【クアラルンプール】 携帯電話サービスのXOXは、子会社のXOXコムを通じ、KDDI(本社・東京都千代田区)のマレーシア現地法人KDDIマレーシアと共同で来年1月に越境eSIM通信サービスを開始すると発表した。日本とマレーシア両国で顧客350万人の獲得を目指す。

eSIMは物理的なSIMカードを端末に挿入する必要がなく、携帯端末内のデータ書き換えにより通信を利用可能とするもの。SIMカードとeSIMをそれぞれ1枚ずつ利用することで、マレーシア国内ではXOXの回線、日本国内ではKDDI回線を使えるようになる。旧正月前の12ー2月にかけてマレーシア人の日本への旅行が増加することが予想されるため、今年12月末までにサービス詳細を確定させる予定。また、XOXが展開するキャッシュレス自動販売機「スペースX」の拡大や専用アプリの共同開発、両社最新技術の投資プロジェクトへの活用などの面でも協力する。

XOXのロイ・ホー・ユーキー取締役は、覚書締結式後の記者会見で、現時点での顧客数は250万人だが、今回の提携により来年までに350万人に増加させたいと述べた。今回がXOXにとり初の海外企業との協業だが、中国、シンガポール、オーストラリア、タイなどにおいても協業に向け現地企業と交渉中だとしている。

KDDIマレーシアの松浦真樹社長は、マレーシアには日本企業約1,200社が進出し、3万人近くの日本人が在住しているため、そういった在マレーシア邦人も顧客候補になりうると述べた。
(ザ・サン、6月30日)