マレーシア人訪日者数、5月も大幅増の3万4000人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2023年5月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は3万4,000人となり、前年同月比で20.8倍となったが、前月比では15.4%減となった。

JNTOによると、日本の水際規制緩和、スクールホリデーの影響等もあり、訪日外客数は大幅に増加した。また、2019年同月比ではマイナス20.2%となった。クアラルンプールー成田間の増便などもあり、日本への直行便数は前年同月に比べ回復傾向にある。

1ー5月では17万2,200人となり、前年同期比で48.1倍となったものの、2019年比では17.0%減となった。

5月の世界全体の訪日者数は、前年同月から12.9倍の189万8,900人となったものの、2019年同月からは31.5%減となった。年初5カ月では863万8,500人となり、前年同期比22.3倍、2019年比マイナス37.2%となった。

JNTOは、新たな観光立国推進基本計画等を踏まえ、観光立国の復活に向けて、観光地・ 観光産業について持続可能な形で「稼ぐ力」を高めるとともに、地方誘客や消費拡大を促進しつつ、インバウンドのV字回復を図る必要があると指摘。国内関係者が連携し、海外旅行会社等へのセールス強化や情報発信を通じた高付加価値旅行、アドベンチャートラベルの推進、ミーティング、報奨旅行、国際会議、展示会(MICE)誘致等の取組を強化していくことが求められるとした。

韓国の格安航空会社ティーウェイ、仁川ーコタキナバル線を就航

【コタキナバル】 韓国の格安航空会社ティーウェイは19日、仁川ーコタキナバル間の直行便を新規就航した。

運航機材は「B737-800」型機で定員は189人。毎日運航で、「TW169」便が仁川発18時45分、コタキナバル着23時5分。「TW170」便がコタキナバル発深夜0時5分、仁川着6時30分。

サバ州の観光・文化・環境大臣補佐官兼観光局会長であるジョニストン・バンクアイ氏は、初便でコタキナバル国際空港(KKIA)に到着した188人の乗客を空港で歓迎し、国際直行便の就航は、観光産業に利益をもたらし、またサバ州の経済成長を促進するとコメント。接続性を強化することで、より多くの訪問者がサバ州の自然や文化遺産を体験でき、雇用機会の創出や持続可能な開発にもつながると述べた。

サバ州観光局によると、今年1ー4月の韓国人訪問者数は6万8,685人。サバの島々、ビーチ、ゴルフコースは韓国人観光客に人気で、ダイビングやバードウォッチングも関心を集めているという。

サバ州観光局は、韓国を含む海外観光客の誘致を目的としたイベント「アジア・ダイビング・エキスポ(ADEX)」と「アジア・バード・フェスティバル」を計画しており、「自然愛好家や冒険を求める人々にとって最高の旅行先になる」という目標の達成を目指している。

サバ州では現在、シンガポール、バンダル・スリ・ブガワン(ブルネイ)、台北、香港、広州、深セン、武漢、仁川、釜山、マニラの10都市間で、直行便が運航しており、上海航空、エアアジア、韓国ジンエアーは増便や定員の増加を予定しているという。
(マレー・メイル、6月21日、デイリー・エクスプレス・オンライン、ボルネオポスト、6月20日)

大手通信、7月2日付けで電話番号付きのSMS送受信を禁止へ

【ペタリンジャヤ】 大手通信事業者数社は、7月2日付けでショートメッセージサービス(SMS)による電話番号の送受信をブロックすると発表した。5月2日に実施されたURLリンク付きのSMSのブロックに続くもの。

対象となるのは▽マキシス▽セルコムDigi▽ユーモバイルーーなどのサービス。国内・海外いずれのSMSも対象となり、ブロックされたメッセージには料金が発生しない。一方、6XXXX、2XXXX、1XXXXなどの5桁のショートコードで企業が送信するSMSについては、7月2日以降もURL、電話番号、個人情報を含めることが可能だが、マキシスは今後段階的にブロックしていくとしている。

オンライン詐欺にSMSを利用するケースが多いことから、通信デジタル省が、マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)を通じ2月14日に全通信会社にブロック指示を出しており、各通信会社は段階的にブロックを実施していく方針だ。これを受け、大手銀行やモバイル決済のタッチアンドゴーなどはSMSによるワンタイムパスワード(OTP)送信からアプリ認証への切り替えを進めている。
(ザ・スター電子版、ローヤットドットネット、6月21日)

