タイの部品製造大手アピコ、プロトン部品子会社に出資

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、タイ最大の自動車部品メーカーであるアピコ・ハイテックに自動車部品生産子会社アドバンスド・ビークル・エンジニアリング・グローバル(アヴィー・グローバル)の60%株式を売却すると発表した。

プロトンは40%株式を保有する。アヴィー・グローバルは社名をアピコ・アヴィーに変更し、プロトン車以外の部品の生産も開始する。アピコは、金型、治具、 熱間プレス成形部品、車体組立部品、シャーシ部品を生産する20エーカーの既存工場の拡張に向け、約4,000万リンギの初期投資を行う。2024年までに1億リンギの追加投資を行い、さらなる工場拡張と新機械導入を行う予定。

アヴィー・グローバルは、宮津製作所(現・富士テクニカ宮津)が2003年にプロトン、日商岩井(現・双日)と合弁で設立した、宮津マレーシアを前身としており、現在はタンジョン・マリムでプロトン車の部品生産および金属熱成形を行っている。

アピコは1996年に設立。トヨタ、いすゞ、ホンダ、日産フォード、三菱など、タイ現地生産車向けの1次請け部品サプライヤーで、47の子会社および関連会社で構成され、うち14社はタイ国外(マレーシア、シンガポール、インド、中国、英国、ドイツ、ポルトガル)にあり、従業員数は5,000人以上。2022年の売上高は37億リンギ、利益は2億4,000万リンギ。マレーシアには、ディーラー事業で進出しており、プロトン車を扱うディーラー4店舗を含む合計6店舗を運営している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月4日、ポールタン、エッジ、7月3日)

いすゞ「D-MAX」、2023年版を発売

【クアラルンプール】 いすゞマレーシアは、ピックアップ・トラック「D-Max」の2023年版1.9Lスタンダードモデルを投入したと発表した。

従来モデル同様、最大出力150PS/3,600rpm、最大トルク350Nm/1,800ー2,600rpmを発揮する排気量1.9リットルの「RZ4E-TC」エンジンを搭載。従来はシルバーで仕上げられていたドアとテールゲート・ハンドルがボディと同色に変更された。バックカメラを標準装備し、フロントのUSBポートがタイプAのみからタイプAとタイプCの2種に変更された。ボディカラーは、新色のビアリッツブルーの他、既存のバレンシアオレンジ、スプラッシュホワイト、マーキュリーシルバー、オニキスブラックを合わせた全5色。保険なしの価格は、マニュアル車で10万5,599.20リンギから、オートマチック車で11万2,999.20リンギから。5年間、15万キロメートルまでの保証が付属する。
(ポールタン、7月3日)

国内EV充電大手3社、充電施設の横断利用を開始

【クアラルンプール】 国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)のクリーンエネルギー子会社であるジェンタリは3日、完全子会社ジェンタリ・グリーン・モビリティを通じ、電気自動車(EV)充電スポット管理アプリ「ジョムチャージ」を提供するEVコネクションおよび石油・ガス(O&G)のインソン・ホールディングス完全子会社であるインソン・グリーン・テクノロジー(M)(YGT)と提携し、3社が提供する充電施設の横断利用を開始したと発表した。

3社が提供するモバイルアプリのいずれか1つを利用することで、全国600カ所以上での充電および支払いが可能となる。600カ所は国内全EV充電施設の約60%に相当し、内訳は、ジェンタリが約150カ所、ジョムチャージが約100カ所、YGTが運営するチャージEVが約320カ所となっている。3社は3月にEVインフラでの協業に向け、三者間契約を締結していた。

ジェンタリ・グリーン・モビリティのシャー・ヤン・ラザリ最高経営責任者(CEO)は声明で、EVへの移行には、充電インフラへのアクセスのしやすさや利便性が不可欠だとし、今回の協業により、広範なEV充電網へのアクセスが可能となり、航続距離に対する不安をなくすことができるとコメント。3社の協業により、1社では困難なペースで充電施設を増加させることが可能になると述べた。
(ザ・サン、7月4日、ポールタン、7月3日)

事実上の死刑廃止法、7月4日付けで施行

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 死刑以外の刑罰規定がなかったいくつかの犯罪について裁判官に減刑の裁量権を認める「2023年強制死刑廃止法」が6月30日に官報に公示され、7月4日付けで施行された。同法は4月の国会で可決成立していた。

マレーシアではこれまで33の犯罪に対して死刑が刑罰に含まれていた。強制死刑廃止法により、死刑以外の刑罰規定がなかった麻薬密売、殺人、誘拐、国家反逆罪、組織犯罪、銃火器犯罪、テロ行為やテロ支援を含む11の犯罪に対する強制死刑が廃止され、刑罰は30年以上、40年以下の禁固刑、および12回以上のムチ打ち刑に置き換えられる。また殺人未遂や誘拐など7つの犯罪に対する選択肢としての死刑を完全に削除する。終身刑についても、30年から40年の禁固刑に置き換えられる。

マレーシアで最後に絞首刑が執行されたのは2017年で、2018年7月以降は死刑執行を停止しているが、法律上、強制死刑の規定が維持されていたため死刑囚の数は増加していた。アザリナ・オスマン首相府相(法務担当)によると、法案提出時点で1,340人いる死刑囚、100人いる終身刑受刑者にも法改正が適用されるという。

阪急阪神エクスプレス、マラッカに新営業所を開設

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 阪急阪神エクスプレス(本社・大阪府大阪市)は3日、マレーシア法人である阪急阪神エクスプレス(マレーシア)が、マラッカに9カ所目となる営業所を新たに開設し、同日より営業を開始したと発表した。

営業に特化した同営業所では、クアラルンプール国際空港およびポートクラン港を利用した輸出入に注力し、自社トラックを使用した往復での輸配送サービスも提供する。新拠点において顧客のニーズに的確に応えるとともに、新規営業開発を進め更なる事業拡大を目指す。

阪急阪神エクスプレスはマレーシアにおいて、1994年4月にクアラルンプール本社・支店とクアラルンプール空港事務所を開設。その後、ペナン支店を1994年10月、ジョホールバル支店を1997年4月、バターワークス事務所を1997年7月、ポートクラン事務所を1999年4月、パシルグダン事務所を2000年7月、クアンタン事務所を2020年9月に開設していた。

阪急阪神エクスプレスは、今後も東南アジア諸国連合(ASEAN)での拠点ネットワークを拡充し、お客様へのサービス向上に一層努力していく方針だ。