カールスバーグ、アサヒビールの国内独占販売を年内で終了

【ペタリンジャヤ】 大手ビール会社カールスバーグ・ブリュワリー・マレーシアと日本のアサヒグループホールディングスは、マレーシアにおけるアサヒビールの独占販売および商標の独占利用について、2023年12月31日をもって更新しないことで相互に合意した

カールスバーグのステファノ・クリニ社長は声明で、10年以上にわたりアサヒ・スーパードライの製造販売・流通の権利を独占してきたが、双方納得の上円満に関係を解消したとし、今後もマレーシアの消費者に最高の体験を提供するためにプレミアム化戦略を推進していくと述べた。12月末まではアサヒの独占販売代理店であるため、それまではブランドのサポートを続けるとしている。
(ザ・スター、6月20日)

ECのエニーマインド、パナソニック製品のオンライン販売開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 エニーマインド・グループ(本社・東京都港区) は、パナソニックのマレーシア販売会社であるパナソニック・マレーシアとの間で、マレーシアにおけるECディストリビューション契約を締結した。

エニーマインドは、高品質な日本の製品を紹介するマレーシア国内向けECサイト「インスパイアード・ライフスタイル・ジャパン」(https://www.inspired-lifestyle-japan.com/) を立ち上げ、グルーミング製品や浄水器などの商品販売を開始。今後も美容家電など、より幅広い商品展開を予定している。また、ECマネジメントプラットフォーム「AnyX」の活用により、ECサイトの運営最適化を行い、インフルエンサーマーケティング・プラットフォーム「AnyTag」およびデジタルマーケティングプラットフォーム「AnyDigital」を活用し、マレーシアにおけるパナソニック製品の価値の最大化を行っていく方針だ。

エニーマインドの共同創業者兼最高商務責任者(CCO)である小堤音彦氏は、同社はパナソニックのマレーシアにおけるEC事業の成長に向けて新たなビジネスインフラを提供していきたいと考え、独自のネットワークとアジア全域で蓄積した豊富なデータを活用したソリューションを提供することでブランド成長を支援して行くと述べた。

パナソニック ・アプライアンスマーケティング・アジアパシフィックの森川真樹ゼネラルマネージャーは、マレーシアのユーザーが「インスパイアード・ライフスタイル・ジャパン」を通じてパナソニック商品を購入・利用できるようになることを嬉しく思うとし、顧客のウェルビーイングを最優先に考え、生活のさまざまな側面において、豊かな体験をしてもらうための取り組みに注力していると述べた。

エアロセンス、ドローンでマングローブ林のデータ収集飛行を実施

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 エアロセンス(所在地・東京都北区)は、ファンリード(本社・東京都豊島区)、サンウェイ大学、APT(アジア・太平洋電気通信共同体)によるドローン/AI技術を活用したマングローブ分布/生育マップ作成技術実証の「ICTパイロットプロジェクト2022」(カテゴリー2)に共同提案し採択された同プロジェクトにおいて、5月上旬から中旬にかけてエアロセンスのVTOL型ドローン「エアロボウイング」を活用し、マレーシアで約4000ヘクタール(ha)にわたるマングローブ林の育成状況に関するデータ収集・解析目的の撮影飛行を実施した。エアロボウイングの海外での飛行は今回が初となった。

同プロジェクトは、サラワク州政府による環境保持目的のための取り組みであり、エアロセンスはドローンによるデータ取集および解析、ファンリードが4K RGBおよびハイパースペクトルデータ分析(ハイパースペクトルセンサー提供を含む)を担っている。データ収集目的のドローン飛行は2023年5月5日から13日の間にマレーシアのサラワク州のクチン・ウェットランド国立公園で実施し、エアロセンス製のVTOL型ドローン「エアロボウイング」でマングローブ林の上空を飛行し、マングローブ林の育成状況のデータの収集を行った。収集したデータは、樹種の特定や森林の状態確認などを行うために活用され、ファンリードによる4K RGB画像分析と、同社製のハイパースペクトルセンサーによる分析を行い、マングローブの分布/育成マップ作成を行う予定だ。

エアロセンスは今後も、政府機関や地域コミュニティー等に対し、マングローブの保全および生態系の維持に必要なデータの提供を続けることで、マレーシアおよび東南アジアにおけるビジネス展開を目指していく方針だ。

