マレーシア在留邦人数、前年比9.9%減の2万4545人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本外務省は、2022年10月1日時点の「海外在留邦人数調査統計」を発表した。3カ月以上の長期滞在者と永住者を合わせたマレーシア在住の日本人数は、2万4,545人となり、前年比9.9%減少した。在留邦人総数は世界全体で12位となり、前回調査と同位を維持した。

永住者数は前年比2.4%増の2,093人、長期滞在者数は前年比マイナス10.9%の2万2,452人だった。

海外に在住している日本人の総数は、前年比2.71%ダウンし、130万8,515人となった。最も在留邦人数が多かったのは米国で、それに中国、豪州、タイ、カナダが続いた。

東南アジアでは、4位のタイが7万8,431人(前年比5.0%減)、11位のシンガポールが3万2,743人(9.5%減)、13位のベトナムが2万1,819人(同1.6%減)、16位のインドネシアが1万5,972人(3.4%減)、17位のフィリピンが1万4,522人(同7.7%減)、29位のカンボジアが3,363人(25.3%減)だった。

調査は、在外交館が2022年10月1日時点の地域内に在留する邦人数を調査した結果を集計したもの。毎年発表を行っている。

新格安航空会社エアアジアカンボジア、第4四半期に運航開始

【クアラルンプール 】 格安航空会社エアアジア・グループの親会社であるキャピタルAは、今年第4四半期に新格安航空会社、エアアジア・カンボジアが運航を開始すると明らかにした。

キャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は、同社の幅広いネットワークと強力なブランド力に基づき、東南アジア諸国連合(ASEAN)全域に事業を拡大しており、まだ航空会社を設立していない残りのASEAN諸国で新会社設立の機会を模索していると述べた。

フェルナンデスCEOによると、キャピタルA傘下の航空子会社(エアアジア・マレーシア、エアアジア・タイランド、エアアジア・インドネシア、エアアジア・フィリピン)の保有航空機数は今年第1四半期に157機となり、航空運賃の合理化、外部要因の安定により収益性が向上した。これまで新型コロナウイルス「Covid-19」の影響で休止していた229路線を再開しており、今年第4四半期までには290路線とすることを目標に掲げている。なお貨物・物流部門であるテレポートでは、発注していた3機の貨物機「A321F」のうち1機目が6月に納入される見込みで、輸送能力が拡大する予定だ。

またフェルナンデスCEOは、モバイル決済アプリ「スーパーアプリ」や決済サービス「ビッグペイ」で構成されているデジタル部門、エアアジア・デジタルの名称を、ムーブへと変更する承認を株主総会で得たと言明。配車サービスなどすべての旅行者のニーズに応えることを目指すとした。
(エッジ、6月15日)

KL盆踊り大会、7月22日にシャアラムで実施

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 クアラルンプール(KL)日本人会などが主催する毎年恒例の盆踊り大会が今年は7月22日にセランゴール州シャアラムで開催される。

会場は例年と同じくコンプレックス・スカン・ネガラ・シャアラム (パナソニック)で、開催時間は午後7時ー9時30分。

マレーシアでの盆踊り大会は、1977年からスタートし、毎回3万人以上が集まる日馬友好イベントに発展している。会場には日本食を中心とした屋台も並び、日本食を楽しみに来場する人も多いという。

昨年の盆踊り大会に対しては汎マレーシア・イスラム党(PAS)所属のイドリス・アハマド首相府相(宗教問題担当、当時)が、イスラムが否定する多神教の要素が含まれていると主張。ムスリムに対して参加しないよう呼びかけたことで騒ぎとなった。実際に盆踊り大会に出席したことのあるセランゴール州スルタン、シャラフディン・イドリス・シャー殿下が介入し「問題ない」と指摘し、州当局に開催を認めるよう求めたことで騒動が収束に向かった。最終的には、例年を上回る約3万5,000人以上の人出でにぎわうという結果に終わっている。

プロドゥア、「アジア」の廉価マニュアル車を発表

【ペタリンジャヤ=マレーシアBIZナビ】 ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)は15日、Aセグメント・コンパクトカー「アジア」の廉価マニュアル車「アジアE」を発表した。


「アジアE」は、低所得層をターゲットにしており、保険なしの価格は2万2,000リンギ。エアバッグ2つ、シートベルト非着用警報、5年間の保証が付く。ボディカラーは、アイボリー・ホワイト、グリッタリング・シルバー、グラナイト・グレイの3色となっている。2017年に発表した「アジア」をベースにしており、運輸省傘下のマレーシア交通安全研究所(MIROS)から、東南アジア諸国向け新車アセスメント・プログラム (ASEAN NCAP) で4つ星評価を受けている。


