【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 三菱重工(本社・東京都千代田区)は7日、電力会社テナガ・ナショナル(TNB)の子会社であるTNBパワー・ジェネレーションとの間で、クリーンエネルギー技術に関する調査と情報交換を行う覚書(MOU)に調印したと発表した。このMOUは、マレーシアのエネルギー転換を促進し、2050年までのカーボンニュートラル達成という同国の目標を支持するものとなる。
同MOUにより、三菱重工はTNBパワー・ジェネレーション社と、クリーン発電に関する3つの重点分野である「水素の製造・輸送・貯蔵および関連インフラを含む水素とアンモニアのバリューチェーン構築」「火力発電所におけるカーボンフリー燃料の専焼・混焼技術」「二酸化炭素(CO2)回収」に関する共同調査を行う。またマレーシアにおけるクリーン発電の推進をはじめとする特定分野に関する経験や技術的ノウハウ、情報などを共有する。
今回の協業は、マレーシア国内でTNBパワー・ジェネレーション社が計画する、水素対応技術を備えた高効率ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)を導入する技術的実現可能性の検討から始まる。これは、両社双方の技術的な専門知識を活用し、持続可能なエネルギーソリューションの展開を図る上での先駆的なプロジェクトとなるという。
三菱重工は今後も、世界の電力業界全体のニーズである低・脱炭素化および性能向上に向けた提案に努め、電力の安定供給と環境負荷の低減に貢献していく方針だ。