ベルジャヤソンポ、昨年度の総収入保険料が10億リンギに

【クアラルンプール】 損害保険ジャパンが出資するベルジャヤ・ソンポは、2022年度の総収入保険料(GWP)が10億リンギを達成したと発表した。

タン・セクキー最高経営責任者(CEO)は、10億リンギを達成できたのは、顧客と進化するニーズに対しての取り組みが奏功した結果だとコメント。最高の保険ソリューションを提供するために、イノベーションの推進、テクノロジーの活用、プロセスの改善に引き続き取り組んでいくとした。

同社はこれまで自動車保険「ソンポ・モーターセーフ」、旅行保険「ソンポ・トラベルセーフ」、二輪車保険「ソンポ・モーターサイクル」などの革新的な保険商品を発表しており、これらが顧客ベースの拡大や新市場を獲得することに繋がった。またCIMBバンクとの提携により、マレーシア初の電気自動車(EV)保険「セキュアモーター」も発表している。

デジタル化の取り組みとして同社は、3月20日に、モバイル・アプリ「マイソンポ」を発表。保険契約者が車両の故障や事故の際に、アプリを通して支援を要請し、保険金を請求できるようになった。サービス開始からこれまでのダウンロード数は4,700回となっている。

(ザ・サン、6月20日)

コニカミノルタ、マラッカの複合機拠点で100%再エネを達成

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 コニカミノルタ(本社・東京都千代田区)は20日、マレーシアの複合機生産拠点であるコニカミノルタ・ビジネステクノロジーズ(マレーシア)(BMMY)で使用電力について、再生可能エネルギーからの調達率100%を達成したと発表した。これによって同社グループの海外複合機生産拠点は全拠点で100%再エネを達成したとしている。

BMMYはマラッカ州に所在し、コニカミノルタ・グループの主力製品である複合機の生産を手掛けている。2023年3月より太陽光発電システム(設置面積1万7,059平方メートル、発電容量3.4メガワット=MW)を導入し、電気使用量の約20%を太陽光発電で賄うこととなった。すでに導入済みの再エネ電力証書(I-REC証書)付きの電力と合わせて、再エネ100%を達成した。

なお中国の複合機生産拠点では、2019年にコニカミノルタ・ビジネステクノロジーズ(東莞)が、2020年にコニカミノルタ・ビジネステクノロジーズ(無錫)が、それぞれ再エネ100%を達成している。

コニカミノルタは2009年に2050年を見据えた長期環境ビジョン「エコビジョン2050」を策定し、「2050年に2005年比で二酸化炭素(CO2)排出量を80%削減する」という目標を掲げていた。今年度からは2050年の自社製品ライフサイクルでのCO2排出量を従来の80%削減から100%削減に改訂し、「2050年にネットゼロ」を新たな目標としている。

書店チェーンの米系ボーダーズ、8月末で国内営業を終了

【ペタリンジャヤ】 書店チェーンの米系ボーダーズ・マレーシアは、8月31日に国内営業を終了すると明らかにした。

オンライン店舗は先行して5月31日から営業を終了しており、クアラルンプール(KL)のショッピングモール「バングサ・ビレッジ2」にある店舗は7月31日で閉店する。

ボーダーズ・マレーシアは、コングロマリットのベルジャヤ・コーポレーションの子会社であるベルジャヤ・ブックスが運営し、2005年にベルジャヤ・タイムズスクエアに1号店をオープン。現在ではKL市内でバングサ・ビレッジ2の他、クイル・シティ・モール、パンタイ・ホスピタルKL、グレンイーグルス・ホスピタルKLにおいて4店舗を営業している。

ベルジャヤ・ブックスはバングサ・ビレッジ2店に掲示した「閉店のお知らせ」で、長年にわたって書店を支えてくれた顧客に感謝するとし、最後まで最高のカスタマーサービスを提供することを約束すると述べた。

なお、米国のボーダーズ・グループは2011年2月に破産申請し、米国内の全店舗を同年9月までに閉店している。
(ウィアードカヤ、6月16日、フリー・マレーシア・トゥデー、6月15日)

三菱モーターズマレーシア、出張サービスを開始

【クアラルンプール】 三菱モーターズ・マレーシア(MMM)は、出張サービスを行う新たなアフターセールス・サービス「三菱自動車モバイル・サービス・ユニット」の活動を開始した。

「三菱自動車モバイル・サービス・ユニット」は、ピックアップトラック「トライトン」を改造したものを利用し、整備士が顧客の自宅などに出張して修理・整備するサービス。「トライトン」には車両診断スキャナー、スタンド付き油圧ジャッキ、エアコンプレッサー、道具セットが装備されており、オイルフィルターなどのスペアパーツや、潤滑油などのメンテナンス製品を積載するスペースも完備している。予約は電話(1800ー18ー8161)で受け付けている。
(ポールタン、6月18日)