 ザイナル・アビディン社長兼最高経営責任者(CEO)は、「アジアE」について、すべてのマレーシア人に手頃な価格かつ質の高いモビリティを提供するという目標に沿ったものであると説明。月間販売目標台数については1,500台を設定していると明らかにした。

 「アジア」は2014年に初めて発表されて以来、今年5月31日までに60万6,756台を販売している。今年2月には、9年ぶりにフルモデルチェンジをしていた。

SUKE高速道路第2期が開通、2週間は通行料無料

【クアラルンプール】 スンガイ・ベシーウル・クラン高速道路(SUKE)の第2期(スリ・ペタリンーチェラス間、全長7.8キロメートル)が15日に開通した。開通を記念し、6月29日までの2週間、通行料金が無料になる。6月30日からはアラム・ダマイ料金所で料金2.30リンギが徴収される。

第1期(チェラスーカジャン間、16.6キロメートル)は昨年9月に開通していた。今回、第2期が開通したことにより、▽シャアラム高速道路(KESAS)▽スンガイ・ベシ高速道路(BESRAYA)▽クアラルンプール(KL)ーセレンバン高速道路▽チェラス・カジャン高速道路(CKE)▽東西リンク高速道路(SALAK)ーーの主要高速道路5路線および首都圏の複数の道路網を繋ぐ。スンガイ・ベシとスリ・ペタリンにはそれぞれインターチェンジが設置された。アラム・ダマイのインターチェンジは第3期でオープンする予定で、今年第3四半期までの完工が見込まれている。

開通式典に臨席したアレクサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相は、第2期が完成したことで、走行する道路の選択肢が増えたとした上で、接続性がさらにアップし、効果的に交通量が分散されるようになったと言明。車の通行がよりスムーズになることで、通勤時間の短縮にも繋がるとした上で、経済活動の促進も期待できるとの見解を示した。
(ザ・スター、6月16日、ポールタン、6月15日)

マラッカ州、独企業向け工業団地をアイルケローに新設へ

【マラッカ】 マラッカ州政府は、アイル・ケローに独企業向け工業団地を新設する計画を明らかにした。

マラッカ州のアブ・ラウフ・ユソー首相によると、敷地面積は464.58ヘクタールで、独企業20ー30社を誘致する。州内で操業している半導体のインフィニオン・テクノロジーズ、ソフトウェアのミュールバウアーIDサービシーズ、産業用センサーのロイツェ・エレクトロニックの独企業3社が、今後2ー3年で36億リンギの追加投資を行う予定であることや、独企業3社が新規投資に関心を示しており、合計4億リンギを投資することが予想されることから、独企業向け工業団地の新設を決定したという。

アブ・ラウフ州首相はまた、来年開催される観光イベント「ビジット・マラッカ・イヤー2024(TMM2024)」に合わせ、来年4ー6月に1週間のドイツウイークを開催すると発表。ドイツから様々な産業分野の投資企業が参加し、ドイツの技術や文化、食などをアピールすると述べた。
(ザ・スター、6月15日、ベルナマ通信、6月14日)

首都圏の公共交通機関、8月から増便=運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は、8月から9月にかけて首都圏クランバレーの公共交通機関で増便を計画しているとして、通勤者の移動時間短縮が期待できるとの見解を示した。

下院議会質疑の中でローク大臣は、これまでは故障や運行休止などの問題が起きていたが、公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアおよび軽便鉄道(LRT)の運営企業ラピッド・レールは、信頼回復に向けて、増便やピーク時の混雑解消などの取り組みを実施していると説明。プラサラナは4両19編成の車両を購入する予定で、8月より段階的に納入される予定だと述べた。1998年から運行している2両編成のLRT車両は9月より、新車両に置き換えられるという。

また首都圏大量高速輸送(MRT)カジャン線について、ローク大臣は、車輪の交換作業が今年8月に完了する予定だとし、ピーク時の運行間隔は現在の6分から4分に戻ると説明。LRTアンパン線については、全車両の部品のオーバーホール作業が昨年10月から実施されており、2027年12月に完了する見込みだとした。なお、モノレール線については、新車両2両の製造と1両の修理が2025年3月に完了する予定で、完了後のピーク時の運行頻度は5分になるという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月15日、マレー・メイル、ビジネス・トゥデー、6月14日)

