【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 商船三井(本社・東京都港区)は6月28日、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)並びに中国の船舶設計機関である上海船舶研究設計院(SDARI)と共同開発した液化二酸化炭素(LCO2)船についてノルウェーのデット・ノルスケ・ベリタス(DNV、本部・オスロ)およびアメリカ船級協会(ABS、本部・テキサス)の2船級から、また、同じくペトロナス、SDARIと共同開発した洋上浮体式設備(FSO)についてABSから、設計基本承認(AiP)を取得したと発表した。
授与式は、アジアにおけるネットゼロ実現を目指しエネルギー産業の持続可能な発展を推進する国際会議「エナジー・アジア」の会場となった、クアラルンプール・コンベンションセンターにおいて、6月26日に行われた。
商船三井は2022年2月、ペトロナスと覚書を締結し、アジア大洋州地域におけるCO2回収・利用・貯蔵(CCUS)バリューチェーン実現に向けた最適な液化CO2輸送に関する共同検討を行い、また、SDARIと協働し複数のLCO2船とLCO2 FSOのコンセプトデザインを完了させた。FSOは、洋上で貨物の受入・払出を行う浮体設備で、LCO2 FSOはCCUSバリューチェーンにおいて効率的な手段の一つと考えられている。今回のコンセプトスタディ完了およびAiP取得により、輸送貨物量・距離、洋上の貯留地付近までの直接輸送等、将来の多様な輸送ニーズに柔軟に対応することが可能となるという。