フェイスブック使ったオンライン詐欺、約5カ月で744件

【クアラルンプール】 今年1月から5月25日までに、マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)が受け取ったフェイスブックを使ったオンライン詐欺の被害報告は合計で744件となった。テオ・ニーチン副通信デジタル相が明らかにした。

被害報告はフェイスブックの他、テレグラムによるものが17件、ワッツアップによるものが16件、インスタグラムによるものが7件、電子メールによるものが1件寄せられた。

テオ副大臣は、多くの被害が寄せられていることは政府とソーシャル・メディア・プラットフォーム提供会社が協力する必要性があることを示しており、両者の協力によりこうした事件に即時対応できるようになると言明プラットフォーム提供会社にもそれぞれのガイドラインが存在していることは承知しているが、 ティックトックやフェイスブック、グーグルなどと話し合って違法な行為に可能な限り早く措置を講じる必要があり、全ての関係者の協力が必要であると説明した。

またテオ副大臣は、ソーシャル・メディア・プラットフォーム上での人種、宗教差別的な発言について、アハマド・ザヒド副首相が先ごろMCMCに監視を指示したとした上で、1998年通信マルチメディア法第233条の下で罰せられる可能性があると警告した。
(マレー・メイル、6月4日)

第1四半期の業績、44.6%の企業が予想を下回る=アナリスト

【クアラルンプール】 2023年第1四半期のマレーシア企業の業績は低調で、44.6%の企業が予想を下回る結果となった。

RHBリサーチのリポートによると、トップラインの伸び悩みやコスト圧迫による営業レバレッジの低下、利幅の縮小が影響した。農園、石油・ガス(O&G)、ゴム製品、電気通信などの9部門が予想を下回り、2023年度業績は現時点で3.8%減少している。ビジネス環境は引き続き厳しい状況が続き、投資家心理も6州でまもなく行われる州議会選挙が終わるまで慎重な状態が続くと予想されている。州議会選挙の結果が連邦政府の財政改革に影響を及ぼす可能性が高いため、市場は選挙結果を注意深く見守っている状態だという。

パブリック・インベストメント・バンク・リサーチも同意見で、農園、ゲーム、メディア、電子機器受託製造(EMS)、手袋などの部門で取引額の減少や想定外のコスト増が発生したため、業績不振に陥っていると述べた。今後についても、世界経済が危機的状況にあるため景気後退に陥る危険性が高いとしこういった不透明なマクロ環境をうまく乗り切ることができるかどうかが国内企業の業績回復に大きく影響するとしている。
(マレーシアン・リザーブ、6月6日)

家電販売のフィアンマ、香港家電を国内やシンガポールで販売へ

【クアラルンプール】 家電販売のフィアンマ・ホールディングスは、香港企業モデナ・グローバルとの間で、マレーシアとシンガポールにおけるモデナの家電製品の輸入販売に向けた覚書(MoU)を締結した。

フィアンマが6日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、モデナは、冷却、調理、清掃用機器、再生可能エネルギーシステム、電気自動車(EV)用バッテリー、電動スクーターなどの製造企業。モデナは、フィアンマ製品の相手先ブランド生産(OEM)も検討する。

MoUに基づき、両社は協力関係および製品品質、生産効率向上につき協議する。MoUの有効期限は1年で、さらに1年の更新が可能となっている。
(エッジ、6月6日、フィアンマ発表資料)

補助金削減は高所得層にのみに影響=アンワル首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は6日の下院質疑で、現在検討されている補助金の削減は上位20%の高所得層(T20)に対してのみ影響すると述べた。

アンワル首相は、リンギ下落に伴う問題の解決に向け政府は補助金削減を検討しているが、電力補助金などは、大きな家を所有するT20世帯にしか影響を与えないため、90%の国民は影響を受けないと述べた。中小企業や食品産業に対する電気料金の値上げも行わないとしている。

T20に対する巡礼資金援助の廃止についても、大多数の国民には関係がなく、すでに大金持ちであれば巡礼資金は自力で賄えるので補助金の必要はないとし、不満を口にする人には断固とした姿勢で臨むと述べた。

アンワル首相は5月にT20に対する電力補助金や巡礼資金援助の廃止を検討していると発表。また、年内に完成予定の世帯社会経済データベース「パンカラン・データ・ウタマ(パドゥ)」の導入を通じて所得階層に応じて補助金の配分を調整すると述べた
(エッジ、ベルナマ通信、6月6日)

日本の大手総合商社3社、マレーシアとの貿易拡大へ

【クアラルンプール】 マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)は、日本の総合商社がマレーシアとの貿易額を4億5,800万米ドルまで拡大することを確約したと明らかにした。

MATRADEによると、テンク・ザフルル投資貿易産業相率いる貿易・投資促進使節団が5月29日ー6月2日に訪日し、伊藤忠商事、住友商事、三井物産などと会談。エネルギーや持続可能なグリーン製品、パーム油、木材製品、化学製品、日用消費財(FMCG)、ハラル(イスラムの戒律に則った)製品、ヘルスケアサービス、デジタルサービスなどについて、マレーシアからの輸入を拡大することに合意したという。

MATRADEはまた、日本貿易振興機構(ジェトロ)との間での協力覚書(MoC)について、来年4月まで1年延長することで合意したと発表。両機関はハラル、情報通信技術(ICT)、電子商取引関連の貿易の促進や相互理解・友好の深化、両国の貿易発展への寄与を目的としたMoCを2021年から締結している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月7日)