DX支援のアクトビ、マレーシアに現地法人を設立

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 デジタルトランスフォーメーション(DX)支援や経営課題解決に携わるアクトビ(本社・大阪市西区)は、4月にクアラルンプールで現地法人アクトビ・サウスイースト・アジアを設立し、6月より本格稼働すると発表した。同社にとり初の海外展開となる。

アクトビ・サウスイースト・アジアは、マレーシアを拠点にデジタル事業構築における東南アジア諸国連合(ASEAN)エリア進出支援、システム開発支援、デザイン支援を行う。日本からASEAN地域への進出を検討している企業や海外展開企業、現地企業などに対し、事業創出からサービスの成長まで、業務課題の洗い出しから解決までを一気通貫で支援する。また、最高経営責任者(CEO)には、アクトビの藤原良輔代表取締役が就任する。

アクトビは、世界に向けた事業開発を行う企業への支援を行う際に、世界中の新規事業構築のナレッジを持っていること、そして世界のマーケットを知っていることは支援する側として大きな強みになるため、海外法人設立を決定した。近年市場が急拡大しているASEAN地域における親日国であることや多民族国家であること、住みやすい気候、空気感、日本との親和性の高さに加え、シンガポール、タイ、ベトナムに飛行機で1時間圏内という立地であることから、マレーシアを拠点として選択した。

今後は、日本からの移住希望者や現地スタッフの雇用を強化し、日本法人と連携を取り、これまでに培ってきた実績と経験を活かしてDX支援や経営課題の解決を行うことで、マレーシアとASEAN地域におけるデジタル事業の発展に貢献していく方針だ。

ニトリが8号店をジョージタウンに開設、ペナン州では初

【ジョージタウン=マレーシアBIZナビ】 ニトリホールディングス(本社・北海道札幌市)は15日、マレーシア8号店をペナン州ジョージタウンのショッピングモール「ガーニー・パラゴン・モール」内にオープンした。ペナン州では初出店となり、ニトリグループとしては924店舗目となる。

店舗名は「ニトリ・ガーニー・パラゴン・モール店」。3階に位置し、売り場面積は約700坪。営業時間は午前10時から午後10時。

同社はマレーシア国内において、これまでクアラルンプール(KL)の「ららぽーとブキ・ビンタンシティセンター」、「パビリオン・ブキジャリル」、「スリアKLCC」、セランゴール州プトラジャヤの「IOIシティモール」、ペタリンジャヤの「ワンウタマ」と首都圏に出店してきたが、昨年12月にジョホールバルの「ミッドバレー・サウスキー」に地方初出店し、今年1月にも同じくジョホールで「トッペン・ショッピングセンター」にオープンしていた。

ニトリは、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」という同社のロマンを実現するため、今後も積極的に海外展開を進めていく方針だ。

STSフォーラム日ASEANワークショップ、プトラジャヤで開催

【クアラルンプール】 科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム「第7回STSフォーラム日ASEANワークショップ」が13日、プトラジャヤで開催された。マレーシアでの開催は2回目となる。

同ワークショップは、日本、東南アジア諸国連合(ASEAN)の学術界、産業界、政界のリーダーが集まり、科学技術やイノベーションによる解決が期待される地域の社会的課題や課題解決に向けた協力について意見交換や交流を行うもの。NPO法人STSフォーラムとマレーシア産業政府関係機関団体(MIGHT)が日本貿易振興機構(ジェトロ)と共同開催し、在マレーシア日本大使館とマレーシア日本人商工会議所(JACTIM)が後援している。今年のテーマは、「未来の持続可能で強靱な社会の構築ー進化する科学技術・イノベーションの役割と真の豊かな社会の実現に向けてASEANと日本はどのように協力できるか?」と「スタートアップの協業とイノベーション・エコシステムの構築の可能性」の2テーマ。

チャン・リーカン科学技術革新相は基調講演で、関係国がそれぞれの強みと発展段階を考慮し、効果的なイノベーション・エコシステムを確立する必要があるとし、知識や資源の共有により、効果的で適応力のあるモデルを開発できると述べた。

MIGHTのアハマド・タジュディン共同会長(産業担当)は、国家や組織間の協力関係を構築する科学外交の重要性を強調し、MIGHTでは、3C(会話、協業、共創)を実践することで、革新的なソリューションを生み出しており、変化や競争が激しい分野では、協業や共創が不可欠だと述べた。
(ベルナマ通信、6月14日)