イオンクレジット、AI活用で高リスク顧客を削減へ

【クアラルンプール】 消費者向け総合金融サービスのイオンクレジットサービス(マレーシア)は、人工知能(AI)技術を活用し、高リスク顧客を現在の30%から20%程度まで削減すると発表した。

リー・シウテー最高財務責任者(CFO)は、高リスク顧客には若年層や低所得層で信用度の低い顧客が含まれており、特に25歳以下で可処分所得が2,500リンギ以下の顧客が返済困難に陥る傾向があるとし、三井物産とソニーネットワークコミュニケーションズの合弁会社(JV)であるグローバルエーアイイノベーションズラボラトリー(本社・東京都港区、GAILABO)と提携し、Alベースの信用スコアリングサービスを導入すると述べた。回収実績向上に向け、高リスク顧客に焦点を当てたリスクベースの回収アプローチも採用しており、GAILABOへの投資額は200ー300万リンギになるとした

ン・エンキアット会長は、AIに代替された業務に従事していた従業員については、再教育の上配置転換するとし、最近の金利上昇やインフレ傾向は、同社ビジネスにも悪影響を与える可能性があるとコメント。競合他社の新規参入などにより競争も激化すると見込まれるが、不測の事態がない限り、今年は一桁台半ばから後半の成長を見込んでいると述べた。オートバイ融資、個人向け融資、中古車融資が成長に寄与するとしている。
(ザ・サン、6月22日、エッジ、ベルナマ通信、6月21日)

マレーシアで日本酒商談会、ジェトロKLが7月26日に開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は、7月26日に「日本酒商談会2023inマレーシア」をKL市内で開催すると発表した。6月30日まで日本側の参加企業の募集を行っている。募集企業数は40社程度を予定している。

日本吟醸酒協会の協力を得て行うもので、農林水産省補助事業として実施される。マレーシアへの日本酒輸出を目指す事業者がブースを設置し、マレーシアの輸入事業者、レストラン事業者、小売店事業者とフリーマッチング形式で対面にて商談を行う。

対面商談は、現地輸入パートナーを有さずマレーシア向け新規商流構築を目指す事業者と、現地輸入パートナーを有しマレーシア向け商流拡大を目指す事業者とで午前と午後に分けて実施する。

また現地参加を希望しない事業者については、商談会場にサンプル展示ブースを設置し、JETROがバイヤーに商品紹介や試飲提供を行う。現地バイヤーに商談希望先をヒアリングし、オンライン商談を後日、個別アレンジする。

ジェトロKL事務所は、2022年のマレーシア向け日本酒輸出額が前年比1.87倍となる6.25億円を記録したと指摘した上で、「日本酒はマレーシアの富裕層・中間層の所得拡大を背景に需要が急拡大しており、更なる市場拡大が期待される有望商品。その一方、マレーシアのアルコール市場における日本酒のマーケットシェアは僅か1%未満に留まっており、市場開拓の余地が大きい」としている。

JALとANAの日マ間の航空燃油サーチャージ、8月より値下げ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本航空(本社・東京都品川区、JAL)と全日本空輸(本社・東京都港区、ANA)は、日本ーマレーシア間の8ー9月発券分の燃油特別付加運賃(サーチャージ)を発表。両社とも国土交通省に申請中だが、認可された場合には片道2,000円程度の値下げとなる見込みだ。

JALの日本発着区間設定額(旅行開始国が日本、片道)は、6ー7月の1万7,900円から8ー9月には1万5,000円に値下げする。旅行開始国が日本以外の場合、6ー7月の121米ドルから8ー9月は102米ドルとなる。日本ータイ、シンガポール、ブルネイ、ロシアも同額となる。

ANAの8ー9月の日本発着区間設定額(旅行開始国が日本、片道)は1万3,000円で、6ー7月の1万5,500円から引き下げる。旅行開始国が日本以外の場合、6ー7月の105米ドルから8ー9月は80米ドルとなる(欧州、英国以外で購入の場合)。日本ータイ、シンガポール、ミャンマー、カンボジアも同額。

燃油サーチャージは、ジェット燃料価格に応じて国際線の運賃に上乗せする特別料金。2カ月ごとに見直しされており、2022年には燃料価格の高騰や円安の影響を受け、両社とも過去最高額となっていた。

宿泊料値上げや米ドル決済を検討すべき=ホテル協会

【クアラルンプール】 マレーシア・ホテル・オーナー協会(MAHO)は、同協会に加盟するホテルに対して、最低賃金の引き上げ、残業代の増加、電気代上昇によるコスト増の影響を軽減させるために、宿泊料金の値上げや、外国人観光客に対する米ドル決済を検討するよう呼びかけた。

