【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ザリハ・ムスタファ保健相は6月29日、新型コロナウイルス「Covid-19」の標準運用手順(SOP)を7月5日付けで見直すと発表した。

感染者の隔離期間については、感染力が最初の5日間で最も高まることが研究で示されたことから、これまでの7日間から5日間に短縮する。
公共交通機関や医療施設を利用する際に義務付けられていたマスク着用についても、義務化をなくし任意とする。ただし感染者が医療機関を訪れる際にはマスク着用を求める。

また高齢者、慢性疾患のある人、免疫力の低い人、妊婦などのリスクの高い人については、特に混雑した場所や換気の悪い場所ではマスク着用を強く推奨する。感染が疑われる呼吸器症状のある人については、他人への感染を防ぐため、バス、飛行機、タクシーなどの公共交通機関を利用する際のマスク着用を奨励する。

一方で、新型コロナの感染状況や医療機関の状況が懸念される水準ではないものの、今後各地で宗教イベントや州議会選挙が行われるのを考慮し、6月末までとなっていたマレーシア国内の感染地域ステータスを2023年12月31日までさらに6カ月延長する。新たな変異株や亜種が出現するリスクがあるため、感染症管理を容易にするためだとしている。

ザリハ保健相によると、過去5週間で新規感染者数は5,801人から2,698人へと53.5%減少し、死亡者数は17人から11人へと35.3%減少した。公立病院での入院者数とベッド占有率は減少しているものの、集中治療室のベッド使用率は6%で推移している。