CCS共同スタディにJFEスチールが参加

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 石油資源開発(本社・東京都千代田区、JAPEX)、日揮ホールディングス(本社・神奈川県横浜市)、川崎汽船(本社・東京都千代田区)の3社、ならびにJFEスチール(本社・東京都千代田区)は、マレーシアの国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)と進めているマレーシアにおける二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)に係る共同スタディと連携した、日本を起点とするCCSバリューチェーン構築を目指す共同検討の実施について合意し、19日付けで4社による覚書を締結したと発表した。

JAPEX、日揮グループの海外設計・調達・建設(EPC)事業会社である日揮グローバル、川崎汽船の3社は、マレーシア国内におけるCO2地中貯留に関する適地調査や技術的検討、ならびにサラワク州ビントゥル地区にあるペトロナスのLNG基地からのCO2の回収・輸送や、日本を含むマレーシア国外からの将来的なCO2受け入れの可能性検討などを、ペトロナスと共同で進めている。この一環で、3社が、日本からのCO2受け入れを想定した調査や候補先との対話を進めた結果、自社事業におけるCO2実質排出量削減を検討するJFEスチールと今後の方向性が一致したことから、4社での本共同検討の実施に合意した。

4社は今後、JFEスチールの日本国内の製鉄所で排出されるCO2の分離・回収およびマレーシアまでの液化CO2の海上輸送と受け入れまでのCCSバリューチェーン構築について、必要な設備やコストなどを含めた検討を行う。また、同共同検討は、ペトロナスとの本共同スタディにおける、マレーシア国内におけるCO2の受入・貯留に係る検討とも適宜連携する。

4社は、本共同検討を通じた国際的CCSバリューチェーン構築により「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ」が目指すアジア地域の脱炭素社会の実現をはじめとした、2050年カーボンニュートラル社会実現へ貢献していく方針だ。

日本ペイントとペトロナス、協業でグラフェン配合塗料発売へ

【ペタリンジャヤ】 日本ペイント・マレーシアは、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)子会社のペトロナス・テクノロジー・ベンチャーズ(PTVSB)と協業し、石油・ガス(O&G)業界向けの保護塗料を発売すると発表した。

新製品「9049GR」は、ペトロナスが開発した鉄骨構造用の塗装添加剤「プロシールド・プラス」を配合している。炭素原子のシート状物質「グラフェン」を導入することで、厳しい気象下での腐食保護機能を強化し、塗装した鉄の平均寿命を最長16年まで伸ばすことが可能となっている。

ペトロナスのアードリン・アズリ技術・商業化担当副社長は、今回の提携は、両社の持続可能性追求における重要な第一歩であり、画期的なグラフェン活用製品「プロシールド・プラス」の普及において日本ペイントと協力できることを嬉しく思うと述べた。

日本ペイントのヨー・センヘン社長は、ペトロナスの協力に感謝するとし、新市場への参入は、「B2B(企業間取引)セグメントにおける市場シェアを今年42%、2025年までに60%に引き上げる」という同社の目標に沿ったものだと述べた。
(ザ・サン、6月19日、ビジネストゥデイ、6月16日)

自動車開発のフヂイ、UniMAPとEVの研究・商業化で協力へ

【クアラルンプール】 車両開発のフヂイ・エンヂ二アリング(本社・三重県鈴鹿市)とマレーシア・ペルリス大学(UniMAP)は、電気自動車(EV)研究・商業化における協力関係構築に向け、覚書を締結した。

6月9ー11日にクアラルンプールで開催されたカスタムカー・ショー「東京オートサロン」のマレーシア版「東京オートサロンKL2023(TASKL2023)」で覚書を締結。UniMAPの学生をフヂイ・エンヂ二アリングに派遣し、産業訓練プログラムを強化する。

フヂイの藤井充代表取締役は、日本とマレーシアの協力関係を通じ、より競争力のあるEVを作りたいと考えているとし、UniMAPと協力し、両国のエンジニアの交流と技術開発を促進していくと述べた。

UniMAPのザリマン・サウリ副総長は、フヂイとのEVの共同開発・商品化は同校の自動車技術開発の取り組みに沿ったものだとし、UniMAPではモータースポーツなど、様々な自動車分野での技術開発を行っていると述べた。

TASKL2023はマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)で開催され、13万平方フィートの展示会場で日本やマレーシアのカスタムカーを展示。3日間の来場者数は9万1,000人に達した。
(ポールタン、6月16日)