テオ・チェンホン会長は、観光業とホテル業は新型コロナウイルス感染拡大に伴い打撃を受けたが、完全に回復しておらず、コロナ流行時に宿泊料金を30ー40%引き下げたままの状態で、料金を元に戻していないと言明。運営コストが非常に高くなっていることから、ホテルは収益を上げるために対策を取る必要があるとした。稼働率も45ー55%程度にとどまっており、回復していないという。

テオ会長によると、2022年5月に最低賃金が1,200リンギから1,500リンギに引き上げられたことで、人件費は最大で40%上昇し、2022年9月より週の労働時間が48時間から45時間に短縮されたことで、残業代も増加した。また一般家庭以外の電気料金が引き上げられたことで、電力コストも35ー50%上昇したという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月21日)

銀聯とペイネットが業務提携、QRコード決済を相互に受け入れ

【ペタリンジャヤ】 中国の銀聯国際は、マレーシアの電子決済機関ペイメント・ネットワーク・マレーシア(ペイネット)と、互いのQRコードを受け入れる業務提携で合意した。銀聯国際はユニオンペイ(銀聯)の国際事業を手掛ける子会社。

9月からユニオンペイのカードを所有する中国人旅行者はマレーシア全土で、ペイネットのドゥイットナウQRコードを受け入れる商店で電子決済ができる。
後の段階で、ドゥイットナウQRコードでの決済が可能なイーウォレットの所有者は、中国およびユニオンペイが利用されている国の加盟商店での決済が可能になる。

銀聯国際の蔡剣波代表は声明で「外国旅行が徐々に回復する中での意義ある提携だ。ユニオンペイのカードで中国人旅行者は、ATM(現金自動預け払い機)やPOS(販売時点情報管理)端末での取引だけでなく、モバイル決済ができるようになる」と語った。

ユニオンペイがQRコードの相互受け入れで合意したのは東南アジアでマレーシアが初めて。マレーシアはキャッシュレス決済の割合で東南アジア2位。イーウォレット所有者は26年には2,500万人になると推定されている。
(ザ・サン、6月21日)

世界競争力ランク、マレーシアは27位に5ランクアップ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が発表した「2023年世界競争力年鑑(WCR)」によると、マレーシアは調査対象64カ国・地域中27位となり、昨年の32位から5ランクアップした。

同ランキングは、世界の57の連携機関と協力して収集した統計データや、ビジネスコミュニティ、政府機関、専門学者からのフィードバックなどに基づき、4つの指標を柱に336項目で評価し、ランク付けしたもの。

4つの指標において、マレーシアは経済パフォーマンスでは12位から7位に、政府の効率性は38位から29位に、ビジネスの効率性では38位から32位に、インフラでは37位から35位となり全指標でランクアップした。

総合トップは昨年に続きデンマーク。2位以下は▽アイルランド▽スイス▽シンガポール▽オランダーーの順となった。最下位の64位はベネズエラ。 日本は35位で、昨年から1ランクダウンとなった。

東南アジア諸国連合(ASEAN)からは、タイが3ランク上がって30位、インドネシアが10ランクアップの34位となったが、フィリピンは4ランク下降して52位となった。

日本デザイナー学院マレーシア校、3Dアニメーション学科が開設

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア初の日本のカレッジである日本デザイナー学院マレーシア校で、新設学科である3Dアニメーション学科が6月に正式に開講した。

同カレッジは呉学園グループが2022年6月にセランゴール州スバン・ジャヤのショッピングモール「サンウェイ・ジオ・アベニュー」に開校したもので、マンガやアニメ、イラストなど、日本発のクリエイティブに関して実践的な教育を行う高等教育機関。同分野で世界を舞台に活躍できる国際的なクリエイターの育成を目標としている。

3Dアニメーション学科は、アニメーション制作会社と共同で開発された実践的なカリキュラムに重点を置いており、先進的なアニメーション業界のニーズを理解し、技術的・芸術的スキルに基づいたストーリーテリングで才能を育成することを方針としている。卒業後の主な進路としては、CGI映画、テレビ番組、広告、ゲーム業界、エクステンデッドリアリティの分野での就職が見込まれている。また、3Dアニメーション学科設置にあわせて、公式キャラクターとして「富ちゃん」も発表された。