられるという。現時点での5G普及率は約57.78%で、DNBは年内に80%達成を目指しているめ、第2期開始は2024年初頭になると見込まれている。

通信デジタル省の決定に対し、DNBから5G回線の卸売を受ける契約を締結している通信各社は歓迎の意を表明。セルコムDigiは、DNBの80%目標達成に協力するとし、政府および業界各社と共に5G展開をサポートしていくと述べた。政府系テレコム・マレーシア(TM)も、5G導入の第1期・第2期をともに成功させるため、関係各所と緊密に協力していくとした。ユーモバイルは、2社体制により健全な競争原理が働き、性能やサービスの向上につながると述べた。一方、DNBとの間で卸売契約を結んでいない唯一の通信企業マキシスは、自社技術やインフラを活用し独自の5G関連製品・サービスを直接顧客に届けたいとし、第2期の入札に参加する予定だと述べた。

5GネットワークのDNB1社独占については通信会社から不満の声が上がっていたが、前政権が2022年3月、導入迅速化を理由に1社独占を最終決定。同6月にDNBの株式70%を通信会社6社に提供し、10月には5社がDNBとの間で卸売契約を締結していた。

縁故資本主義インデックス、マレーシアは3位に下降

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 英経済誌「エコノミスト」は「縁故資本主義インデックス2023」を発表。マレーシアが3位となり、2021年の前回調査時から1ランク下降し、改善したことが明らかになった。

1位はロシア、2位はチェコ、4位がシンガポール、5位がメキシコだった。

アジアからは、インドが10位、インドネシアが9位、タイが15位、中国が21位、日本は36位だった。

調査は43カ国・地域を対象に行われた。米経済誌「フォーブス」のデータを使用し、国内総生産(GDP)と比較することで数値化しランク付けしたもの。

日本マレーシア経済協議会、第40回合同会議を25日に開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本・東京商工会議所に事務局を置く日本マレーシア経済協議会(JAMECA)は5月25日に、第40回合同会議をANAインターコンチネンタルホテル東京で開催する。

今回は、「多層的な共創を通じた日本・マレーシアの経済関係深化」テーマに掲げ、両国企業および関係省庁の担当者らが登壇。日本・マレーシア間の貿易投資動向、およびマレーシアの投資誘致地紹介に関する講演と、「地方創生における日本とマレーシアの相互発展」と題したパネルディスカッションを実施する。パネリストには帯広商工会議所やバイオベンチャーのちとせグループなども参加する。参加費5万円(予定)。参加申し込み締め切りは5月15日。

申し込みは、ウェブサイト(https://www.jcci.or.jp/post-406.html)で受け付けている。